晩夏、悠かなる道東へ。~釧路に恋して 3日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

晩夏、悠かなる道東へ。~釧路に恋して 3日目 ③~

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号最後の見学地である阿寒湖温泉に到着 旅グルメ

屈斜路湖から走ること1時間ちょっと、ピリカ号は最後の見学地である阿寒湖温泉に到着。ここでの滞在は2時間程度。13時を過ぎているので、まずはお昼ご飯を食べることに。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号温泉街の入口に位置する阿寒湖アイヌコタン
木彫りの置物がたくさん並ぶお土産屋さんを眺めつつ、温泉街の西側に位置するアイヌコタンへ。コタンとは、アイヌ語で集落のこと。ここでは120人ほどの方が暮らしているそう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖アイヌコタン入口の北国の味ばんや
入口の猛々しいふくろうに圧倒されつつ、すぐ横に位置する『北国の味ばんや』にお邪魔してみることに。ここではアイヌ料理やラーメンがいただけます。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖アイヌコタン入口の北国の味ばんや行者にんにく定食
鹿肉を使ったメニューも食べてみたいけれど、やっぱり僕は大好物の行者にんにくに目が行ってしまう。アイヌネギラーメンも気になりましたが、ここはがっつり好物を味わえそうな行者にんにく定食を注文。

ほどなくして、おいしそうなワンプレートが運ばれてきます。まずは、王道の行者にんにくしょう油漬けから。

まず驚いたのが、その食感。太く長い立派な行者にんにくは、じゃっきじゃきとした心地よい歯触り。嚙めばしっかりとした辛味と豊かな香りが広がり、すっきり濃い目のしょう油味が白いご飯にもクラシックにもドンピシャの旨さ。

そのお隣は、行者にんにくのキムチ漬け。キムチのコクや旨味が行者にんにくの独特な風味をより華やかにし、これまた食が進む旨さ。

合わされたおかずも、どれもおいしい品々。しゃきっとしたれんこんのきんぴらは薄味で、ひじき煮もほっとする優しい味。阿寒湖名物のわかさぎの佃煮がまた旨く、白いご飯がどんどん進みます。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖アイヌコタン民芸品店の前に座る仔鹿
いやぁ、本当に旨かった。東京のスーパーで買えるものとはまったく違う、アイヌネギと呼ぶに相応しい力強さに満ちた行者にんにく。その余韻に浸りつつ、阿寒湖散策へと繰り出します。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖アイヌコタンアイヌ生活記念館ポンチセ
食事時間も含め、阿寒湖で過ごせる時間は2時間。古い時代のアイヌ伝統の家屋を再現した生活記念館も見てみたかったのですが、今回は時間の関係で外観のみ。これはまた、次につながる宿題だな。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖畔から眺める雄大な雄阿寒岳
温泉街へと戻り、遊覧船の幸運の森桟橋の脇から湖畔へ。青く輝く湖水の先には、雄大に裾野を広げる雄阿寒岳の優美な姿が。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号火山活動で生まれたカルデラ湖阿寒湖
この阿寒湖も、火山によって生まれたカルデラ湖。雄阿寒岳や雌阿寒岳の活動で誕生し、雄阿寒岳の噴火により分断され現在の阿寒湖とペンケトー、パンケトーになったそう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖の静かな湖畔を歩く
涼しい湖水の風を浴びつつ歩く、静かな湖畔の道。聞こえるのは葉擦れの音と、岸に寄せる小さな波の水音のみ。こんなところで連泊したら。そんな妄想が頭をよぎる。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号晩夏の青空を受け青く輝く湖
地図で見ると、鶴の羽ばたくような複雑な形をした阿寒湖。進むごとにその表情を変え、さらに先へと歩みを進めたくなる。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖畔で草を食む立派な角を持った大きなエゾシカ
静けさの漂う湖沿いを進んでゆくと、なにやらガサゴソと動く大きな影。あの影は、ぷうさんではなさそうだな。ちょっとばかりビクつきつつ近づいてみると、立派な角をもった大きなエゾシカがお食事中。初めて対峙する生のエゾシカ、この距離感とその迫力に圧倒されてしまう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号鮮烈な緑がうつくしい湖のこみち
湖畔沿いをのんびり歩き、もうひとつの遊覧船のりばであるまりもの里桟橋へ。その脇からのびる湖のこみちへと入れば、あたり一面を包む鮮やかな緑。木々の葉越しに阿寒湖の煌めきを眺めつつ、気持ちのよい散策を愉しめます。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号最後の目的地阿寒湖湖畔沿いの散策路から眺める鮮烈な青さに染まる空と湖水
とはいえ、どうしてもくまさんが気になってしまう。周囲に人がいないことをいいことに、気持ちいいな~、きれいだな~、来てよかったな~と、ぶつくさ大きめの独り言を発しつつ進みます。

でもやっぱり、ここまで歩いてきてよかった。ふと視界が開け、目に飛び込むこの絶景。木々という額縁に収められた、青く輝く阿寒湖とそれを抱く山並み。陰陽の生み出す鮮烈な対比に、思わず深いため息が漏れてしまう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号硫黄臭の漂う阿寒湖畔の泥火山ボッケ
胸を焦がすような絶景に圧倒され、湖畔を離れ森の中へ。するとどこからとなく漂う、硫黄の香り。遊歩道のすぐ近くには、ボッケと呼ばれる泥火山が熱泥や蒸気をボコボコと噴き出しています。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号深い森に抱かれる阿寒湖ボッケ遊歩道
周囲を深い森に覆われ、思わず深呼吸したくなる空間の広がるボッケ遊歩道。先ほどまでの湖畔沿いとはまた違ったうつくしさに目を細めていると、草を食む鹿の親子が。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖畔エコミュージアムセンター
清々しい心もちにさせてくれる森林の遊歩道を進み、阿寒湖畔エコミュージアムセンターに到着。ここは桟橋の近くに位置するため、ぐるりと一回りしてきたことになります。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖エコミュージアムセンター裏口で出迎える木彫りのエゾシカとヒグマ
ミズバショウの茂る湿原側から入ると、まず出迎えてくれるのが木彫りの動物たち。エゾシカやヒグマの活き活きとした表情が再現されています。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖畔エコミュージアムセンターに展示された阿寒湖原産のヒメマス
館内には、阿寒湖の自然に関する展示がずらり。大きな水槽には、元気に泳ぐヒメマスが。現在では様々な湖に移植されていますが、ここ阿寒湖が原産地なのだそう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖畔エコミュージアムセンターに展示される幻の魚イトウ
その隣には、悠々と泳ぐイトウ。絶滅危惧種に指定され、幻の魚の異名を持つ日本では最大の淡水魚。こちらも鮭の仲間で、川から海へと下るそう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖畔エコミュージアムセンターに展示されたまりも
そしてこちらには、阿寒湖といえばのまりもが。手毬のような形で有名なまりもですが、個体としては繊維状。それが湖水を綿のように漂う浮遊型、杭や岩などに付着する着生型、そしてこのように球体になる集合型と、3つの形態をとり生息しているそう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号阿寒湖畔エコミュージアムセンターに展示されたヒグマの剥製
特別天然記念物、阿寒湖の偶然が生み出すまりもの姿をこころに刻み、そろそろバス停目指し戻る時間。その前にとぐるりと館内を見て回ると、巨大なヒグマの剥製が。こんなのに出会ってしまったら、逃げる前に気絶してしまうだろう。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号手軽に阿寒湖温泉を楽しめるまりもの手湯
エコミュージアムセンターで阿寒の自然を学び、温泉街へ。まりもの手湯と名付けられた石の湯だまりには源泉が掛け流され、さらりとした肌触りの阿寒の湯を手軽に楽しむことが。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号青く染まる穏やかな阿寒湖の絶景
昼食含めて2時間足らず、駆け足で愉しんだ初めての阿寒湖。バス停近くの湖畔に腰を下ろし、のんびり眺める青い湖水。

ピリカ号はここで途中下車もできるようだし、今度は違う季節に泊りがけで来てみたい。そんな妄想を抱きつつ、バスが迎えに来るまでこの穏やかな情景を眼にこころに灼きつけるのでした。

晩夏、悠かなる道東へ。~釧路に恋して~
8月下旬初めての釧路ライトアップされた幻想的な幣舞橋とその煌めきをゆらゆらと水面に映す釧路川
2024.8 北海道
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●1日目(東京⇒釧路)
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●2日目(釧路・釧路湿原)
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●3日目(釧路⇒阿寒バスピリカ号⇒東京)
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