あの航跡に逢いたくて ~海路を紡いで越前へ 3日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

あの航跡に逢いたくて ~海路を紡いで越前へ 3日目 ②~

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きはもうすぐ新潟港に寄港 旅行記

おいしいカレーで満腹になり、自室に戻りうとうとごろごろ。食べて飲んで浸かって眺めて、そして転がる。それしかしていないのに、あっという間に流れてしまう優雅な時間。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きは信濃川河口に入り新潟港内へ
15時過ぎ、らいらっくは新潟港内へ。前回乗船したときは、終着の景色として眺めたこの街。でも今回は、まだまだ先がある。この船とまだ一緒に居られることが、ただただ嬉しい。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行き船尾のデッキから眺める新潟港信濃川河口
古くから栄えた新潟港は、信濃川の河口に設けられた港。日本で一番長い川、信濃川。船尾からは、その大河の終わりが霞んで見えています。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きまもなく最終寄港地の新潟港に接岸
雄大な川幅を、ゆったりと進むらいらっく。巨体をぐるりと回転させ、甲板員の無線に従い慎重に岸壁へ。程なくして、最終寄港地である新潟港に無事接岸。ここで下船する多くの貨客を見送ります。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きは新潟港を出港し信濃川を出て再び海へ
ここでも積み下ろしと清掃を手早く終え、1時間の停泊の後定刻で出港。さらば新潟、また来る日まで。さあここからは、いよいよ未知なる航海の始まり。信濃川から海へと出たらいらっくは、大きく左に舵を取り一路福井県を目指します。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行き新潟で多くの船客を下ろし静けさに包まれるプロムナード
大半の船客を下ろし、少しばかりの乗船客を迎えたらいらっく。先ほどまでの賑やかさはどこへやら、祭りのあとのような静けさが漂う船内。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行き湯上りにプロムナードで味わう冷たいビール
後はもう、夜へと向かい暮れゆくだけ。その準備にと夕刻前の湯浴みを愉しみ、船窓に流れる海原を眺めながら冷たいビールを。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きレストランタヒチで最後の宴を
18時前、レストランの夕食営業開始を告げる放送が。今夜は2泊目で持ち込みの食料はないため、レストランタヒチで宴を愉しむことに。北海道の地酒男山くーる片手に、就航地の味めぐりへと出かけます。

道産牛ローストビーフのサラダは、しっかりとした肉々しさのある赤身の味わい。しょう油と玉ねぎベースのソースが、野菜やお肉をより男山に合わせてくれる。

今年は、新潟航路50周年、秋田航路25周年を迎えたそう。それを記念した新潟秋田グルメフェアから、いぶりがっこ入りポテトサラダを。ごろごろと散りばめられた、角切りのいぶりがっこ。食感と風味の良さに、男山が進むに決まっている。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きレストランタヒチで栃尾の油揚げつまみに一人宴会を
基本的にはケースに並ぶものを自分で取っていくカフェテリアスタイルですが、調理の必要なものは出来立て熱々が提供されます。渡されたベルが鳴り、受け取り口へ。頼んでいた栃尾の油揚げのボリュームに、まずは驚いてしまう。

船上だし600円だし、半分くらいかな。そう思っていたら、丸々一枚どんと鎮座。しょう油を垂らしてひと口噛めば、カリッ、さくっと広がる香ばしさ。これじゃ洋上の宴会、捗りすぎて困っちゃうよ。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きレストランタヒチで味わう船旅の贅沢
やっぱり船旅はいいなぁ。北海道、秋田、新潟と、これまで経てきた航海をおさらいするように噛みしめるひとりの宴。いつかは船で、何ヶ月も旅してみたい。豪華絢爛なクルーズ船にも憧れはあるけれど、らいらっくがその夢を叶えてくれたらな。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きレストランタヒチで味わう新潟生姜醤油ラーメン
豪華さやおしゃれさより、僕にとってはこの船の居心地の良さが魅力的。そんな夢見心地の晩酌の仕上げは、新潟生姜醬油ラーメンで〆ることに。

しっかりとしょう油を感じる濃いめのスープ、そこに清涼感を与えるおろししょうがの豊かな風味。つるつると味わい視線を上げれば、暮れゆく空と海原という贅沢。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きプロムナードでおたる醸造ナイヤガラ白ワイン片手に宴の続きを
やっぱり、新日本海フェリーのレストランは最高だな。船上での至福を満喫し、宴の続きはプロムナードで。北海道ワインのおたるナイヤガラ、ここちよい甘味や酸味がありながら、すっきりと飲みやすい白ワイン。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きついに降りだした雨
ちびりちびりとおちょこでワインを飲んでいると、いつしか夜が訪れ漆黒の世界に。何も見えない船窓をぼんやり眺めているうちに、ついに降りだした雨。明日も明後日も、北陸地方は雨天の予報。よくここまで持ってくれたと、雨に濡れる甲板を眺めて感謝します。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行き漆黒の海を眺める大浴場でこの旅最後の船上での湯浴みを
白ワインを飲み干し、この旅最後の船上での湯浴みへ。この非日常も、今回はこれでおしまいか。時間が取れなければ、決して味わえぬ船旅。次がいつになるかは分からない。だからこそ、心ゆくまで愉しもう。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きプロムナードで味わうふらのワイン赤
再びプロムナードへと戻り、宴の続きを。漆黒の海を噛みしめ、ゆっくり味わうふらのワイン。適度な酸味の中に感じる赤の渋味が、船上での夜を溶かしてゆく。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行き誰もいない静まり返ったプロムナード
赤ワイン片手に身を置く、誰もいない静まり返ったプロムナード。もうすっかり、らいらっくの虜だな。決して新しくはないが、大事にされている。22年という歳月で重ねてきた航海が、空気感としてこの船全体に宿っている。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行きプロムナードでのひとり宴会を終え吹き抜けの階段を自室へと戻る
まだまだらいらっくとの逢瀬を愉しんでいたいが、明日の敦賀着は5:30の予定。早起きしなければならないため、大人しく今夜という時間を終わりにしよう。

7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田新潟経由敦賀行き早めに就寝し翌朝の到着に備える
本当に、いい船だな。自室のベッドに寝転がり、背中に感じるエンジンの鼓動。ずっとこんな日々が続いてくれたなら。そんな叶わぬ願いを思いつつ、らいらっくとの心地よい一体感にいつしか深い眠りへと落ちてゆくのでした。

あの航跡に逢いたくて~海路を紡いで越前へ~
7月中旬新日本海フェリーらいらっく秋田沖で姉妹船ゆうかりと再会し再びそれぞれの行き先を目指す航海へ
2024.7 茨城/北海道/福井
旅行記へ
1日目(東京⇒大洗⇒商船三井さんふらわあ)
●2日目(商船三井さんふらわあ⇒苫小牧⇒新日本海フェリー)
 //
●3日目(新日本海フェリー)
 /
●4日目(新日本海フェリー⇒敦賀⇒福井⇒東尋坊⇒芦原温泉)
 /////
●5日目(芦原温泉⇒丸岡⇒永平寺⇒福井⇒東京)
 ///

コメント

タイトルとURLをコピーしました