GW 春へと続く北海路 ~忘れえぬ航跡 4日目 ②~

上陸後苫小牧港フェリーターミナルより振り返る太平洋フェリーきそ

名古屋港から遥々1330㎞、40時間を掛けて僕を北海道へと誘ってくれたきそ。苫小牧港フェリーターミナルの大きな窓からもう一度だけその雄姿を目に焼き付け、離れがたい気持ちを断ち切り北の大地へと踏み出します。

海天丸苫小牧店
苫小牧港到着は11時過ぎ。フェリーターミナルのある苫小牧西港から駅までは4.5㎞ほどなので、歩ける距離。前回訪問時には駅前でお昼を食べるお店が見当たらなかったため、今回はお昼を食べつつ歩いて駅を目指すことに。

前回の北寄は美味しかったなぁ。でもそれより、北海道の白身も旨かった。やっぱり北海道での第一食目は新鮮な海産物だよなぁ。なんて考えながら歩いていると、大通り沿いに『海天丸』苫小牧店を発見。回転寿司なら自分の好みのものを選べるので、迷わず入店することに。

まずは生で喉を潤しつつ、北海道六貫盛りを注文。北海道の形をした白いお皿には、美味しそうなお寿司が6種並びます。ほたて、北寄、ひらめに銀聖、甘えびに秋刀魚と、全て北海道産のものばかり。どれも海に囲まれた北の大地らしい美味しさで、やっぱり北海道の生魚は旨いなぁと1年ぶりに感心してしまいます。

続いて注文したのは、僕の大好物のすじこ。もう何度もこのブログにも書いていますが、僕はイクラより断然すじこ派。あの独特な凝縮感、濃厚な旨味はすじこでしか味わえません。その期待を裏切らない、安定の旨さ。魚卵バンザイ!すじこ大好き!!

食欲に火がついた僕は、春にしんとさくらますも注文。脂ののった甘い春にしんは、青魚特有の濃い味わいはありつつも生臭さや嫌な脂っぽさは全くなし。さくらますは上品な旨味がしっかりと詰まり、サーモンとは一線を画す繊細な味わい。

おぉ、予想外に食べ過ぎた。北海道のお寿司は、シャリが大きめ。早くもお腹いっぱいになりつつあったので、大好物の貝で〆ることに。まずは北寄のひも。こりっこりとした強い食感と海の香りが、歯と鼻を思い切り楽しませてくれます。

そして大トリは、絶対外せない活つぶ。前歯で噛んではいけないほどの強い歯ごたえと、しっかりとした磯の香りと甘みが魅力的なつぶ。その旨さを奥歯でしっかりと噛みしめ、やはり北海道の魚介は最高だとひとり大満足で頷いてしまいます。

お手頃価格ながらしっかりと北の海の幸を満喫し、満腹満足でお会計をすることに。すると店員さんが、「フェリーで来ましたか?」と確認。どうやらフェリーの乗船券を提示すると割引になるよう。更にお得にお支払いを終え、心の中でやった!とガッツポーズしお店を後にします。

ゴールデンウイーク1年ぶりの苫小牧駅
海天丸からのんびり歩くこと約30分、1年ぶりとなる苫小牧駅に到着。ここで海路から陸路へとバトンタッチし、僕の道南旅が始まります。

苫小牧停車中の千歳線733系電車小樽行き
苫小牧から小樽行きの電車に乗り込み、今宵の宿のある支笏湖への玄関口である千歳駅を目指します。

初めて降りる千歳駅
北海道らしからぬロングシートの電車に揺られること20分ちょっと、千歳駅に到着。これまで列車やバスで通過したことはありますが、駅に降りるのはこれが初めて。駅前の賑わいからも、ここが千歳市の中心であることが伝わるよう。

千歳駅から北海道中央バスに乗車し支笏湖を目指す
駅の近くのイオンで夜のお供を仕入れ、バスターミナルから『北海道中央バス』の支笏湖行に乗車します。

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館
バスに乗ること45分、終点の支笏湖バス停に到着。ここで事前に予約していた送迎車に乗り換え、更に湖畔を走ります。その湖岸の道路が果てたところに、一軒宿である『丸駒温泉旅館』が姿を現します。(写真は翌々日撮影)

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館山手側和室
今回は、若干お得に泊まれる山手側和室に2連泊することに。支笏湖の眺めはありませんが、時期さえ合えば満開の桜が見られるそう。今年は少し早かった。淡い色合いの花はまだ見当たりません。

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館テラスから望む支笏湖の夕景
早速浴衣に着替え、憧れのあのお風呂へ。残念ながら浴場内は撮影禁止。ということで文章のみでお伝えしたいと思います。

丸駒温泉旅館と言えばの、象徴ともいえる天然露天風呂。足元の砂利から自然に湧出する温泉を岩で囲った露天風呂は支笏湖とつながり、湖の水位によりお風呂の深さも変化するというもの。GWの時期はかなり浅いようで、このときもすね位までの非常に浅い状態。到着時は雨で寒かったため、翌日以降のお楽しみに取っておきます。

メインの大浴場には内湯と露天風呂が設けられ、茶褐色をしたにごり湯が満たされています。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。その見た目の通り、土っぽい香りの漂うしょっぱい温泉。濃厚ながらも浴感は穏やかで、湯上りの温まり方はばっちり強めといった印象。

そして特筆すべきは、露天風呂からの眺め。眼前には遮るものなく支笏湖が広がり、文字通りの絶景が視界全体を埋め尽くします。夜になれば、輝くような星降る夜空を独り占め。遠くに揺れる支笏湖温泉街の灯りや千歳に降りる飛行機のライトが、黒い湖水を彩ります。

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館湯上りに冷たいサッポロクラシックを
いつしか降っていた雨も上がり、涼しい風に吹かれつつの湯浴みを愉しむ展望露天でのひととき。その余韻を温もりと共に部屋へと連れて帰り、冷たいクラシックの幸福感を喉へと流します。

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館船着き場から眺める支笏湖と風不死岳
もう一度黄金色の湯に浸かりつつ支笏湖を愛で、火照った体を冷ましに湖畔へと下りてみることに。札幌オリンピック以前は道路がなく、船でしか辿り着けなかったという丸駒温泉旅館。湖面にのびる船着き場が、その名残を感じさせるよう。

大噴火により形成された支笏湖。カルデラ湖らしく外輪山が縁を成し、空との近さが印象的。高い山を除き非常に薄い縁が水を湛える様子は、天空に浮かぶ湖とでも形容したくなるような独特な美しさ。

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館1泊目夕食
支笏の夕景に心も溶けたところで、お待ちかねの夕食の時間に。秘湯の一軒宿にしては規模の大きい旅館のため会場での食事を疑っていませんでしたが、実は夕食はお部屋出し。自室でのんびり食べられるという贅沢に、思わず頬が綻びます。

お膳に並ぶ、数々の美味しそうな品々。まずは前菜、珍味から。大好物の行者にんにくはしょう油漬けにされ、勢いある強い香りと甘みがたまりません。蕗のとう味噌は香りがよく、目抜きの麹和えは麹の甘味旨味と鷹の爪の辛味が地酒にぴったりの旨さ。

お造りのサーモンは身質がよく、上品な旨味を楽しめます。鰯はさっぱりとレモン締めにされ、うにも箸できちんとつまめる濃厚さ。酢の物として出された毛蟹は旨味がしっかりと詰まり、宿で期待する以上の本格的な美味しさに驚き。

鍋物にはハーブ牛が使われ、ちょうどよい濃さの割り下で鋤鍋風に仕立てられています。そのきれいにサシが入った見た目通り、口に入れれば噛まずにほどけるような柔らかさと共に広がる脂の甘味と赤身の旨味。北海道では海の幸に目がいきがちですが、牛もしっかり美味しいのが嬉しいところ。

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館1泊目夕食姫鱒姿焼き炊き合わせ若鶏の中華風
続いて運ばれてきた3品。チップの愛称で知られる支笏湖名産のヒメマスは塩焼きにされ、ふっくらしっとりとした身に詰まった上品な旨味がたまりません。炊き合わせは薄味の素材を活かす塩梅で、若鶏の中華風は和の献立の並ぶ中いいアクセントに。

支笏湖畔に佇む一軒宿丸駒温泉旅館1泊目夕食食卓で炊き上げる桜海老の釜めしと蛤の潮汁
地酒の進む美味しい品々。〆は食卓で炊き上げる桜海老の釜めしと、蛤の潮汁。桜海老の香ばしさとお米の甘味がふんわり香るご飯を頬張り、磯の香り漂う上品なおだしをひと口。あぁ、和食っていいなぁ。温泉もさることながら食の愉しみがあるからこそ、国内旅行はやめられないのです。

丸駒温泉旅館夜のお供に国士無双純米酒
湖と一体となる露天風呂。その映像を見て以来、ずっと来たいと願っていた丸駒温泉旅館。正直、GW期間中のひとり泊は結構いいお値段。ですがあのお湯に逢えるならばと、今回宿泊を決めました。ですがこれが大正解。素材本来の力技で何とかしてしまう宿もあるなかで、色々な食べ方で北海道の恵みを味わわせてくれるような夕食に、お腹も心も大満足。

湖畔に佇む一軒宿。周囲に人家もない静かな環境の中、あとはもうお酒とお湯に酔うばかり。そんな夜のお供にと選んだのは、僕の大好きなお酒である旭川は高砂酒造の国士無双。北海道産の酒造好適米である吟風を100%使い醸したという純米酒は、国士無双らしいすっきりとした潔さとお米の風味を楽しめる美味しいお酒。

一面の黒に染まる、湖水と夜空。対岸には支笏湖温泉の街の灯りが幻のように揺れて輝き、見上げれば落ちてきそうなほどの満天の星。時折流れる航空機の光も旅情を添え、漆黒という単調なキャンバスを鮮やかな輝きをもって昇華させてしまう。

久方ぶりにしっかりと味わう、北の大地で過ごす時間。これから繰り広げられる3泊4日へと思いを馳せ、静かな夜に眠りへと落ちてゆくのでした。

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GW 春へと続く北海路 ~忘れえぬ航跡~
朝日に輝く新日本海フェリーらいらっくのデッキ
2019.4-5 愛知/宮城/北海道/新潟
旅行記へ
●1・2日目(東京⇒名古屋⇒犬山⇒太平洋フェリー)
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●3日目(太平洋フェリー)
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●4日目(太平洋フェリー⇒苫小牧⇒丸駒温泉)
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5日目(丸駒温泉旅館滞在)
●6日目 (丸駒温泉⇒カルルス温泉)
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●7日目 (カルルス温泉⇒登別⇒新日本海フェリー)
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●8日目 (新日本海フェリー⇒新潟⇒東京)
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