青に抱かれ見果てぬ夢を。~ブルートレインで北へ 5日目 ①~

キハ183系北斗洞爺駅入線

久しぶりにばあちゃんと過ごす数日間。中学、高校の頃には半月以上居たこともありましたが、何日居てもあっという間に過ぎてしまうもの。楽しい時間というのは本当に早く流れてしまうものです。

それでも、社会人になってからも何だかんだいって2~3年に1回位は会いに来ることができている。そのことを励みにして、またここへ来られる日の為に日々を頑張ればいい。そう自分に言い聞かせ、いつものこのホームから旅立ちます。

室蘭本線特急北斗車窓とサッポロクラシック

とはいえ、やっぱり北海道は遠い、遠すぎる。時間的にも、金銭的にも、本州への旅とは比べられないほど費やさなければ来ることのできない北海道。

次回が必ずあることが解っていても、どうしてもぬぐいきれないこの去り際の寂しさ。今日の北の空は、そんな僕の心を映してかどんよりしています。

僕の好物やビールを用意してくれてありがとう。また遊びに来るよ、と心の中でつぶやき、流れる車窓をぼんやり眺めます。

いつものそんな旅立ちの傍には、いつものクラシック。喉に感じる苦味が、寂しさを何となく薄くしてくれるような気がします。

国鉄の雰囲気を色濃く残す国鉄型気動車キハ183系特別急行北斗車内

帰りに乗ったのは昔ながらの特別急行北斗号。僕はこのキハ183系を初めて見たときのことを今でも忘れられない。

そのときは冬の多客時だったのだろう、白地にエンジとオレンジのラインが眩しい長編成がホームに停まる姿は、それは鮮烈で印象深いものだった。

小さかった僕は、一目見ただけで北斗に乗りたくて仕方が無くなり、車で千歳空港まで送ってくれると決まっていたのに北斗に乗りたいと駄々をこねてみんなを困らせた記憶がある。

この国鉄の香りを色濃く残す車両に乗るたびに、いい年をして四半世紀ほども前のことを必ず思い出してしまう。

僕の想い出を彩る車両たちがどんどん後輩へとバトンタッチする中で、この北斗号は辛うじて残る、当時の生の雰囲気そのもの。座席を新しくしても、カーテンを変えても、この国鉄感は薄れない。

現役で走る数少ない想い出の立役者。室蘭本線には新旧両方の思い出が、今も毎日元気に往復しています。

国鉄型特急北斗最前列からの展望

そう言えば、初めて北斗に乗ったときは混雑していて立ちんぼだったっけ・・・。そう言えば、あの運転台の窓の外に増結車が連結されていたのが見えていたっけ・・・。

なんて懐かしく思い出していると、一番先頭の座席が空いているのを発見。自由席であることをいいことに、すぐさま席を移動します。

室蘭本線の二大スター北斗とスーパー北斗のすれ違い

小さい頃の憧れであった北斗から眺める、愛するもうひとつの北斗。新旧の北斗がお互いの力走を称え合うかのようにして轟音と共にすれ違う様は、この室蘭本線ならではの光景。このキハ183系も、そう長くない運命かもしれません。

初夏の青空札幌駅

古きよき北斗に揺られ、回想に耽ることしばし。北海道の中心地札幌に到着。道南を出たときの天候は嘘のように、暑いくらいにからっと晴れています。

今回は周遊きっぷ(廃止)利用。有効期間も長く、ゾーン内は乗り降り自由なので、この地で1泊し、北海道を楽しみつくしてから帰ることとします。

札幌ら~めん共和国

まずはお昼の楽しみ、札幌ラーメンを。駅前のビックカメラの入るビル、ESTAの10階にある『札幌ラーメン共和国』へと向かいます。

こちらには地元札幌のお店が4店舗の他、旭川や函館といった有名どころや長万部などの北海道ラーメンのお店が軒を連ね、市内各地や道内各地へ足を延ばす余裕の無い旅行者にはありがたいスポット。

札幌ら~めん共和国内さっぽろ大心

8店舗中7店舗ある北海道ラーメン屋さんの中から今回選んだのは、『さっぽろ大心』。昭和60年からやっているお店の支店だそうで、大勢のお客さんで賑わっています。(ら~めん共和国内の店舗は閉店)

札幌ら~めん共和国内さっぽろ大心ハーフ味噌ラーメン

今朝はばあちゃんが朝ごはんをたくさん用意してくれたので、今回頼んだのはハーフラーメン。食べ歩きや食事の時間を外してしまったような旅行者に嬉しい、小盛のラーメンです。

前もって運ばれてきたゴマを擦り擦りして待っていると、熱々の湯気が立つラーメンが到着。チャーシュー、メンマ、炒め玉ねぎ、きくらげ、ねぎといった具材が載っています。

スープをひと口飲んでみると、思ったよりも脂を感じさせない、すっきりでいて旨味のあるスープ。札幌ラーメンを本場で食べるのはまだ3度目で、以前の2店舗は比較的濃い目だったのでちょっとだけ予想外。

でもこの濃さが僕には丁度いい。確かに一口目のインパクトや、食べた後数年も記憶に残るようなインパクトはないかもしれません。でも、それはバランスがいいという証拠でもあるというもの。

二口、三口と飲み進めると、最初は「とても美味しい味噌汁」程度だった印象が、もうひと口、もうひと口とレンゲを運びたくなるような食べやすさがあります。

麺は味噌に良く合うプリプリとした縮れ麺。その縮れがスープを一緒に口へと運び、猫舌なのも忘れて思わず啜ってしまいます。少し食べた後にごまを加えれば、香ばしさが増しまた違った感じへと変化。奇をてらわず、味噌ラーメン!と素直に呼びたくなるようなシンプルな美味しさに溢れていました。

一口に札幌ラーメンと言っても、お店によって味は様々。流行に乗った同じようなラーメン屋ばかりが並ぶ東京とは一線を画すこの北海道のラーメン事情。麺好きには堪らない麺の都です。これはまた次も他のお店を食べてみなければ。

美味しい札幌ラーメンに出会い大満足。お腹を満たしたところでデパ地下を探検し、今夜のお酒を吟味して仕入れます。

今夜の宿は、札幌の奥座敷として有名な定山渓温泉の手前にある、小金湯温泉。札幌近郊としては珍しいという硫黄泉を目指し、バスターミナルへと向かいます。

青に抱かれ見果てぬ夢を~ブルートレインで北へ~
寝台特急北斗星ワイン片手にロイヤルで過ごす贅沢なひととき
2012.6 青森/北海道
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