八幡平・乳頭湯けむり紀行 ~初秋の湯三昧 4日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

八幡平・乳頭湯けむり紀行 ~初秋の湯三昧 4日目 ①~

藤七温泉彩雲荘から望む南部片富士岩手山 旅の宿

標高1,400mでの爽快な目覚め。これくらい高い場所だと、さすがに朝の空気は寒い。でもその寒さが、朝風呂をより格別なものにしてくれます。

凛とした空気の中湯浴みを楽しみ、湯上りにその辺をちょっとだけ散策。朝日を透かす分厚い雲の先には、独特なシルエットをした岩手山が佇みます。

藤七温泉彩雲荘露天風呂遠景

宿の横を歩いていると、ちょうど露天風呂が無人の瞬間に遭遇。入浴している感覚での撮影は出来ませんでしたが、その雰囲気を少しだけでも残しておきたいとカメラに収めました。

見ての通り、こちらの露天風呂は混浴でありながらかなりあけっぴろげ。道路から丸見えの浴槽がほとんどですが、このダイナミックなロケーションの中では、そんなことは全く気に留めることすらありませんでした。

藤七温泉彩雲荘朝食

爽やかな朝の空気を存分に楽しみ、朝食の時間に。朝ごはんもバイキング形式で、山菜を中心とした様々なおかずの中から好みのものを選びます。

ふきにわらびにごぼうにたけのこ。海沿いの宿の豪勢な朝食も良いですが、山の素朴な朝食には、心の奥からほっとさせるような温かみがあります。

八幡平藤七温泉彩雲荘遠景

八幡平頂上直下に佇む、東北最高地の湯宿、藤七温泉。標高1,400mで味わった一晩の体験は、決して忘れえぬ貴重なものとなりました。

楽しい時間はあっという間。あまりのスケールの大きさに、1泊では味わいきれなかったという思いを残しつつ宿を後にします。後ろ髪を引かれる思いで振り返れば、やはり目に入る露天風呂。その白き湯に再訪を誓い、登り坂を一歩一歩進むのでした。

日本の背骨奥羽山脈八幡平太平洋で生まれた霧がのぼる

バス停まで延々続く登り坂を、のんびりペースで進みます。先ほどまで晴天であったにもかかわらず、岩手側からはどんどん霧が上がってきます。

八幡平藤七温泉彩雲荘源泉地帯

美しき白いにごり湯を生んだ地獄谷にもう一度感謝しつつ、坂を上ります。

このストレートを抜ければ、もうそこは秋田県。自分はまさに今、日本の背骨、分水嶺を歩いて越えようとしている。そのことを思うだけで、何となく気持ちが高ぶります。

八幡平より秋田側を望む

秋田側はご覧の晴れ空。澄んだスカイブルーの空に白い雲が浮かんでいます。昨日は黒く見えていた山並みも、今日は青い山並みに変化。遠くには、一昨日立ち寄った後生掛から立ち上る水蒸気が見え隠れします。

日本の背骨奥羽山脈八幡平太平洋で生まれた霧が日本海側へ

そんな気持ちの良い眺めも束の間、先ほど上ってきた霧が峰を越え、秋田側へと下り始めました。

八幡平を霧が包む

日差しが照らす山肌を包んでゆく乳白の霧。その移り変わりは幻想的のひと言。太平洋側で生まれた霧が日本海側へ。だだっ広い関東平野で生活のすべてを完結させる僕にとって、その光景は非日常であり、なんとも不思議な気持ちにさせます。

秋北バス田沢湖駅行き

すっかり霧に呑まれ、白一色の世界になった八幡平。ここから『秋北バス』に乗り、田沢湖へと下ります。

途中ふけの湯、後生掛と立ち寄り、この旅の思い出を反芻するかのように進むバス。八幡平頂上付近の狭いエリアで味わった、特徴の違う個性的なお湯たちそれぞれの顔を思い浮かべ、八幡平を去ることの寂しさを今一度噛みしめます。

八幡平。お湯と景色に彩られたその地の魅力にすっかり虜になってしまいました。ありがとう、また来ます。胸の中で力強く想いを刻みつつ、バスは長い下りを延々と進み続けるのでした。

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八幡平・乳頭湯けむり紀行~初秋の湯三昧~

秋田八幡平秘湯ふけの湯露天風呂に浸かりながら眺める秋景色
2012.9 岩手/秋田

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●1日目(東京⇒盛岡)
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●2日目(盛岡⇒後生掛温泉⇒ふけの湯)
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●3日目(ふけの湯⇒八幡平⇒藤七温泉)
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●4日目(藤七温泉⇒田沢湖⇒孫六温泉)
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●5日目(乳頭湯めぐり⇒東京)
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