夜行急行 ~お伊勢と、夜行と、温泉と。2日目 ③~

春晴れの伊勢神宮内宮鳥居

おかげ横丁とおはらい町をのんびり散策し、たどり着いた伊勢神宮内宮。抜けるような青空が、鳥居をより一層立派なものにします。

木の香新しい伊勢神宮内宮宇治橋

昨年11月に架け替えられたばかりの宇治橋を渡り、内宮へと入ります。真新しい木橋からは、清々しい香りが漂います。

この宇治橋は五十鈴川に架かる橋で、俗界と聖界との架け橋とも言われる橋。ここを渡ると、まさに神域へと入ることになります。

伊勢神宮内宮の広い空

橋を渡りきると、そこに広がる広い空と青い森。心地よい音を立てながら、広い砂利敷きの参道を進んでいきます。

さらさらと輝き流れる五十鈴川

五十鈴川に設けられた御手洗といわれる場所。古くは禊の為に身を清めた場所だそうですが、現在でもこちらで手と口を清める習慣が残っているそう。

さらさらと流れる五十鈴川の水は澄み、キラキラと太陽の光を反射しながら、刻一刻とその姿を変えてゆきます。まるで伊勢神宮を守っているかのような神々しさを感じる川。その流れは、いつまで見ても飽きることはありません。

伊勢神宮内宮参道苔むした大木

段々と緑が深くなる参道を、正宮目指して進みます。途中にはこんな苔むした大木も。一体どれほどの間、お伊勢さんと、その参拝客を見守ってきたことでしょうか。立派な木々に見守られながら歩けば、心の中がどんどん軽くなるのを感じます。

伊勢神宮内宮森に守られた正宮

こちらが伊勢神宮内宮の中心のお社である正宮。写真撮影は石段下まで。両側に木々が聳える石段の先には、立派な鳥居とお社が控えています。

参拝する場所から垣間見える風景は、空と木々とお社のみ。外宮よりも高いところに位置しているので、より空に近く、開放感があります。

この場所の風景と空気感は、千年以上の昔から、何一つ変わっていないことでしょう。力を感じる、自然に抱かれた場所。ここでしばらく無心になれば、自然の力に癒されます。

伊勢神宮内宮神鶏

帰り道には立派な雄鶏が。周りにどれだけ人が歩いていようとも、自分の行く道をしっかり見据え、そこへ向かって歩いていきます。そんな眼力のある、威厳のある鶏。ついつい見入ってしまいました。

架け替えたばかりの真新しい伊勢神宮内宮宇治橋

もう一度、白木の美しい宇治橋の曲線美を眼に焼きつけ、お伊勢さんを後にします。

ずっと来てみたかったお伊勢さん。今回念願叶い来ることができました。本当に来て良かった。僕はこの日の青空と木の香りを、ずっと忘れることは無いでしょう。

昭和初期の建築美近鉄宇治山田駅ターミナル

帰りは近鉄の宇治山田駅から乗車。内宮からバスも出ていますが、歩いて30分ほどの距離なので、ブラブラ散策がてら歩きました。

何の予備知識も無く訪れた僕の目の前に現れた、立派な駅舎。これには本当に驚きました。近鉄の前身の一部である参宮急行電鉄の終着駅として、80年近く前に立てられたターミナル。昭和初期の美意識が、いたるところにちりばめられています。

旧参宮急行電鉄の面影を残す宇治山田駅構内

内部も荘厳な雰囲気漂う立派な造り。国の登録有形文化財にも指定されているそう。80年経った今でも色あせない、いや、今の感覚では決して作り出すことができない美しさ。昭和初期の建物には、そんな美しさがあります。いつまでも、日本を代表する神宮の玄関口として、現役でいてもらいたいものです。

伊勢志摩ライナー旧塗装

近鉄難波改め、大阪難波への帰路として選んだのが、この伊勢志摩ライナー。列車の愛称ではなく、この車両の愛称です。

この伊勢志摩ライナーも、鉄道雑誌で見て以来ずっと乗りたかった車両。鮮やかな黄色と白のツートンボディーが、颯爽とホームに滑りこんできます。

リニューアル前の伊勢志摩ライナーデラックスカー

伊勢志摩ライナーに乗ってみたかった最大の理由、それがこのデラックスカー。特急料金にプラス410円するだけで、グリーン車並の立派なシートに座ることができます。

2列1列のゆったりしたシートは、鮮やかな朱色。このセンスはいかにも関西らしく、関東の落ち着いた特別車両とは一線を画します。

それでいて、ド派手な色彩を使っているにも拘らず、車内全体としては決して嫌味のない、バランスの取れたインテリア。ここにも名門近鉄のセンスがきらりと光ります。

山深い近鉄沿線

難波までは2時間ちょっとの道のり。ゆったりとしたシートに身を委ね、のんびり移動を楽しみます。途中奈良県では、勢いよく雪が降っていました。

近鉄といえば京都と奈良の間しか乗ったことが無かったので、市街地を走る通勤電車のイメージがありました。

ところが今回初めて伊勢から大阪まで乗って、その車窓の移り変わりにビックリ。途中には秘境駅とも言いたくなるような山間の駅もあり、近鉄の路線網の広さを垣間見た気がします。さすがは私鉄で日本一の距離を持つ近鉄。

バンザイ!道頓堀のグリコ

飽きさせることなく変わりゆく車窓を眺めていると、あっという間に難波に到着。名古屋~三重~大阪、結構な移動距離でした。

難波に来たらやっぱり見たい、グリコ。戎橋のガードは外され、きれいにその姿を見ることができました。夜になったらきれいだろうなぁ。

暮れ始めのザ・大阪道頓堀

そして、特に用事も無いのにブラブラしたくなる、道頓堀。ここに来ると、大阪に来た!と実感がムクムク湧いてきます。なんだかこの雑多で活気のある雰囲気、好きなんです。

串カツだるま

この日は、去年の関西旅行の際に会った友人、O君との一年ぶりの再会。それまで、大阪名物串カツで一杯やります。大阪に来たら、必ず食べたい串カツ。東京では串カツは食べられないので、食べずに帰ることはできません。

今回も、『だるま』にお邪魔することに。昨年も来たお店です。まだ夕方5時なので、並ばずに入ることができました。もう少し遅ければ大行列。いいタイミングです。

東京では味わえない旨さのだるま串かつ

この後飲むので、軽めに抑えておきます。牛、豚、うずら、玉ねぎ、紅しょうがを注文。どれもサクッと軽い食感で、脂っぽさはゼロ。

二度付け禁止のサラッとしたソースにくぐらせて食べれば、いくらでも食べられてしまいます。そして、ビールも進む、進む。気をつけないと、大変なことになりそう。

どうしてこの味が東京に来ないんでしょうか。絶対みんな行くと思うのに。でも、大阪でしか食べられないから、いいのかもしれませんね。と無理やり納得することにします。こうやって写真を見ただけでも禁断症状が。食べたい~!

この後難波でO君と待ち合わせ。梅田近くの行きつけ、鳥焼き屋さん(焼き鳥でなく、切った鶏肉をロースターで焼く)に連れて行ってもらいました。

生でも食べられる新鮮な鶏肉を、サッと炙ってタレか塩で。どの部位を食べても感動の美味さ。そしてなんと安いこと。二人でしこたま食べて飲んでして、1万円でお釣りがきちゃいます。

関西は本当に食べ物屋さんのレベルが高い。東京に帰ってくると、嫌気が差すときがあります。

きたぐにの時間までまだまだ。ということでO君とはしご酒。生まれて初めて立ち飲みに入りました。ここも安いのに、おでんが美味。大阪の味には惚れ惚れしてしまいます。

大阪での友人との再会と、美味い料理に感動の夜を過ごしました。時刻は22時過ぎ。そろそろ大阪駅へと向かい、きたぐにとのご対面に備えることにします。

夜行急行~お伊勢と、夜行と、温泉と。~
国鉄型583系ヘッドマークと特急マーク(くちばし)
2010.3 愛知/三重/大阪/新潟/群馬
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