だいぶ前にテレビでその存在を知った、博多水炊き。見るからに美味しそうでしたが、何時間も掛けて鶏がらスープを取るのもなかなかの手間で、作り始めるのはだいぶ後になってからのことでした。
最初のきっかけになったのは、はなまるでやっていた簡単白濁スープの作り方。安い手羽先を大量に使えば、短時間で美味しい白濁スープが出来ました。これが記念すべきうちの水炊き第1号、言うなれば水炊きⅠ世。
その後うちにもようやく圧力鍋がやってきて、がらを使ってもそれなりの時間で濃厚な白濁スープがとれるようになりました。これがロングセラーとなった水炊きⅡ世。がらを砕いて抽出するタイプです。このスープは水炊きの他にも、鍋物やカレー、シチューなど色々なレシピで載せたと思います。
この水炊きⅡ世、自画自賛ではありますが美味しかったので、お店で水炊きを食べてみる機会を逸してしまい、恥ずかしながら本当の博多水炊きは未体験でした。
ところが、先日訪れた博多で食べた、本場の水炊き。自分の作るものとは似て非なるもので、鶏臭くないのに鶏っぽい!!それほど白濁していないのに濃厚な旨味!!その美味しさに脱帽してしまいました。
こうなると、これまでお気に入りだった自作のスープも、色々と粗が見えてしまうというもの。一度気付いたからには改良せねばならないと、にわか料理人の血が騒ぎます。博多の感動も薄れないうちにと、早速試しに作ってみることに。
使う材料をひとつ追加し、手順をちょっと変えるだけで、これまでのものとは比べ物にならないほどより旨いスープに変身。本場の味にはまだまだ程遠いですが、素人で作るには十分すぎる出来となりました。(今回はいちいち手前味噌な記事ですねぇ汗)
やっぱり、美味しいものを作るには、外で美味しいものを味わうことも重要。「うちのも十分美味しいから」ではなく、色々と試してみる必要性を改めて認識した日でした。今回は、水炊きⅢ世をご紹介します。
★水炊きⅢ世の作り方
- 圧力鍋に水を張り、鶏がらを入れて強火に掛ける。
- 煮立ってきたら鶏皮を加え、5分程煮立たせる。
- ざるにあけて湯切りし、鶏がら、鶏皮を流水でよく洗う。
- 圧力鍋を一旦きれいに流して水を張る。
- 鶏がらは手で分解できる範囲で割って加え、鶏皮は小さくちぎって加える。
- 圧力鍋の蓋をして強火に掛ける。
- 蒸気が上がったら弱火にし、1時間程度加圧し、自然放置する。
- ピンが下がったら蓋を開け、強めの中火でぐらぐら煮る。
- あくが出たら取り、水が減ったらその分を足すようにしながら1~2時間程度煮込む。
- スープが濁り、鶏の旨味がしっかり出たら火を止め、スープを網でこす。
- 土鍋に11のスープを張り、鶏肉、肉団子、きゃべつ、豆腐等お好みの具材を煮て、ポン酢と薬味で頂く。
- これまではがらを砕いて絞ってという作り方でしたが、これだと鶏のちょっとした臭みがどうしても出てしまっていました。今回の作り方では砕かず対流の力で自然に煮だすので、鶏の嫌な部分は出さずに旨味とコラーゲンをうまく出すことに成功しました。
- 今回の改良ポイントは鶏皮を使うこと。お店で食べた時にお鍋に入れたコラーゲンボールをヒントに、がらには足りないまったり感をプラス。一度茹でこぼすことで嫌な脂は落とし、旨味とコラーゲンだけを出すようにしました。
- 前回よりも火に掛けている時間は増えましたが、砕く手間や蓋を開ける為にピンが下がるのを待つ時間が無くなった分、だいぶ手間が省けトータルでは掛かる時間も短くなりました。
- 圧力を掛けるだけではどうしても旨味が抽出できないので、圧力鍋は短時間で柔らかくするためのものとして使います。蓋を開けてぐらぐら煮る工程で初めて旨味が出てきます。
- 以前は砕いたがらをギュッと絞りながらこしていましたが、今回の作り方ではがらはしっかりほぐれているので普通にこすだけでOK。この点も手間が掛からなくなりました。
- 今回は、土鍋1杯分のスープにがら3羽分を使用しました。ちょっともったいないかな、とは思いますが、市販のスープを買うよりは安く、それ以上に美味しく作ることができます。
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