北東北 夏巡り ~漲る灯り、地の滾り。 8日目 ③~

もりおか歴史文化館

櫻山神社に別れを告げ、すぐ隣に位置する『もりおか歴史文化館』へ。ここの前はこれまで何度も通っていましたが、なぜか一度も入ったことがなかったので、今回ふらりと入ってみることに。

もりおか歴史文化館に展示された盛岡山車
有料の展示エリアもあるのですが、今回は時間の都合上無料のエリアのみ見てみることに。中へと入ると、まず出迎えてくれたのがこの大きな山車。豪華絢爛な盛岡山車は、300年以上もの歴史を持つのだそう。

もりおか歴史文化館祭り常設展示室のチャグチャグ馬コ
続いては祭り常設展示室へ。ここには巨大なモニターがあり、盛岡を代表するお祭りであるさんさ踊りとチャグチャグ馬コに関する映像を見ることができます。あぁ、さんさ踊り。旅の中盤に駅前で見たのが遠い昔のように感じる。それだけ、この旅が濃厚だったということ。

さっこらちょいわやっせ~。心地よく響く耳への余韻に浸りつつ隣を見ると、きれいにおめかしした馬の像が。毎年初夏に、滝沢市から盛岡まで15kmもの道のりを練り歩くこのお祭り。きらびやかな馬具とちゃぐ、ちゃぐという鈴の音が、南部の人々の馬に対する思いを表すかのよう。

旧盛岡銀行本店岩手銀行赤レンガ館
6月のチャグチャグ馬コに、8月のさんさ踊り。映像からでさえ伝わるその魅力に、もうすっかりやられ気味。いつかその時期にこの地を訪ねることを心に誓い、再び盛岡の街へと繰り出します。

もりおか歴史文化館を出て中の橋で中津川を渡れば、すぐそこには僕の大好きな赤レンガ。旧盛岡銀行の本店として使われたこの建物は、いわば東京駅のお兄さん的存在。何度見てもため息を漏らしてしまう、この優美さ。これが自然と溶け込んでしまうような街だからこそ、僕は盛岡が好きなのかもしれない。

旧第九十銀行本店本館もりおか啄木・賢治青春館
美しい赤レンガに別れを告げ、その前にのびる通りを南西へ。すると再び現れる歴史的建造物。現在はもりおか啄木・賢治青春館として使われているこの建物は、明治時代に旧大九十銀行の本店本館として建てられたもの。軽やかな色の外壁と、それを彩る重厚な石の装飾の対比が印象的。

盛岡肴町商店街にある長いアーケード街ホットライン肴町
そこから左へと曲がり、八幡宮方面へ。途中には、全長365mのアーケードを持つ肴町商店街が。ここは江戸時代から続く歴史ある街なのだそう。近くには昭和レトロで有名な盛岡バスセンターもありましたが、残念ながら老朽化により現在は解体済み。現役時代にここまで足を延ばさなかったことが悔やまれます。

盛岡昭和レトロな小原写真館
左右にのびるアーケードを散策し、再び八幡宮方面へ。神社へと続く道の両側には、昔の賑わいの残像を感じさせるような渋い街並みが。その一角に、ひときわ目を引く特徴的な建物が。人魚の装飾が目立つこのお店は、以前は写真館として使われていたようです。

レンガ色が印象的な盛岡新八幡街
以前は花街として賑わったというこの界隈。昼間でも感じる独特の妖しさに酔いつつ歩いていると、重厚な門構えをみせるスナック街が。新八幡街の看板を掲げたレンガ色の建物の奥には、小さな飲み屋の詰まった2階建ての建物が連なります。

盛岡八幡宮へと続く参道に並ぶ商店街
ディープ盛岡。決して一人では入れないようなお店ばかりだけれど、夜に歩くだけ歩いてみたい。初めて知る盛岡の横顔に、この街への思いが一層増すかのよう。そんな妖しい一画を抜け、道はいよいよ神社の参道らしい雰囲気に。

盛岡八幡宮の大鳥居
両側に並ぶ街並みを愛でつつ歩き、盛岡八幡宮に到着。道の突き当りには大きな朱塗りの立派な鳥居が聳え、ここが古くからの信仰の地であることが伝わります。

盛岡八幡宮立派な朱塗りの社殿
340年程前に建立されたという盛岡八幡宮。以来盛岡の鎮守として、この街を長きにわたり護り続けています。こうして毎回盛岡に来ることのできる幸せ。そのお礼と再訪の願いを、立派な朱塗りの社殿に託します。

盛岡八幡宮から望む雄大な岩手山
お参りを終え踵を返すと、眼前には雄大な岩手山の姿が。やっぱり好きだ。何度訪れても飽きることのない、盛岡という街。今回初めてここまで足を延ばし、一層惚れてしまった。

いつかは、住みたい。ここ数年、ずっと抱き続けてきたこの気持ち。その時がいつになるかはわかりませんが、いつかは実現したい夢。最近は夢など持てずいまを処理することに腐心し続けてきた日々を送ってきましたが、久々に形をもった夢を感じたかもしれない。

そのいつかは、自分でどうにかしなければ永遠に来ない。すぐに現状を大きく変えることは難しくても、できる何かがあるのかもしれない。新たに抱いた夢を実現しよう。芽生えた強い気持ちを胸に、さらに盛岡の街を歩くのでした。