古きよき時代の雰囲気を残す上野駅を後にし、上野公園を散策します。いつもは自転車で不忍池沿いを通るので、このアングルから池を眺めるのは久しぶり。
緑豊かな公園内には、ピンク、水色、黄色と色とりどりの花が咲いていました。春らしい暖かい風景。
途中で見つけた、花園稲荷神社にお参り。奉納された数々の鳥居が独特の景観を作っています。上野公園内にこんな一角があることは知りませんでした。こんな発見も、さんぽの楽しみ。
さらに奥へ進むと、大きな噴水が。その奥には、東京国立博物館の立派な建物が。青空の下それらが一堂に会する、絵になる光景です。
こちらは旧奏楽堂。現在も音楽関係の催し物が行われるようです。
公園を出て、一般道を歩きます。すぐの交差点のところに、不思議な建物が。実はこれ、京成線の廃駅跡。以前この地下には、博物館動物園駅があり、今でもその出入口やホームなどの施設は残っています。
東京芸術大学の建物。歴史ある学校で、キャンパス内には見て取れるだけでもたくさんの古い建物が並んでいます。
上野を離れ、谷中に向かいます。その途中にある、下町風俗資料館。旧酒屋の建物がいい味を醸し出しています。
中には酒屋時代に使っていたビンや秤、帳場などが展示されています。今のように何でもスーパーやコンビニで簡単に買える時代と違い、お酒ひとつ買うにしても、人と人のふれあいがあったのでしょう。
下町風情の残る細い道をたどれば、そこかしこに歴史のありそうなお店が。東京の古きよき表情をいつまでも守って欲しいものです。
細い路地や坂がたくさん分かれており、それぞれが違う表情をみせます。歩きだからこそ感じられる街の表情。こんな街並みは歩いて味わうのが一番。
日暮里方面へと進み、有名な谷中ぎんざに到着。土曜日の午後ということもあり、ものすごい人ごみ。観光客と地元の買い物客で活気にあふれています。
商店街を抜け上野方面へ進めば、すぐそこに広がる静かな住宅街。そんな中たたずむ、昔懐かしい駄菓子屋さん。渋い店構えと色とりどりのおもちゃが街を彩ります。
白いアパートに映える若緑の蔦。昔は地元でもこんな風景は当たり前にありましたが、最近ではマンションの乱立ですっかり見ることができなくなりました。こんな懐かしさを求め、みんなここへ散策しにくるのでしょう。
ふと路地に目をやれば、軒先に咲くきれいな藤の花。藤棚で見る藤もいいですが、こうやってちょこんと咲いている藤もきれい。淡い紫色に癒されます。
細い道から出た先には、都電がどんと置かれていました。都電荒川線も、下町の街並みと同じくずっと残してもらいたいものです。
台東区から文京区へ。東大の歴史ありそうな校舎を眺めながら、アップダウンのある道を進みます。
明治に建てられ、100年以上も現役として活躍する、本郷館。1905年から下宿屋や住宅として、人々の生活を見守ってきました。
関東大震災や戦火をくぐりぬけ、木造3階建ての建物が現存すること自体驚き。その佇まいには、堂々たる風格を感じます。
下から見上げれば、さらに建物の大きさを実感することができます。総戸数は70以上とのこと。明治・大正・昭和・平成と、4つの時代を生きたこの建物。後世まで残ってほしい、そう願わずにいられません。
学生の街本郷を抜ければ、すぐそこに後楽園が。小さいころにあった後楽園ゆうえんちは東京ドームシティーに変わりましたが、今も昔も人々で賑わう姿は変わりません。
そして日本初のドーム球場である、東京ドーム。小さい頃、できたばかりの東京ドームの姿を電車から見たときの驚きは、今でも忘れません。ゆうえんちと共に、懐かしい記憶がよみがえります。
建設中のスカイツリーから始まり、下町の風情をたどる旅もここで終わり。さまざまな東京の顔を見ることができました。
常に変わり続ける東京の中でも変わらないものがある。そんな新旧の共生が東京の魅力を形作っている、そう再認識させてくれる道のりでした。
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