ちょっとずつ夏の愉しみ北東北 ~ヤーヤドーに誘われて 2日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

ちょっとずつ夏の愉しみ北東北 ~ヤーヤドーに誘われて 2日目 ②~

8月上旬撫牛子バス停から弘南バスに乗車し和徳十文字へ 旅行記

煮干し香る中華そばに舌鼓を打ち、そろそろ弘前へと向かうことに。ちょうど良い時間の便があったため、撫牛子バス停から『弘南バス』に乗車します。

8月上旬夏の弘前文化センターに建つ津軽為信公銅像
終点の弘前バスターミナルまでは行かず、手前の和徳十文字バス停で下車。交差点を右折し、弘前城を目指します。お堀の手前、弘前文化センターの前には津軽藩祖である為信公の銅像が。津軽のお殿様、今年もこうして無事にこの街へと戻ってくることができました。

8月上旬夏の弘前弘前城三の丸東門
それにしても、矢立峠の懐はあれほど涼しかったのが嘘のよう。肌に感じる津軽の夏に汗を掻きつつ歩くこと15分、弘前公園に到着。築400年以上という三の丸東門から、弘前城内へと入ります。

8月上旬夏の弘前緑豊かな城内に架かる唯一の石橋
夏らしい豊かな緑に覆われた三の丸を進んでゆくと、ぽつんと現れる小さな石橋。江戸時代後期に架橋されたこの橋は、弘前城内では唯一の石造りの橋だそう。

8月上旬夏の弘前早くも色づきはじめるお堀端の紅葉
橋上から中濠を眺めれば、早くも色づきはじめる紅葉の姿が。紅へと向かうグラデーションが、緑に染まるお堀端に彩りを添えるよう。

8月上旬夏の弘前築400年以上経つ二の丸東内門
鮮やかな木々の色味を愛でつつ石橋を渡り、東内門へ。こちらも先ほどの東門と同時期に建てられたものだそうで、その渋い佇まいからは長きに渡り津軽の風雪に耐えてきた歴史が滲むよう。

8月上旬夏の弘前赤い欄干がうつくしい下乗橋と天守
東内門をくぐり二の丸へ。桜の鮮やかな緑に映える、赤い欄干がうつくしい下乗橋。その先には、曳屋され本丸の内側に佇む天守の姿。

8月上旬夏の弘前修復工事が進み石が積まれはじめた石垣
修復中の石垣へと目をやれば、工事はだいぶ進み石が積まれている真っ最中。長く続いた修復工事ですが、石垣の積み直しは今年で終わるそう。

8月上旬夏の弘前城の北東を護る丑寅櫓
人々で賑わう二の丸を北へと進み、四の丸へ。二の丸の北東にあたる中濠沿いには、歴史を感じさせる渋さの滲む丑寅櫓。

8月上旬夏の弘前城四の丸にずらりと並べられていた石垣の石は再び積まれ姿を消す
賀田御門跡の坂を下り広場に出れば、去年まではずらりと並べられていた石垣の石がきれいさっぱりなくなっている。修復工事の初めから弘前に通っているため、このがらんとした姿は感慨深い。

8月上旬夏の弘前西濠と蓮池濠に挟まれた桜並木の土手を行く
歩く人も少なく、静かな雰囲気に包まれた四の丸。繁る木々の袂を流れる二階堰に沿ってのんびり歩き、西濠と蓮池濠に挟まれた土手へ。右手に延々続くのは、桜の並木。春になれば、それは壮観な光景が広がることでしょう。

8月上旬夏の弘前城蓮池濠に咲く艶やかな蓮の花
その名の通り、蓮で覆われた蓮池濠。夏らしく、柔らかな桃色をしたうつくしい花をたくさん咲かせています。

8月上旬夏の弘前城二の丸南内門
深い緑に豊かな水辺、ひっそりとした雰囲気に包まれる蓮池濠。艶やかな蓮の花に別れを告げ、坂を登り南内門から三の丸へと進みます。

8月上旬夏の弘前城深い緑に覆われた中濠沿いに建つ未申櫓
赤い欄干が印象的な杉の大橋を渡ると、うっそうと緑の茂るなかに建つ未申櫓が。平たい印象の東側から一変し、起伏に富み深い木々に覆われる西側。同じお城とは思えぬ表情の差を、初めて知ったときは驚きました。

8月上旬夏の弘前城に立つ石垣修復工事の案内板
10年前に着手され、9年前に天守を曳家。それ以来ずっと続けられてきた石垣修復工事も、もう終盤。再来年には天守は元の位置に戻され、その翌年に完了予定。再びお堀端の天守が見られる日が、今から待ち遠しい。

8月上旬夏の弘前城追手門をくぐり城外へ
こうしてこのお城を訪れるのも、もう何度目だろうか。それなのに、毎回新たな表情で迎えてくれる。今年もこうして無事にこの街へと帰ってくることができた感慨を胸に、追手門をくぐり弘前城に別れを告げます。

8月上旬夏の弘前城豊かな緑に染まるお堀端
祭りまで、あと数時間か。僕に与えられたチャンスは今夜限り。どうやら雨の心配はなさそうだ。お堀端を染める緑の豊かさに目を細め、今年もねぷたに逢えることの悦びを噛みしめます。

8月上旬夏の弘前市立観光館に建つたか丸くんの石像
たか丸くん、すっかり長い付き合いになったね。12年前、一目で恋に落ちた弘前ねぷた。それ以来、毎年こうして通うことになろうとは。僕はもう、ねぷたなしでは生きられぬ体になってしまったよ。

8月上旬夏の弘前旧大五十九銀行本店本館青森銀行記念館
かわいいたか丸くんにご挨拶し、目的のお店を目指して進みます。途中には、重厚さを漂わせる瀟洒な姿の青森銀行記念館。古き良き建物が点在する弘前は、歩いていて楽しい街。

8月上旬夏の弘前明治15年創業のゑびすや履物店
その目的のお店というのが、明治15年創業というゑびすや履物店。僕にとってなくてはならない品が手に入る、本場津軽でも貴重なお店。

8月上旬夏の弘前ゑびすや履物店で買ったおろしたての津軽塗の下駄を履いてねぷたへ
女将さんのお元気そうな姿に安心しつつ、今年も津軽塗の下駄を購入。見た目のうつくしさもさることながら、足馴染みと耐久性の高さが魅力のこの下駄。春から秋まで、暑い東京での暮らしには欠かせない。

おろしたての下駄を鳴らし、軽快に歩く弘前の街。あと数時間後には、あの熱さに再び逢える。足元に感じる涼やかさとは裏腹に、こころの奥には早くも滾りを感じるのでした。

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