ずーっと行きたくて仕方なかった大宮の『鉄道博物館』にやっと行くことができました!屋内に実車がこれだけ並んでいるのにはびっくり。
お昼過ぎに着いたので、まずは腹ごしらえをすることにしました。館内には2ヶ所のレストランがありましたが、メインの日本食堂(往時の食堂車のメニューを再現)は長蛇の列。
仕方なく駅弁を購入し、電車内で食べることに。博物館の外に飲食可の列車が留置してあります。特急型が4両、クロスシートの普通列車が2両です。
僕が選んだのは、写真の「あずさ」型車両。懐かしい国鉄色に戻されています。
車内はこんな感じです。この車両は、昔「グレードアップあずさ」として白地に緑と赤の帯を巻いた特別なあずさ号として運転していました。
かいじ号は外も中も国鉄そのまんまだったのですが、このグレードアップあずさ号は外も中もリニューアルし、それはかっこいいものでした。初めて乗ったときのことを今でも覚えています。
それが今となっては博物館に収蔵されるほど古いものになってしまったなんて・・・。そりゃ僕も年とるわ。
車内でいただいたのが「八戸いいとこどり」弁当。ホタテの照り焼きにいくらのしょうゆ漬け、八戸小唄寿司が入っています。
停まっている車内で食べてみて、駅弁の味は5割方が流れる車窓なんだなぁ、と痛感しました。
お腹が一杯になったところで、いざ見学へ。所狭しと実車が並んでいるので、どれから手をつければいいものか悩んでしまいます。
写真は交通博物館時代からみんなを出迎えている、「0系」のカット。懐かしいですね。
そしてこちらは引退間近の「200系」。今はお色直しをして上越新幹線で残りわずかな力走を見せてくれています。僕らの世代で東北新幹線といったらこの顔。
200系の車内です。最近の新幹線の座席はカラフルで明るいものですが、こうやって見てみると、昔の新幹線は重厚感があります。
こちらは新幹線がデビューする前に幹線輸送を担っていた特急型。ボンネットタイプは今となっては貴重な存在です。
昔は今のように特急が溢れていなかったため、名実共に「特別急行」という存在感を感じます。
ボンネットに「JNR」マークを誇らしげに輝かせています。やっぱりこのマーク、今見てもかっこいいなぁ。
車内はいたってシンプル、リクライニングしない座席が並んでいます。窓も天地が狭い。
それでも当時はロマンスシートの並ぶ特急は高嶺の花だったんでしょうね。特急の無い亜幹線では、ボックスシートの急行型が長距離輸送を担っていました。
比較的近代の車両を見た後に、旧型車へと移りました。だいぶ昔の通勤型車両です。ぶどう色といわれる茶色がかなり重厚感を出しています。
戦後すぐはみんなこういう電車で通勤していたんでしょうね。今のプラスチック電車とは違い、温かみがあります。
こちらは国鉄初の量産型ディーゼルカー。当時は客車を機関車が牽引するスタイルが一般的だったので、登場したときは最先端をいく車両だったに違いありません。
車内は客車とほとんど変わりません。白熱灯と木の床がいいムードを醸し出します。
そしてこちらが1等客車、「マイテ39」。東海道本線を長編成で疾走した客車特急の最後尾に連結されていました。
展望車付きのその車両は、現在は無い旧等級の1等で、まさにセレブしか乗ることのできない特別車。
車内は桃山式の装飾が施してあり、まさに豪華絢爛という言葉が似合います。しかしこのインテリアが裏目に出てしまい、利用者からは「仏壇列車」とありがたくない別名が。
しまいには使われること無く放置されていたそうです。それを博物館に収蔵するため大掛かりな修復をしたそうです。こんなキラキラした車両にずっと乗っていたら頭が痛くなりそう・・・。でも乗ってみたい。
そして今回僕が一番会いたかった車両、「20系」客車。この車両はいろいろな意味で画期的で、その後の寝台列車の基礎を築き上げた偉大な車両です。
固定編成で走らせることを前提とし、窓は固定し冷暖房完備。茶色一色だった客車の中で、夜をイメージしたブルーのきれいな塗装。
登場時は「東洋一の寝台列車、走るホテル」と言われていました。この丸みを帯びた優雅なデザイン、50年以上の時を経た現在でも通用する優れたものです。
室内はというと、昔のスタンダードらしく3段寝台。幅も狭く寝返りすら打てそうにありません。さすがにこれで長時間旅行したいとは思えません。
でも登場時は快適な空調があり、揺れの少ない空気バネを搭載した夢のような車両だったことでしょう。
さまざまな車両を間近に見ることができとてもいい経験となりました。ここ最近の鉄道車両の居住空間の向上には目を見張るものがあります。ここにある車両と比べたら雲泥の差です。
しかし今の車両には、ここにいるみんなのような「味」や「旅情」が確実に欠けています。もう一度原点に立ち返り、旅を演出するような旅情たっぷりの車両が生まれることを切に願います。鉄道を更に好きになりました。
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