2015年ブログ納め 旅先で出逢った東北の銘品 | 旅は未知連れ酔わな酒

2015年ブログ納め 旅先で出逢った東北の銘品

青森ヒバまな板・津軽塗箸・南部鉄器岩鋳ファミリーシチューパン 目分量レシピ

2015年も残り僅か。今年も遊びに来ていただいた方、本当にありがとうございました。皆さまにとって、2015年はどのような年になりましたか?

僕にとしては、去年のような殺人的な忙しさは無かったので、社会人になってから一番旅に出かけられた年でした。

青森の酸ヶ湯から始まり、新潟は貝掛、群馬の万座、初夏の上高地、夏の東北、そして自分にご褒美の、岩手長湯治。本当に旅は良いもので、良い旅をすると、一年間がまるごと充実した年であったかのように感じます。

今回は、旅先である東北の職人や自然が生んだ銘品との出逢いに関する記事を以って、2015年のブログ更新を納めたいと思います。

今年2月の厳寒期、豪雪の地酸ヶ湯を訪れるために向かった青森。そこで出会ったのは、青森ヒバのまな板と、津軽塗のお箸。

一昨年、初めて使い始めた木のまな板。最初はうまく扱えるかどうか不安だったため、お試しも兼ねてホームセンターの安いものを買ってみました。

すると、使用感はプラスチックのものよりも格段に良く、手入れも簡単、包丁の刃の持ちも良く、すっかり木のまな板ファンに。

木のまな板を一年以上順調に使ってきたので、ヒバのまな板を買う気満々で青森へと向かいました。

帰京の日、青森の街をヒバまな板を求めてぶらぶら、ぶらぶら。すると、意外にもどこにも見当たりません。デパートにも、物産館にも売っていない。

もうダメかと諦めたその時、やっと見つけることができたのです。

そこは、諦めて駅へと戻る道中に見つけた民芸品屋さん、むらた工芸。店内には様々な形や厚さ、柾目や板目のヒバのまな板が販売されていました。

最初はまな板に向くという柾目を買うつもりでいましたが、現行サイズと違うという理由で、若干だけれどお安く売っていたまな板がどうも気になる。

手に取り悩んでいると、店員さんが教えてくれました。この部分は、ヒバの根元の部分で、柾目ではないけれど、目が詰まっていて硬く、地元では根強いファンもいるんですよ、と。

実際、同じ厚みのものよりもずしりと重いのが分かります。そして、ヒバの特長である香りと抗菌効果を持つヒバ油を、たっぷり含んだ色をしています。

東京で稀に見るヒバのまな板ですが、柾目のものばかり。そりゃまな板には柾目が向いているというので当たり前のことでしょうが、ここは地元の店員さんのおすすめを素直に聞き、独特な杢目を持つこのまな板を連れて帰りました。

だって、ここ現地でしか出会えないかもしれないものだから。そして実際、産出量が減り、青森でも手に入れにくいとのこと。

重たい思いをしながら連れて帰り、使い始めて早10か月。表面のヒバ油は抜けてきましたが、今でも濡らすと心地よい香りがキッチンに漂います。

そして何より、硬くて丈夫、刃当たりがよく、食材のグリップもバッチリ。更に乾きも早く、黒ずみや臭い残りも全く無し。料理するたびに使うまな板。最高の友を手に入れました。

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ヒバのまな板を探している道中、出会ってしまったのが、津軽塗のお箸。

僕は子供の頃から箸使いがアレでして、それでも努力してだいぶマシになった方でした。その一見きちんと見えるっぽい箸使いに胡坐をかいてしまい、大人になってからも、特に直すこともなく、ずっと過ごしてきました。

でも本当は知っている、自分の箸使いがまずいことを。ずっと心の奥では気になっていたので、塗り箸なんて絶対に縁が無いものだと決めつけていました。

だって、塗り箸はきちんとした箸使いでないと、食べ物なんて持てないと思っていましたから。

だから、青森のデパートや食器屋さんに入っても、あぁ津軽塗のお箸はきれいで高いなぁ、位にしか見ていませんでした。でも、一軒のデパートで、このお箸を見つけてしまったのです。

津軽塗というと、イメージするのは黒や赤、緑など。実際その色の箸がたくさん売っていたのですが、そんな中でこの珍しい肌色が際立って見えたのです。

更にその時セール中で、かなり手軽なお値段に。もうこれは買うしかないと、一目惚れ状態で手に入れました。

まな板と共に東京に連れて帰り、いざ使用開始。ほらやっぱり、塗りのお箸は難しい。細かいものや麺類など、つるつるつるつる、掴めません。

手も痛くなり、心も折れそうになってきます。でも折角縁があって買って帰ってきた津軽塗。早々に諦めてしまう訳にはいきません。

それからは、自分なりに正しい箸使いを調べ、毎日、毎日、意識して食べることに。

今まで使ったことの無い筋肉を使うため、やはり手は痛くなります。でも日々の練習の成果が出たのか、ある日突然、ふっとしっくりくる感覚が。

一度慣れると、塗りのお箸の使い勝手の良いこと。

細かいものを摘まんだり、煮物や魚を細かくしたりが簡単に出来るように。自分の指の延長が動いているように、何だかレスポンスがいいのです。

また、一番感じるのは、手や唇への馴染みがとても良いこと。

手に持てば漆独特の吸い付くようなフィット感があります。口へと運べば、ものすごく優しい口当たり。食事が一層楽しくなります。

これまで、自分の箸使いに少なからずコンプレックスがありました。お箸で食材を切ることもできないので、噛み切って食べるのも、行儀が悪い。

でもようやく、30半ばにしてそれなりの箸使いが出来るようなりました。塗りのお箸に出会わなければこうはならなかった。本当に感謝です。

まな板とお箸、東京で買うよりも現地の方が安いということを知ってしまった僕。

その後、夏の東北では津軽塗の下駄を買い、そして、秋の旅行でも・・・。

今年は入社15周年。長い休みを取り、11日間岩手に籠りました。

岩手と言えば、南部鉄器。これは悪い予感しかしません。というのも、すき焼き鍋から始まり、鉄瓶、グリルパンまで購入済み。使えば使う程、南部鉄の力に惚れてしまうのです。

奇しくもその時、丁度良い大きさの煮物鍋が無く、探し回っていました。そして案の定、盛岡で見つけてしまったのです、南部鉄の鍋を。

まず目を引いたのが、その鮮やかな朱色。

南部鉄器の鍋で色付きのものは見たことが無く、一見外国製のホーロー引きの鋳物鍋のよう。でもよくよく見てみると、着色はされつつも、南部鉄ならではの肌感が残っている。

一目惚れ。またやってしまいました。といっても、10日間しっかり悩んでからの、お買いもの。

サイズや深さも丁度良く、これなら煮物からシチューまで、普段使いできる。そして何より、鉄鍋での食材の煮え方の違いは、すき焼き鍋で体験済み。

カワトクで出逢った岩鋳のファミリーシチューパン。宅配で送ってもらいました。到着していざ使ってみると、その煮え方の素晴らしいこと。

鍋の厚みや、焼き、炒めが出来るという南部鉄器ならではの使い勝手が、味の違いにつながります。

そして一番驚いたのが、同じく鉄製の分厚い蓋。この蓋の効果が素晴らしい。熱気と水分を逃さないので、芯までしっかり熱が入り、ふっくらジューシーに煮えるのです。

ブログでも、何度も登場しているシチューパン。買って良かった、大正解。南部鉄器は裏切りません。

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2013年から始まった、調理道具との出逢い。今年も同じような形で、ブログ納めをすることとなりました。

一見、鉄製品を手当たり次第に買っているように見えるかもしれません。でもそれは違う。これまで買った鉄製品は、全てそれぞれの道で活躍してくれています。

そして自分で一番驚いたことは、キッチン用品売り場で欲しいものが見当たらなくなったということ。

フライパンがくたびれたら新しいのが欲しい。まな板も汚くなってきた。包丁も切れないし。そんな無駄遣いを、最近は一切しなくなりました。つまりは、今ある道具で充分ということ。

良い道具を長く使う。新し物好きの僕には、数年前まで無かった発想。その良い道具とは、即ち高い道具ではないということを痛感しています。

南部鉄器は高価な鉄瓶のイメージがありますが、調理道具は意外とお手頃。鉄のフライパンだって、数年でダメになるブランド物よりも安く長持ち。

まな板に至っては、万が一汚れたり反っても、削ってもらえばずっと使える。

こうして今年も、一目惚れの一年になりました。でもそれもそろそろ終わりそう。今欲しい調理道具は、何一つ無いのです。

一目惚れと衝動買いは違う。これに気付かせてくれた調理道具たちに感謝。おかげで、洋服や雑貨に至るまで、衝動買いが無くなりました。

自分の気に入った道具を手に入れる幸せ。そして気に入った道具が、期待通り、いや、それ以上の働きをしてくれる幸せ。

料理は嫌な時もある。でも、そんなお気に入りに囲まれれば、おのずと使いたくなるもの。今のキッチン環境に大満足。これって、本当に幸せなことだと思う。

2015年も、やっぱり道具で〆ることになりました。

あと数日で2016年。皆さまにとって、明るく楽しい、良い一年になりますように。

今年も一年、本当にありがとうございました。来年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

http://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%92%E3%83%90/215951/
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