雪どけ、乳白、きぬの夢。~みちのくより遠い関東へ 1日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

雪どけ、乳白、きぬの夢。~みちのくより遠い関東へ 1日目 ②~

4月中旬幾多もの鯉のぼりたなびく鬼怒川温泉駅 旅行記

新宿から春色に萌える車窓を楽しむこと2時間ちょっと、これから向かう秘湯への玄関口である鬼怒川温泉駅に到着。SL折り返し用の転車台が設けられた駅前広場では、幾多もの鯉のぼりたちが春の風を受けて気持ちよさそうに泳いでいます。

4月中旬鬼怒川温泉道路を彩る桜並木
バスの時間まで少し余裕があったので、夜のお供を仕入れる前にちょっとだけ周辺散策を。大型ホテルの建つ道路の両側には桜が並び、まさに今が見頃の時期。

4月中旬鬼怒川温泉公園に咲く満開の桜
東京ではもう半月以上も前に散ってしまった桜。それがこのタイミングで満開に出逢えるなんて、ちょっとばかり得した気分。同じ関東と言えど、季節の違いに驚かされます。

4月中旬鬼怒川温泉日光市営バス女夫渕行き
今年二度目の桜を愛で、お土産屋さんで夜のお供を仕入れたところでバスのりばへ。駅前広場左手の1番のりばより、『日光市営バス』の女夫渕行きに乗車します。

4月中旬鬼怒川温泉日光市営バス女夫渕行き車窓から眺める鬼怒川と桜
小さなバスは鬼怒川の温泉街を抜け、東武線に沿って北へと進みます。左手には鬼怒川が寄り添い、岩の凹凸が印象的な流れと艶やかな枝垂桜の競演も。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き車窓から眺める川治温泉と川治湯元駅
新藤原、龍王峡、川治温泉と、鬼怒川線から野岩鉄道に沿って走るバス。いつもは鉄路から眺めている光景を、こうして反対側から眺めているという不思議。2か月前に通った川治湯元駅が、渓谷の先に見えています。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き車窓に広がる五十里湖
川治湯元駅を過ぎてバスは一気に標高を上げ、五十里ダムの造る五十里湖沿いへ。2か月前には凍てついていた湖水も今ではすっかり溶け、豊かな水を満々と湛えています。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き車窓から望む川治ダムからの景色
男鹿川の人造湖である五十里ダムに別れを告げ、葛老トンネルを抜けて川治ダムへ。先ほどまで走っていた鬼怒川の谷が、遥か下界へと遠ざかります。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き車窓に広がる八汐湖
車窓に寄り添う八汐湖は、鬼怒川を川治ダムが堰き止めてできた人造湖。谷一杯に雪どけ時期の水を湛え、春の薄日を受けきらきらと水面を輝かせます。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き車窓から眺める黒部ダム湖
長い長い八汐湖が終わり、再び鬼怒川に沿って進むバス。すると再び黒部ダムを渡り、ダム湖沿いを走ります。それにしてもこの路線、本当にダムの連続。松本から上高地へと抜ける路線と共に、ダム好きにはきっと堪らないことでしょう。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き車窓から眺める雪を冠した山並み
黒部ダム湖を過ぎると山深さは一層増し、遠くには雪を冠し銀に煌めく山並みも。でも終点はまだまだ先。15年ほど前に会社の仲間で通ったときも思いましたが、この先向かう宿までは本当に遠い遠い道のり。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き川俣の集落に残る雪
山深い道を進んでゆくといつしか車窓に民家が増え、川俣の集落へと差し掛かります。ここまで来ると道路のそばにも残雪が。道沿いには、玉石の積まれた古い石垣に建つ家や小さな畑。山中に突如現れた隠れ里といった印象を受けたのは、ここに平家の伝説が残るからなのでしょうか。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き車窓に広がる川俣湖
平家落人の伝説が残る里を抜け、鬼怒川本流の一番奥に位置する川俣ダムへ。この先ダム建設で掘り当てられたという川俣温泉街を進み、終点まではもうあと少し。

4月中旬日光市営バス女夫渕行き終点で加仁湯の送迎バスに乗り換える
鬼怒川温泉駅からいくつものダムを越え山を登ること1時間35分、ようやくこのバスの終点である女夫渕に到着。はやぶさだったら東京から仙台まで行けてしまう時間。いやぁ、関東は広い・・・。

4月中旬加仁湯送迎バス車窓を染める銀世界
女夫渕バス停で宿の送迎バスに乗り換え、さらに山の奥を目指します。ちなみにここから先は、一般車両進入禁止の奥鬼怒スーパー林道を進みます。車で来た人も、宿に向かうにはハイキングコースを歩くか送迎車に乗り換えなければ辿り着けません。

スーパー林道と言えども、路面は未舗装。ガタガタと揺れるバスに身を委ねていると、突如車窓を染める銀世界。その刹那、思わずため息が漏れてしまう。

4月中旬、東京ではすっかり桜も散った時期。麓の鬼怒川温泉では桜が咲き乱れているというのに、ここは未だに冬の名残りをとどめている。新宿を発ってまもなく5時間。経過した時間もさることながら、季節をひとつ遡ってしまったという事実に、関東の広さを改めて思い知らされるのでした。

雪どけ、乳白、きぬの夢。~みちのくより遠い関東へ~
4月中旬奥鬼怒温泉郷ホテル加仁湯夜の露天風呂
2022.4 栃木
旅行記へ
●1日目(東京⇒加仁湯)
 //
●2日目(加仁湯滞在)
 /
3日目(加仁湯滞在)
●4日目(加仁湯⇒日光⇒宇都宮⇒東京)
 /////

コメント

タイトルとURLをコピーしました