都会のオアシス 神田川を辿る旅 ②

護岸がリニューアルされた神田川

緑の深い井の頭線エリアを抜け、ぐっと開けた住宅地の中を流れます。ここは最近まで護岸工事をしていた場所。今までの打ちっぱなし殺風景なコンクリートから、石積み風のコンクリートへと改築されていました。

川底もコンクリートから砂利へ。この手前のエリアも工事真っ最中だったので、このように変えるのでしょうか。あのうらぶれた灰色の姿から随分ときれいな印象になっています。せっかくなら、人が寄り付くような明るい雰囲気の川辺がいいですからね。

三面コンクリ張り都市河川の神田川

程なくして、再び3面コンクリ張りの姿へ。ただここからしばらくの間、どのような目的によってかは分かりませんが、川底の真ん中に更に溝が掘られ、そこを水が勢い良く流れて行くスタイルになります。

もしかすると、この辺りから高低差が少なくなるので、淀みがちな川の水を勢い良く流して淀みを防ぐような工夫なのかもしれませんね。

その流れのお陰か、川底には青々とした水草が涼しげに生い茂っています。川底だけ見ればうちの近所よりもきれいかもしれません。

神田川善福寺川合流点

環七、方南通りを越え、神田川はどんどん都心へと流れます。ここで支流である善福寺川と合流。これは善福寺川に掛かる橋から眺めた合流地点です。

善福寺川も都区内の川としては珍しく、全区間開渠の川。随所から湧き出る湧水のお陰で、水は神田川よりもずっときれい。和田掘公園あたりでは緑に被われた姿を楽しむことができ、大宮八幡さんも含めたあの辺り一体は大好き。

この先しばらくは、土地よりも高い護岸で被われ川の姿を見ることはできません。それほど水害に悩まされ続けてきたという証。神田川は今でこそ治水工事がなされ穏やかな姿を保っていますが、ほんの昔までは氾濫を繰り返す暴れ川だったそう。

それでもこのようにして川の姿を残し続けてきた。暗渠化された川たちと紙一重であるにもかかわらず、残された神田川に何かを感じるのは僕だけでしょうか。

神田川生活感あふれる街の先には高層ビル群

中野富士見町を越えると、川沿いにビルや家並みが迫り、川沿いを走ることができなくなります。それでも川に沿って一般道が走っているので迷うことはありません。

中野新橋辺りから、再び川沿いの自転車歩行者道が復活。この辺りから景色は一変します。グッと広がった川幅。その両脇には大小様々な家やマンション、アパートが建ち並び、強い生活感が漂います。その奥、川を封じるように聳える東京都庁。

根強く残る濃い日常とここ20年で摩天楼へと姿を変えた新宿西口。その対比が何とも不思議な光景に思えて仕方がありません。東京の様々な街の模様を紡ぎながら流れる「神田川」という存在を、この1枚が良くあらわしているように思えます。

神田川沿いの街並みと新宿ビル群

青梅街道を目指し進むごとに、どんどんと高さを増していくビルたち。天を刺すようなビルのすぐ下に続くごく当たり前の家並み。

この家々に住む方々にとって、この景色は日常なのでしょうか。あるいは、急激な変化を遂げたことによる非日常なのでしょうか。少なくとも、武蔵野の地で生まれ育った僕には分かりません。世代により、きっと受け取り方は変わるのでしょう。

この付近を自転車で走っていると、家と川の距離が本当に近いことが分かります。そして、ぽつぽつと残る古いアパートも。

きっと、あの歌のモデルは中野区や新宿区内の神田川なのではなかろうか、と僕は勝手に思っています。川がきれいになり、背後に高層ビル群が控えていても、何となくその雰囲気が感じ取れるような気がしてなりません。

神田川沿いの木々

青梅街道に架かる淀橋を越え、神田川は北上を続けます。護岸より一段低い道と鬱蒼と茂る木々、両側に迫る家並みにより、今までとはガラッと雰囲気が変わります。神田川という川は、まるでカメレオンのごとく街のカラーに上手く溶け込む川。走っていて飽きることがありません。

この先、西武線と接近する辺りで再び川沿いの道が無くなります。川沿いを進み、学生で賑わう商店街を抜ければ高田馬場駅前。川の進行方向を目指し左折すれば、神田川が造った谷をすぐに見つけられるので、これも迷うことはありません。

神田川を渡る唯一の都電荒川線

高田馬場から先、再び川沿いを進むと明治通りにぶつかります。明治通りの脇には、唯一残った都電である荒川線が沿うように池袋方面へ走ります。

神田川を渡る都電とサンシャイン60。僕の小さい頃は日本一の高さだったサンシャイン。小さい頃に行ったときのことが想い起こされますが、もうそれも過去のこと。

都庁ができ、ランドマークができ、六本木ヒルズができ。今や高層ビルに対する一種の憧れや驚きのようなものすら感じないほど当たり前になってしまいました。

椿山荘、江戸川公園と緑豊かな神田川

明治通りを渡り再び川沿いへ。神田川が川としての姿を保つ最後の区間には、新江戸川公園、椿山荘、江戸川公園と緑豊かなエリアが並びます。まるでそれは神田川の有終の美を飾るかのよう。両側には溢れんばかりの緑が神田川を彩ります。

井の頭公園を発端に、様々な顔を見せてきた神田川。「川」と呼べる姿はここまで。この先まもなく、電車から見ることができるお堀としての神田川へと姿を変えていきます。

★都会のオアシス神田川を辿る旅
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