乗り鉄復活!ツーデーパスで行く夏の列車旅 ~1日目 ④~

宇都宮線

宇都宮の餃子を満喫し、お腹も満たされたところで、一路新宿へ向かいます。宇都宮からの湘南新宿ラインはいい時間が無かったので、上野行に乗車することに。本当はこのまま赤羽まで行き、埼京線に乗り換えても良かったのですが、都心の駅での乗り換えは気が進まなかったため、ちょっと先の小金井で下車しました。

小金井始発の湘南新宿ライン

小金井では、始発の湘南新宿ラインの逗子行に乗り換え。これなら確実に座れるし、赤羽での乗り換えもなく新宿まで直行してくれるので便利。それにしてもこの場所で、逗子という地名を見ても全くピンときません。湘南新宿ラインができてからというもの、思いがけない場所で素っ頓狂な行き先を見ることが多くなりました。

新宿駅中央本線ホーム駅名標

よく目にする乗り慣れた列車に揺られながら本を読んでいたら、もう新宿に到着。ローカル線と違い、宇都宮線はスピードを出すのであっという間に着いてしまいます。

朝通ったときから、12時間以上経っての新宿への帰還。本当に列車に乗りっぱなしです。自分で組んだ旅程ながら、久々のコテコテ列車旅。後半はロングシートや首都圏でありふれている車両が続いたため、すこしマンネリ化してきました。そこで、ここから奥の手を使うことに。

中央本線特急かいじ号

新宿で乗り換えるのは、中央本線の特別急行、かいじ号。もともとは中央線で立川まで行き、普通列車に乗り換えるつもりだったのですが、時刻は夕刻、丁度帰宅ラッシュと重なる時間なので、中央線はパスしたかったのでした。さらに今日の宿は石和温泉とまだまだ先なので、少し早く着いてゆっくりしたいのもありました。

なぜ特急を使おうかと思ったかというと、それはその安さ。JR東日本のえきねっと会員限定の「トクだ値」という割引キップを使えば、新宿から石和温泉まで指定席がなんと1200円!自由席の料金より安く乗ることができます。

このちょっとしたお値段で、自分の席が確保されるという安心感と、リクライニングのきく快適な車両で目的地まで一直線という便利さを買うことができるなら文句ありません。

乗車してみると指定席はほぼ満席。自由席には立席が出るほどで、その姿はほとんどがサラリーマン。皆さん遠くから通勤されていることに驚きを隠せません。

三鷹っ子の僕にとっては、かいじ号は特別な存在。かいじ号到着の時間になると、国鉄三鷹駅の駅員さんが手旗を持って張り切ってホームに出て行く様子を小さい頃から目にしました。

その頃からきれいにされていたあずさ号と違い、三鷹に停まるかいじ号と臨時あずさ号は、古い国鉄色(肌色に赤)ばかり。何度か乗車もしましたが、車内は手動ドアにベージュの壁、真っ青なシートが並ぶ殺風景な特急だったことを今でも鮮明に思い出します。当時の僕は車内の酔っ払いの雑多な雰囲気と相まって、あまり好きで無かった記憶があります。ただ、それは実際乗った場合の話。

駅で中央線を待っていて、思いがけずかいじ号が先発となると、本当にワクワクして到着する様子を眺めていたものでした。のっそりと重そうな国鉄色のボディーを揺らしながら入線してくるかいじ号には、電車とは呼べない、列車という名がお似合いの威厳がありました。

駅員さんの放送も、その時ばかりは声に張りがあり、「特別急行かいじ○○号甲府行き」としきりに流れていました。甲府という、子供の僕にとっては果てしなく遠く感じる行き先を聞き、旅情を感じていたものでした。

最近は、「特別急行」という呼び方をめっきり聞かなくなりました。あの頃の三鷹駅は、早朝には松本行き普通列車が、深夜には急行アルプスが走っていた時代。まだまだ、特急は本当に特別な存在だったのかもしれません。

僕にとっての特急のイメージは、今でも時が止まったまま。最近の小奇麗な車両は快適に過ごせる工夫が凝らされ、確かに昔よりずっと質は向上しています。

ただ、ただなんですが、肝心の旅情を掻き立てる何かが足りない。それは僕にとって国鉄末期は、古き良き列車旅の時代という実体験が強烈に残っているからなのでしょう。三鷹駅に停まるかいじ号、それが僕にとっての鉄道原風景なのです。

夜の石和駅

新しいかいじ号に快適に揺られ、中央本線も変わったものだと幼き日の想いでに思いを巡らせていたら、あっという間に石和温泉駅に到着。なんだかんだ言っても、やっぱり新しい車両は快適であることには変わりありません。

ただ、十数年振りのかいじ号乗車という、いわば幼馴染との再会のような感情が、僕をちょっとだけセンチメンタルにさせただけにすぎません。最近のJRの特急、僕は好きです。

石和薬石の湯瑰泉

石和温泉駅から歩くこと約20分、今夜の宿である『魁泉』に到着。ここは24時間営業の健康ランドです。HPの割引券をプリントアウトしていけば、1700円で入館することができます。そのうえ、深夜割り増しなし。

造りは所謂健康ランドなのですが、まだ新しいためきれいで気持ちよく過ごすことができます。大浴場の他に、大きな輝石を配した広い露天風呂があり、ゆったりお湯に浸かることができます。

お湯は同じ県内の源泉からタンクローリーで運んできた温泉と、地下水に薬石を浸けたというミネラル水のブレンド。残念ながら石和の湯ではありませんが、そこまで塩素臭も無く、十分気持ちよく楽しめます。

ここで遅めの夕食。レストランには和、麺、韓など様々なメニューがあり、迷ってしまうほど。特に注文した甲州名物馬刺しが意外なほど美味しく、その他のメニューも外れの無い、しっかりしたものになっていました。

また、冷酒としてメニューに載っていた日本酒を頼むと、オリジナルラベルながら地元の蔵の純米酒。安かったので全く期待していませんでしたが、純米の地酒と意外なタイミングで出会えたため、かなりの好印象。

さらに仮眠所については、木造古民家風の木の香漂う新館が増設されており、これまた快適に眠ることができました。これで1700円は激安。破格の値段です。

あまりネットにも出ていないようで、同じ石和なら石和健康ランドの方が有名で混んでいるようです。正直、ここはあまり教えたくないなぁ、と思うほど。甲府盆地サイクリングの拠点として、今後間違いなくお世話になりそうです。

乗り鉄復活!ツーデーパスで行く夏の列車旅
無骨な表情の国鉄型115系信州色
2009.8 茨城/福島/栃木/山梨/長野
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