先日スーパーで見かけて生まれて初めて知った食材、若ごぼう。葉ごぼうとも呼ばれるそうで、大阪の八尾のほか、四国などでも栽培されている野菜だそう。主に関西で食べられているようで、店頭で見るまでその存在を聞いたことすらありませんでした。
なぜその日に限って若ごぼうが売っていたのかは分かりませんが、活き活きと茂る葉に太く瑞々しい茎、そして申し訳程度に付いている根っこがものすごく美味しそうに見え、もう僕に買って買ってしているとしか思えませんでした。
パッケージには葉はサラダや煮浸しに、茎は炒め物に・・・などと書いていたので、サラダにできるくらいなんだから若芽のクセのない野菜なんだろうと、調べもせずに即決で買ってしまいました。
ところが家に帰って一応下ごしらえを調べてみたところ、あく抜きをしっかりしないといけないものだということが判明。さらに葉には独特の苦みと風味が、とまで書いてあります。
あぁこれ、相方さんの食べられないパターンの野菜だ。最悪ひとりで二日かけて食べきるつもりで、腹を決めて調理を開始。試しにあく抜き前のものをかじってみましたが、確かにあくが強い。水に晒すだけで本当に美味しくなるのかと心配になるほど。
ところが調べた通りにしばらく水に晒すと、あくと渋味だけが抜けて程よい香りと苦みだけが残った状態に。それを調理してみれば、驚くほどの食感のよさとほんのり感じる春の香り。
なにこれ、旨い!!関西の人はこんな美味しい野菜を昔から食べていたのか。そう嫉妬してしまうほど僕好みの野菜。香草の苦手な相方さんもパクパク食べていました。
あくを抜いてまで食べたい野菜。もしまた売っていたら次も買おう!春野菜の中でも抜群の個性あふれる美味しさに、すっかり惚れてしまいました。
今回は、若ごぼうの茎の中華風そぼろあん、若ごぼうの葉の春サラダ、若ごぼうの根とたらこの煮付けをご紹介。一把で若ごぼうのフルコースです♪
★若ごぼうの下処理(あく抜き)の仕方
- 若ごぼうは葉、茎、根のそれぞれの部位に切り分ける。
- 葉はさっと塩茹でして水気を絞り、細かく刻んで水に30分程晒す。
- 茎は泥を洗い流して用途の長さに切り、15分程水に晒す。
- 根はたわしや包丁の背でこすり洗いして泥を落とし、用途の長さに切って20~30分程水に晒す。
- 若ごぼうは茎や葉のボリュームがすごいので、それぞれに切り分けてから洗ったり刻んだりした方が下ごしらえがしやすくなります。
- 茎と根の境に泥がたまっているので、しっかりと洗って落とします。
- 葉は薄いながらも食感がしっかりとしているので、細かく刻んだ方が食べやすく、あくも抜けやすくなります。
- 水に晒している途中に適宜水を換えてください。
★若ごぼうの茎の中華風そぼろあんの作り方
- 中華鍋(またはフライパン)にごま油をひき、鶏ひき肉を中火で炒める。
- 油が透き通るまで炒めたら強火にし、あく抜きした若ごぼうの茎を加える。
- 緑が鮮やかになるまでさっと炒めたら、水、シャンタンDX、オイスターソース、コショー、しょう油少々を加えて煮立たせる。
- 仕上げに水溶き片栗粉でとろみを付ける。
- 今回は初の若ごぼうの茎の風味を味わうため、にんにく等は使わず薄めの味付けにしました。ほんのりとした独特の香りが鶏そぼろによく合います。
- 若ごぼうや鶏の風味を活かすため、シャンタンやオイスターソースの入れすぎに注意します。しょう油の替わりにお好みで塩でも。
- 思い切り強いシャキシャキ感があるのに全く筋っぽくない若ごぼうの茎。火を通しすぎると食感が変わるので、茎を加えてからは一気に仕上げます。
★若ごぼうの葉の春サラダの作り方
- トマトはひと口大に切る。
- あく抜きした若ごぼうの葉の水分をぎゅっと絞り、ほぐしながらボールに入れる。
- 2にトマト、釜揚げ桜えび、釜揚げしらす、味噌、コショー、ごま油、マヨネーズを加えてよく混ぜる。
- 若ごぼうの葉は程よい苦みと独特の風味をもつ個性的な食材。食感も強いので、細かく刻んでもサラダの主役として存在感バッチリです。
- 味噌を加えることで若ごぼうの葉のほんのりとした苦みとの相性がよくなります。
- 今回は初めての食材だったためマヨネーズを多めに加えてみましたが、思ったよりも苦みは気にならず少量でも大丈夫そう。
- 桜えびとしらすに塩分が含まれているので、味噌とマヨネーズの量は加減してください。
- 今回は全体の馴染みをよくするためトマトを一緒に和えましたが、トマトの汁気が気になる場合はサラダを盛り付け周りにトマトを添えてください。
★若ごぼうの茎とたらこの煮付けの作り方
- 豆腐、生たらこはひと口大に、しょうがはせん切りにする。
- 鍋に水、みりん、昆布、しょうがを入れて火に掛ける。
- 煮立ったら生たらこ、あく抜きした若ごぼうの根、豆腐を加え、落し蓋をして煮る。
- しばらく煮たらしょう油を加え、落し蓋をして味が浸みるまで煮る。
- 作り方は普通のたらこの煮付けですが、何といってもポイントは若ごぼうの根。全く筋がなくほくほく柔らかいのに、ごぼうの風味は普通のもの以上。これは本当に美味しいごぼうです。
- 若ごぼうの根は柔らかいので、1本を2~3等分にするだけでOKです。太い部分も縦割りにせずそのまま使ったほうが、食感と風味を味わえます。
- ごぼうの風味とたらこの旨味を吸わせるため、豆腐は最初から一緒に煮付けました。食感も凝縮されてより美味しくなります。
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