究極の暇つぶし ~東京近郊区間大回りの旅~ | 旅は未知連れ酔わな酒

究極の暇つぶし ~東京近郊区間大回りの旅~

南武線205系 旅行記

今回は、うちにいても一人じゃ時間が持たないので10数年振りに電車三昧。

日本各地の「大都市近郊区間」と呼ばれる区間内は、途中下車をせず、一筆書きで同じ駅を2回通らなければ、乗車距離に関係なく最短経路での運賃のみ支払えばいいという、マニア大喜びの規則があるんです。うち周辺では「東京近郊区間」に当たります。

いざ関東大部分を制覇する企画へとGO!マニアはみんな知ってる、いわゆる「大回り乗車」ってやつです。

この日は、関東を制覇してやると意気込み、荻窪~八王子~高麗川~高崎~小山~友部~上野~神田~新宿という、160円コースへと出かけました。東京埼玉群馬栃木茨城千葉東京と、神奈川を除いた関東を制覇するコースです。

普通に運賃を払えばウン千円ですが、合法的に160円の8時間以上の旅。新幹線と特急利用であれば、東京から札幌まで着いてしまう位の乗車時間です。

荻窪から中央線に乗り、まずは八王子へ。ここから八高線へと乗り込みます。乗ったのは川越線直通川越行き。途中高麗川で下車します。

八高線は東京の八王子~群馬の倉賀野を結んでいるローカル線で、電化(電気が来ている区間)されているのは八王子~高麗川。

線名は八王子の「八」と高崎の「高」。鉄道路線って、こんな名付けかたが結構多いんですよ。京王は東京と八王子の京と王。って具合です。

写真は電化区間を受け持つ「205系」。形式名を言われても一般の人だったら全然興味湧かないですよね。これは主に山手線で使われていた電車。都心の第一線を後輩に譲り、ぶつ切りにされた後、あちこちで活躍する姿を最近見ることができます。

八高線キハ110

そして今回の目玉、八高線非電化区間を受け持つ「キハ110系」。関東首都圏でディーゼルカーに気持ちよく乗れるのはこの区間が一番。煙を吐きながら一生懸命高崎を目指します。

ちなみに、キハとか○○系って、判らないし、キモいイメージがありますよね。でも法則を知れば簡単で、JRならば皆さんが通勤で乗ってる電車もこのルールに則っています。

キハとかサハってのは、車両の動力の有無や種類の違い。クは運転台、サは自分じゃ走れない(動力を持たない付随車)車両、モはモーター車のモ、キは気動車(ディーゼルカー)のキ。

ハは等級のなかで普通車のハ。(旧一等車はイ、2等車はロ、3等車はハ、つまりイロハ。)グリーン車はロの旧2等車。

○○系の百の位も、1~3は直流用、4~6は交直流、7~8は交流用、9は試作車等。法則を知ればその電車の素性を知ったようなもの。パズルのようなものですね。十の位も通勤用や、近郊型、特急用など、意味があるんですよ!(最近は崩れてきているかもしれませんが。)とにかく今回は首都圏ではかなり珍しいキハへ乗車。

新宿駅弁當

ローカル臭たっぷりの八高線で広げたのは、八王子駅で仕入れた「新宿駅弁當」。新宿駅開業100年を記念しての弁当だそう。生まれも育ちも中央線キッズとしては、新宿はまさにどこへも行けるターミナル。まぁ、玉手箱みたいな駅です。

内容はというと、とろさくら肉の旨煮・鮭の信州焼き(味噌漬け)・煮貝・公魚の天麩羅・雷こんにゃく・煮物・オムレツ・コロッケ・黒富士鶏そぼろにごはん等々。

天下の中央本線ターミナル、玄関口の新宿にふさわしい甲信越の美味たち。うん、中央本線の弁当はやっぱりうまい。素材の新鮮さに依存することなく、古来の保存食文化を残しています。いい意味で海際では味わえない奥深い味。山の民の味。

両毛線107系

そして高崎から一路小山へと乗車したのは、両毛線。両毛線は群馬の新前橋~栃木の小山へと到るローカル線。今回は写真の107系でした。東京では見ない形です。これはハズレ車両。全部ロングシート。つまり横座り。ここまできて通勤電車スタイルはいらないでしょう!

といってもこの電車は珍しいんじゃないんでしょうか。関東北部にしか分布してません。

水戸線415系

そして小山から乗車したのは415系。これは水戸線(栃木の小山~茨城の友部)という、やはりローカル線。これもロングシート。

こんなところにまで来てロングシートはイヤだなぁ、ってのは都会人のエゴなんでしょうね。両毛線も水戸線も、じいちゃんばあちゃんから高校生まで、しっかり東京と同じように利用されてました。山手線が向かい合わせの座席じゃねぇ。それを考えると地元の人にはいいことなのかもしれませんね。

これは交直両用電車です。小山駅を出てすぐに直流から交流へと切り替えていました。交流電車って言われても、みなさんピンとこないでしょ。首都圏は全部直流の1500V。郊外へ行くと交流の20000V。凄いです。

常磐線E531系

水戸線終点の友部から乗ったのは、上野行きの常磐線、E531系。EはJR東日本(East)のE。交流直流を制御するのは難しいと一昔前まで言われていた方法を駆使する電車です。

もう日本で鉄道に関して不可能なことはないのでは?と思ってしまいました。みんな通勤で使ってて、動いて当たり前だけど、実はその体の中にはそれこそ「ハイテクノロジー」が潜んでいるかもしれませんよ!

電車は奥が深い!みなさんも通勤時間の暇つぶしに各鉄道会社の形式の暗号を読み解くゲームをしてみては?

もし出かけてみたくなったら・・・

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