瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。3日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。3日目 ②~

初夏の青空松本駅 旅グルメ

井の頭線の記憶を残したままの上高地線に揺られ、松本駅に到着。それにしても暑い暑い!5月というのに30℃。これまで涼しい高地に居たため、この暑さはかなり堪えます。

松本そばきりみよ田

雲ひとつない青空から容赦なく照り付ける太陽を背中に感じつつ、暑さに負ける前に昼食のお店へと急ぎます。今回は以前から食べてみたかったメニューの置いてある、『そばきり みよ田』にお邪魔します。

松本そばきりみよ田旧奈川村郷土料理投汁(とうじ)そば

想像以上の暑さを信濃の冷酒で冷ましつつ待つことしばし、グツグツと煮える鍋と共におそばが運ばれてきました。

この暑い中注文するかどうか逡巡したこのそばは、梓湖の南に位置する旧奈川村の郷土料理、「投汁(とうじ)そば」。以前に存在を知ってからずっと食べてみたかったので、暑い中でも負けてられないと、思い切って注文。

煮える鍋の中には、しょう油ベースのだしとたっぷりのきのこ、ねぎ、油揚げ。水で〆られた冷たいそばを持ち手の付いたざるに入れ、早速鍋の中でしゃぶしゃぶ。お椀にスタンバイしていた具とつゆの中に素早く入れ、待望のひと口目を味わってみます。

すると、味わう前にガツンと来るその熱さ!そばがのびないようほんの数秒しゃぶしゃぶしただけなのに、猫舌の僕には辛いほどの熱さ。これは寒い冬には堪らないでしょう。

気を取り直してもうひと口。茹でてから一旦締められたそばは、温めなおしてもつるっとコシを残した食感に。かけそばとは全く違う、熱々のそば。これは旨い。

松本そばきりみよ田とうじそば仕上げのそば米雑炊

傍から見たらドン引きする程の汗を掻きながら、美味しいとうじそばを食べたところで、お店の方がそば米雑炊を造りに来てくれます。だしを適量に調整し、粒のまま茹でてあるそばの実を投入。程よく煮えたところで卵でとじてくれます。

これがまたそばきりとは違った美味しさ。ぷつぷつとしたそばの実の食感が美味しく、熱々と格闘しながらもさらさらと口へと入ってきます。

松本そばきりみよ田投汁そばプラン〆のもりそばで蕎麦三昧

そして〆は冷たいもりそば。文字通りそば三昧です。黒い粒が目立つそばを手繰れば、強いコシと滑らかな喉越し、そしてそばの風味。日頃温かいそばばかり食べがちな僕ですが、やはり冷たいそばもまた旨し。水とそばの美味しい土地に来ると、その差は歴然。

今回注文したのは、投汁そばプランのシンプル。この3品でお値段1600円、満腹の大満足。他に馬刺しなどの郷土の味が付いたスペシャル、デラックスもあるので、夜の本気飲みにはそちらも頼んでみたい。信州でそば尽くし、最高です。

初夏の松本市街地に湧く源智の井戸

美味しいそばも旨い酒も、信州の食べ物が美味しいのは水が良いから。訪れる度に東京との違いに感動&がっかりさせられます。

ここ松本も、そんな水の豊かな地のひとつ。これだけ市街地化が進んでいるというのに、市内を散策していると湧水の多いこと。それも飲める湧水ばかりで、水事情の良く無い東京に住んでいると驚いてしまいます。

湧水の街松本初夏の火照った喉に美味しい源智の井戸の湧水

この源智の井戸も多々ある湧水のひとつで、井戸の中からは澄んだ水がこんこんと湧き出ています。早速ひと口含んでみると、程よい冷たさとまろやかな口当たり。この地にお城が出来る前から飲用水として使われてきたという井戸は、今でも美味しい水を出し続けています。

初夏の松本蔵造りが並ぶ中町通り

じりじり焼かれる太陽の熱さを井戸水で癒し、再び歩みを進めます。ここは蔵造りが並ぶ中町通り。前回はお城の帰りに偶然見つけ、さっと通っただけなので、今回はゆっくり歩いてみようとやってきました。

初夏の松本中町通り黒漆喰が美しい商店

初夏の太陽に映える白亜の土蔵が並ぶ通りに圧倒されつつ進むと、中には黒い土蔵や時代や様式の違う建物がちらほらと混ざっていることに気付きます。

この漆黒の土蔵も通りを彩る存在のひとつ。重厚な蔵に木戸が似合い、そのガラスの奥には温かな照明や工芸品が数多く展示されています。

初夏の松本中町通り青空に映える黒い土蔵

そしてこちらにも、威風堂々といった佇まいを見せる土蔵が。以前酒蔵として使われていたものだそうで、中には喫茶店やイベント等に使えるスペースがあり、明治時代に建てられ今なお現役で使われています。

初夏の松本中町通り味わい深い看板が印象的な漆器屋さん

更に進むと、看板が印象的な漆器屋さん。黒い壁と渋い看板がとてもいい味わいを醸し出します。

白や土壁のものを見る機会が多い土蔵。白く輝く漆喰となまこ壁が続く美しい中町通りに、締まりを与える黒漆喰の土蔵。その対比が印象的で、歩く速度も自ずとのんびり、ゆったりとなるのでした。

瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。~

初夏の上高地神々しさすら覚える明神岳と明神橋
2015.5 長野

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●1日目(東京⇒中の湯温泉)
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●2日目(中の湯温泉⇒上高地⇒白骨温泉)
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●3日目(白骨温泉⇒松本⇒東京)
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