2007年11月から始めたこのブログ。最初は続くはずもないと思いつつ、気がつけばもう10年目を迎えました。長く続けてこられたのも、遊びに来て下さる皆さまのおかげです。改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
もともと、旅と料理が好きだった僕。最初は自分のための備忘録として、このブログを始めました。テーマも一貫して、旅と料理。これに絞ったからこそ、途中何の迷いもなくここまで来られたのかもしれません。
それでも、日記もお小遣い帳も家計簿も、3日も続けられたことのない三日坊主の僕のこと。最初は本当に続けられないと思っていたので、無料の忍者ブログで書きはじめました。
無料なら、飽きても大丈夫。それがいつしか丸9年。書きためた記事は1100を超えました。そんなある日、忍者ブログのデータ容量を見てみると、残り30数%しかないことに気付きました。
だいぶ前に無料枠を超え、有料プランに切り替えてブログを続けていたのですが、それでも残り40%を切ってしまった。つまり、あと7~8年しか持たない。そのことを考え、ついにブログを引越しする決心をしたのです。
せっかく引越しをするならば、容量なんか気にせず全部自分の好きにできるようにと、サーバーを借りて自分で運営することに。
まずは『お名前.com』で独自ドメインを取り、『エックスサーバー』でサーバーをレンタルし。そしてWordpressをダウンロードしてあっという間に新ブログを立ち上げることができました。
なんだ、こんなに簡単ならもっと早くに決断しておくんだった。そう思うのも無理はありません。忍者ブログからの引越しは、文章は簡単に移行できても、画像は全て手作業で移さなければいけません。
1100を超える記事の引越し・・・。全てを移し終えるまで掛かった期間は3ヶ月半以上。いやぁ、本当に大変でした。だからもっと早く決断すれば良かったと思ったのです。
でも、それでも。この引越しで得たものはとても大きいものでした。その大きなものとは、僕のこのブログに対する愛着、そしてこのブログに支えられてきたということを再確認できた、ということ。
手作業での引越しにあたり、必然的に全ての記事に目を通すことになります。始めた頃は自分でも目を覆いたくなるようなひどい写真にひどい料理。それが時間を追うにつれ、だんだんとマシになってくるのです。
こう書いている今の記事だって、10年後に見返せばきっとひどいと思うことでしょう。でもいいんです。それがいいんです。
この9年、仕事でもいろいろとあり、自分としてはあまり前へ進めていなかった、何も変わっていなかった、そう思っていました。でも今回このきっかけで記事を見返してみて、自分では気づかない成長がありました。
僕がこのブログから得たものは計り知れません。より強く自分の感じた旅情を伝えたいと、写真や記憶をより多く残すことで、旅は一層深いものとなりました。
そして、ブログに載せたいと手を変え品を変え、気付けば結構なボリュームのレシピができていました。(目分量で盛り付けが下手じゃん、というのはご勘弁。)
もしこのブログを始めていなければ、きっとこのような変化はなかったことでしょう。それまでのように、旅で写真を撮ってもハードディスクの肥やしに。料理もここまで好きになったかといえば、自信はありません。
そのことを実感できただけでも、ブログ引越しの大きな収穫でした。やっぱりこのブログは、僕の備忘録。僕が一番の読者です。その気持ちが変わらないからこそ、低空飛行を続けていても我関せず、マイペースで続けてこられたのです。
それと同時に、ブログ引越しを機にちょっとした心境の変化が。
旧ブログは、閲覧の負担にならないようにと、画像は小さいサムネイルで載せていました。でも今はネットも端末も当時より格段に速くなったので、気兼ねなく大きな画像を載せられるように。なので、新ブログでは画像を大きくすることにしました。
これにはメリットもデメリットもあり、ピンボケのひどい写真を大きくすることには、最初は抵抗がありました。でもそれ以上に、大きくして伝えたい画像がたくさんありました。
見てもらいたい、ブログを読んでもらいたい。引越しをしてレイアウトを変えたことで、ふとそういう想いが頭をよぎりました。
始めた頃こそPVに一喜一憂した時期がありました。でもそんな時期は長くは続かず、僕さえ読み返せればいい、そんなスタンスでずっと続けてきました。
しかし、今回記事を全部確認してみると、今となっては貴重なものがたくさん記録されているのです。廃業した旅館、無くなってしまった夜行列車。これって実は、大切なものだと思うのです。
このブログを読んでいただいても分かると思いますが、僕には懐古主義的な部分があります。古いものに惹かれ、在りし日に思いを寄せる。どちらかといえば、まだ見ぬ未来よりも古きよき時代に魅力を感じてしまうのです。
そんな僕は、昭和時代の鉄道や連絡船、バスに航空といった古きよき交通を時折ネットで検索して見ています。それができるのも、当時貴重であったフィルムを使って写真や映像を残し、それをネットに載せてくれている方がいるからこそ。僕が経験せず姿を消したものを疑似体験させてくれる、貴重な資料なのです。
僕のブログも、そんな資料になってくれたら。ふとそう思いました。僕は撮り鉄ではなく、ホームでカメラを構えるのが恥ずかしいヘタレなので、きちんとした写真はほとんどないかもしれません。
でも、旅を繋ぐ「線」としての交通を、その時の空気や感情のまま綴るということに懸ける想いは、誰にも負けない。だからこそ、旅のアルバムではなく、「旅行記」としてこれまで書き残してきました。
そんなこのブログに込めた「旅情」が、自分以外の誰かの資料になってくれたら。おこがましいようですが、もしこの気持ちを受け取ってくれる人がひとりでもいれば、こんな嬉しいことはありません。
今年生じた、ブログに対する想いの変化。来年はこれを何とか形に現していければと思います。10周年に向けて、もっと見やすいブログへ。これを2017年の抱負とし、2016年の更新を終えたいと思います。
最後になりましたが、今年もあと3日となりました。このブログが10回目の年越しを迎えられるのも、遊びに来て下さる皆さまのおかげです。本年も大変お世話になりました。そして来年も、どうぞよろしくお願いいたします。どうぞ良いお年を、お迎えください。
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