晩冬、早春、上悦泉。~銀嶺の懐へ 1日目 ⑥~

富岡の街に残る渋い建物

明治から昭和までの歴史がそのまま封じ込められたかのような富岡製糸場。人々の営みの残像を胸にしまい、この地を離れることに。

富岡の味のある商店街
駅へと向かう道中、大通りから一本入り商店街を歩きます。そこに広がるのは、やはり懐かしさを感じさせる味わい深い街並み。ガラス張りのおしゃれな街より、やっぱり僕はこんな雰囲気が好き。

上信電鉄上州富岡駅
渋い街並みをのんびりと歩くこと約10分、『上信電鉄』上州富岡駅に到着。世界遺産登録に合わせて改築したのか、駅舎はかなり新しさを感じさせます。

上信電鉄ぐんまちゃん列車
駅舎とは対照的に古き良き地方私鉄の趣を残すホームで電車を待っていると、何だか目立つ車両が到着。よくよく見ると、フロントがぐんまちゃんの顔になっています。側面にもぐんまちゃんのイラストだらけ。あぁぐんまちゃん、ぐんまちゃん♪

上信電鉄ぐんまちゃん列車車内に飾られた大きなぬいぐるみと駅員さんぐんまちゃんイラスト
通学の高校生で賑わうホームと車内。本当はバシバシ写真を撮りたかったのですが、羞恥心を捨てきれず高崎駅到着後に1枚だけパシャリ。車内にもたくさんのぐんまちゃんが描かれ、大きなぬいぐるみも乗車中。駅員さんぐんまちゃん、かわいすぎ!!

高崎駅前郷土料理居酒屋和ダイニングだんべ。
愛おしいぐんまちゃんに後ろ髪をひかれつつ改札を抜け、駅前のロータリーにある『和ダイニング だんべ。』で群馬の恵みを味わうことに。ここは前にも一度訪れたことがあり、美味しかった記憶があったため迷わずの再訪です。

高崎駅前郷土料理居酒屋和ダイニングだんべ。群馬産ぎんなん
まずは生を頼み、歩きつかれた体を癒します。ビール片手に眺めるメニューには、嬉しいことに地元群馬産の食材がずらり。お腹の容量と相談しながら、どれを食べようかと悩む幸せなひととき。

そんな中まず頼んだのは、群馬県産のぎんなん。時期でもないしとも思いましたが、大好物なのでまぁ気にしない。

早速殻をむいてひと口。すると感じるもっちもちの歯ごたえと甘味、そして特徴的な香り。やっぱり頼んでよかった、呑兵衛には堪らないひと品です。

高崎駅前郷土料理居酒屋和ダイニングだんべ。群馬のブランドニジマス銀光のお造りと下仁田産こんやくの味噌おでん
続いては群馬の誇るブランドニジマス、銀光のお造りを。長期間育てたというニジマスはしっかりとした肉質で、味わいも脂もあるのに臭みやしつこさは無し。海の魚には真似のできない、淡水魚ならではの上品な旨さ。

そのお隣は、これまた大好物の下仁田産こんにゃくの味噌おでん。群馬といえば!のこんにゃくですが、驚いたのはその食感。硬すぎず柔らかすぎず、適度に弾力があり、そして瑞々しい。これまで食べたこんにゃくの中でも最高ランクで僕好み。

高崎駅前郷土料理居酒屋和ダイニングだんべ。春の山菜の天ぷら
すっかり食欲に火が付いてしまった僕は、春らしい山菜の天ぷらも注文。うどにたらの芽、ふきのとうがさっくりと揚げられており、塩で食べれば口から鼻へと春が抜けてゆきます。

高崎駅前郷土料理居酒屋和ダイニングだんべ。群馬の美味しい味噌ピザ
そして〆にと選んだのは、その名も群馬の美味しい味噌ピザ。味噌好きで有名な群馬、弥が上にも期待が膨らみます。

味噌にチーズ、小ねぎだけといったシンプルなピザをひと口。するとすぐさま広がる、味噌とチーズの見事な調和。これは嘘偽りない、群馬の美味しい味噌のピザ。

麹のしっかりと残った味噌は、コクや旨味とともに強めの甘味が印象的。それが同じく発酵食品のチーズに合わない訳がなく、小ねぎのちょっとした風味がまたいいアクセントに。あっという間に一枚ペロリと平らげてしまいました。

食材の宝庫、群馬県。東京で暮らしていると群馬の食材を見ない日はないというほど馴染みのある産地ですが、やはり現地で食べると一層旨い。鮮度の違いもそうでしょうが、食材が育った空気を吸いながら味わうという非日常が一層味覚をくすぐるのでしょう。

そしてこちらのお店は、嬉しいことに群馬県の地酒の品揃えが豊富。三種飲み比べから始まり、気が付けばしっかりたっぷり酔っぱらってしまいました。

夜の上越線井野駅
お腹も心も大満足、幸せ気分で高崎駅から上越線に乗車します。座席に座ってほっとするのも束の間、2つめの井野駅で下車します。

高崎中尾温泉天神の湯
駅前で停まっていたタクシーに乗り込み、10分掛からずに今宵の宿である『天神の湯』に到着。本当は駅から30分掛けて歩くつもりでしたが、酔ってたし、仕方ないよね。ってそれでは安宿にした意味ないじゃん。

こちらは所謂仮眠のできる健康ランドなのですが、建物も新しくきれいで、お湯は本格的な天然温泉掛け流し。仮眠スペースもリクライナーとベッドが選べ、さらに嬉しい全席指定。これでひと晩2400円とくれば、もうお得感はバッチリ。

肝心のお湯はといえば、ほんのり茶色のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。東京近郊で見かけるタイプのお湯ですが、どの浴槽も源泉がどばどばと贅沢に使われており、贅沢な気分で湯浴みを楽しめます。

朝早く東京を発ち、群馬を思い切り満喫した今日一日。灯台下暗し、同じ関東に住みながらこんなにも群馬の魅力を知らずに過ごしてきたなんて。そして明日からはいよいよ豪雪、越後の国へ。上越線で結ばれた上悦な時間に期待を膨らませ、深い眠りへと落ちるのでした。