吾妻山麓、無垢の富湯。~4日目 ①~

豪雪米沢の小野川温泉河鹿荘で迎える白銀の朝

豪雪の地米沢、小野川温泉で迎える朝。早朝のまだ弱々しい光を受け、青白く幻想的な色に染まる銀世界。夜から降り続いた雪は、木々の枝をレースのように白く彩ります。

小野川温泉河鹿荘美味しい朝食バイキング
白銀に染まる庭園を望む大浴場で朝風呂を楽しみ、お待ちかねの朝食を。こちらの朝食はバイキング形式となっており、たくさんの美味しそうな品々が並んでいます。

和洋さまざまなものが並ぶ中、特に目がいくのが山菜やお漬物といった山の宿らしいお料理。あまりにもそれらが美味しそうだったので、がっつりおかずとご飯ではなく、いろいろな種類のご飯の友を味わってみることに。

山形はお漬物が美味しいところ。バイキングにもお漬物コーナーが設置されるほど、豊富な種類が並んでいます。菜っ葉やきゅうり、大根など気になるものをちょっとずつ取ってみましたが、そのどれもがやっぱり旨い。

そして特に忘れられない個性的な美味しさだったのが雪割納豆。置賜地方の保存食であった五斗納豆をもとに作られたそうで、納豆に米麹と塩を加えて更に醗酵させたもの。何の予備知識もなく食べた僕はその塩辛さにびっくり。でもこれがとっても旨いんです。

納豆は醗酵が進んで更に香りと旨味が増し、塩分によって味や食感が一層凝縮されています。そこへ米麹がダメ押しするかのように旨味と独特の香りをプラス。

もうこれは納豆にして納豆にあらず。こんな納豆は初めて食べました。しょっぱいのでちょっとずつを熱々のごはんに。すると引き立つ香りとお米の甘味。日本の発酵食品の底力をガツンと味わわせてくれる、この土地ならではの逸品です。

そしてそれの更に上をゆく美味しさだったのが、レンゲに入っている肉味噌とラジウム温泉玉子の組み合わせ。どうやらこの組み合わせがおすすめのようで、玉子置き場に書いてあったので試してみました。

まずこの肉味噌自体が美味しい。女将さん特製味噌に地元名産の米沢牛と天元豚を合わせたものだそうで、濃い味噌の風味とお肉のコク、甘味が相性バッチリ。

このお味噌だけでもご飯がススムくんだったのですが、書いてある通り温泉玉子に混ぜてご飯に掛けてみることに。そもそも温泉玉子でご飯を食べられるタイプではないので、最初は半信半疑でした。

ですが、もうたったひと口でノックアウト。温玉の濃厚な黄身と絡む肉味噌。それを丁度よく濃度調整してくれる白身もあいまって、もうこんなにご飯に合うなんて驚き。温泉玉子は出汁ではなく味噌で食べるべき。そう思ってしまうほどの相性の良さ。

どれも主役級のご飯の友たちに隠れてしまっていますが、山菜の煮物や炒め物、お味噌汁といったお宿のお料理ももちろん美味しい。昨日の夕食に引き続き、もう大、大満足の朝食でした。

豪雪の米沢冬の米沢城跡上杉神社
最初は小野小町由来の美肌の湯に入ってみたい、そんな程度の動機で泊まることにした河鹿荘。その温泉ももちろん良かったのですが、何より感動したのは美味しいお料理。

米沢牛も絶品だったし、それに頼りすぎることなく、他のお料理もみんなきちんと美味しく調理されていた。また小野川温泉に来るなら、次も泊まりたい宿。いや、泊まるために小野川温泉まで来たいと思う宿でした。

帰りも女将さんに見送られ、宿の送迎バスで米沢駅方面へと戻ります。希望者は手前の上杉神社で降りられるので観光にも便利。

冬の米沢城跡凍てつき雪に埋もれたお堀
上杉神社は旧米沢城の本丸跡に建てられた神社。途中のお堀は凍りつき、雪に埋もれて真っ白に。久々の雪国だからか、それとも豪雪の米沢だからか。一面を埋め尽くすように積もる雪の量に、昨日から圧倒されっぱなし。

冬の米沢城跡雪の積もる上杉神社鳥居
お堀を渡り、上杉神社入口に到着。頬に感じる風は凛と冷たく、ふんだんに積もった雪が境内の空気までをも清めているかのよう。

上杉謙信公が祀られる旧米沢城跡上杉神社
米沢藩藩祖、上杉謙信公を祀る上杉神社。歴史に疎い僕でも「敵に塩を送る」ということばがすぐに浮かぶほど有名な戦国武将。雪の積もる本殿にお参りをし、初めて米沢を訪れることができたお礼をします。

冬の米沢松岬神社
そしてこちらが米沢藩初代藩主の景勝公や、財政難であった米沢藩を立て直したといわれる鷹山公などが祀られる松岬神社。

雪の米沢上杉鷹山公銅像
松岬神社にお参りをし鳥居の横をを見ると上杉鷹山公の銅像が。農業や産業を奨励し、自ら倹約に努め藩の財政難を救ったそう。織物や鯉、豊かな農地など、現代まで伝わる米沢の礎をつくった藩主です。

僕は恥ずかしながら歴史が本当に苦手。でもこうして実際に旅を続けていると、大好きだった地理と歴史は切っても切れない関係であるということをつくづく実感するのです。

なんで学生のときにそれに気がつかなかったのだろうか。丸暗記に意義を見出せなかった僕にとって、歴史の授業は苦痛でしかなかった。でも、もしも歴史に興味を持てていれば、旅はもっと楽しいものになっていたはず。

ここ米沢に来るまでは全く知らなかったことばかり。「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬ成りけり」。この有名な言葉すら、この鷹山公のものだったということを現地で知ったほど。

本当に耳の痛い言葉。気候風土と歴史が育んだものが、今に伝わる土地の文化。やっぱり歴史を知っていた方が絶対に楽しめる。なせば成る、今からでも遅くない、せめて人並みには歴史を好きになりたい。米沢城跡を訪れ、そう強く実感するのでした。

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