盛夏万緑、みちのくへ。~ヤーヤドーに逢いたくて 4日目 ①~

夏の蔦温泉旅館で迎える旅立ちの朝

蔦温泉で迎える、旅立ちの朝。滞在中何度も通った浴場へと向かい、朝風呂を楽しむことに。窓から差し込む朝日を浴び、きらきらと輝く清らかな湯。浴槽の底から生まれたお湯に肌を撫でられる感覚を、ひとり静かに味わいます。

夏の蔦温泉旅館2泊目朝食
清純なお湯に全てを溶かされ、心もお腹も空っぽになったところで朝食の時間に。今朝も会場には、美味しそうな品々がずらりと並んでいます。ふきの煮物にきんぴら、焼鮭やイガメンチをお供に頬張る熱々の白いご飯。日本に生まれてよかった。こんな旅先での朝食を味わう度に、そう思ってしまう。

夏の蔦温泉旅館レストランの大きな窓から眺める朝日に照らされた大正時代築の本館
そんな朝ごはんを一層美味しくしてくれるのが、この眺め。大正時代建築の本館は朝日に照らされ、すでに青さを極めつつある夏空にその渋さを一層際立たせるかのよう。

夏の蔦温泉旅館旅立ちのとき
お湯良し、部屋良し、食事良し。奥入瀬への通りすがりに一目惚れした宿は、その期待を裏切ることなく最上の夏を味わわせてくれた。ということは、春の萌黄に秋の錦、冬の白さも感じてみなければ。そんないけない再訪への期待を胸に、チェックアウトを迎えます。

JRバス東北みずうみ号で蔦温泉から青森駅へ
爽快な夏の空の下佇む渋い姿を目に焼き付け、宿の目の前にあるバス停から『JRバス東北』のみずうみ号に乗り込みます。本当に、ありがとう。蔦温泉、また来ます。味わい深い建物に再会を誓い、バスはエンジン音も高らかに青森へと向け発車。

ねぶたを控えた夏の青森駅
緑深い樹海にトドマツの印象的な傘松峠、酸ヶ湯や爽快な眺めを誇る萱野高原と、変化に富んだ車窓を愛でつつ揺られること約2時間。1年ぶりとなる青森駅に到着。青空に輝くその姿に、こうして何度も訪れることのできる幸せを噛みしめます。

青森味の札幌大西
夏の太陽に汗をかきつつ歩くこと7分程、僕のお気に入りのお店である『味の札幌大西』に到着。目指すはあの麺!青森に来たらやっぱり食べたい個性派の麺との再会に、弥が上にも胸が高鳴ります。

青森味の札幌大西味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り)
逸る気持ちを抑えつつ待つことしばし、久々となる味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り)が到着。カレーの香りに鼻をくすぐられ、まずはスープをひと口。あぁ、これこれ。やっぱり好きだなぁ。

ラーメンらしい中華スープの面影はありつつも、牛乳が醸し出すほんのりとした洋の雰囲気。乳製品と相性の良い味噌がスープにコクと深みを与え、まろやかな中にスパイシーさを加えるカレー粉が絶妙な役割を担っています。麺は札幌ラーメンらしい黄色い縮れ麺。コシのある麺が個性的なスープを適量持ち上げ、口の中でぷりぷりと弾けます。

なんだろう、このまとまり感。どれも個性の強い食材ですが、何かが独り勝ちすることなく調和がとれている。何度味わっても、このバランスは絶妙。名前のインパクトからは想像できない完成された一杯に、大汗を掻きながらも最後の一滴まで平らげます。

夏の青森アスパムとねぶた小屋
今年も旨かった!残るカレーの余韻を楽しみつつ、青森の街を歩きます。青い空に、白い雲。絵に描いたような夏空に頂点を突き刺す、三角形のアスパム。その袂には、明日からの出番を待つねぶた小屋。

夏の青森出番を待つ大きいねぶた
中を覗いてみれば、ほぼ完成された立派なねぶたたち。関係者の方は、最後のチェックに大忙し。明日からの賑わいの予感に、いつかは青森のねぶたも見てみてみたい。やっぱり今度は、青森と弘前かな。まだ見ぬラッセラーの響きに思いを馳せ、一番の熱さに向けて動く青森の空気を胸いっぱいに吸い込みます。

夏の青森優美な姿を見せる八甲田丸
祭りの予熱に触れ、そのまま海沿いを進むことに。眼前には、だんだんと大きくなりゆく黄色い船体。かつて海峡の女王と呼ばれ、本州と北海道の大動脈を担ってきた八甲田丸。いつ見てもその優美さは色褪せることなく、今にも函館へと向け出港してゆくかのような錯覚すら感じてしまう。

夏の青森可動橋越しに八甲田丸の船尾を眺める
船底に列車を載せるために数々の工夫が施された、青函連絡船。陸と海を繋ぐという大切な役割を果たし続けてきたこの可動橋も、今はただ接続することのない八甲田丸へと向け静かに横たわるのみ。

夏の青森波の鼓動に合わせ動く八甲田丸を係留するロープ
その優美な姿から、長年にわたり海峡の女王として君臨してきた青函連絡船。特にこの津軽丸型と呼ばれる最終期を彩った船たちは、その俊足さから海の新幹線との異名も。廃止から三十余年、時に荒れ狂う津軽海峡に立ち向かうという凛とした表情を浮かべ、今も遠く函館を見つめています。

夏の青森青函連絡船八甲田丸と津軽海峡冬景色の歌碑
上野発の夜行列車おりた時から・・・。ここへ来たら必ず聞かなければいけない、僕にとっての大切な儀式。幼心に強烈に刻まれた青函航路への憧れは、ついに叶うことなく消え去ってしまった。あと十年早く生まれていれば。この趣味を持っていると、そんな叶わぬ想いと否応なしに付き合っていかなければならないのです。

夏の青森電車待ちのホームで青森りんごのチューハイを
青森の地を訪れたら避けては通れない感傷を噛みしめたところで、駅へと戻ることに。その途中、ふらりと入ったお土産屋さんで美味しそうなものを発見。青森産りんごのストレート果汁を使用したチューハイは、これまで飲んだことのないような爽やかな自然な風味。さすがは青森、りんご製品は間違いありません。

ホームでの昼酒という、旅先でのいけない贅沢を味わうひととき。かつてこのホームを行き交った幾多もの長距離列車の残像を追いつつ、古き良き交通へと思いを馳せる。初めてはくつるでこの地へと降り立った時のことを、今でも忘れない。その記憶を胸に、ほんのり渋いりんごの風味を喉へと感じるのでした。

盛夏万緑、みちのくへ。~ヤーヤドーに逢いたくて~
青い田園の先に聳える岩木山
2019.7-8 青森/秋田/山形/宮城
旅行記へ
●1・2日目(東京⇒八戸⇒蔦温泉)
 ///
●3日目(蔦温泉滞在)
 /
●4日目(蔦温泉⇒青森⇒弘前)
 ///
●5日目(弘前・黒石周辺)
 ///////
●6日目(弘前⇒象潟)
 ///
●7日目(象潟⇒酒田⇒赤倉温泉)
 ///
8日目(赤倉温泉滞在)
●9日目(赤倉温泉⇒松島⇒仙台⇒東京)
 ///
スポンサーリンク