阿波から土佐へ初づくし ~四国の未知へいざ行かん 3日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

阿波から土佐へ初づくし ~四国の未知へいざ行かん 3日目 ③~

11月上旬初めての高知お堀越しに高知城天守と追手門を望む 旅グルメ

高知城に色濃く残る藩政時代の空気感に圧倒され、その余韻を抱きつつそろそろ空港へと向かうことに。その前にもう一度だけ、この威容を眼にこころに灼きつけます。

11月上旬初めての高知山内一豊公銅像
お堀のそばには、初代藩主の山内一豊公の銅像が。こうしてようやく訪れることができ、短い時間ながらもその魅力を感じることができた高知の街。再び戻ってくることができるよう、その雄々しい姿に再訪の願いを託します。

11月上旬初めての高知高知城前電停に入線するとさでん交通3000形ハートラムⅡ
MY遊バスのほかに、とさでん交通路面電車の市内区間が乗り放題となる一日券。せっかくなのでここから駅まで、ちょっとばかり路面電車の旅を愉しむことに。

11月上旬初めての高知とさでん交通路面電車3000形ハートラムⅡから望む高知の繁華街
高知城前電停から、新型のハートラムⅡに乗車。路面電車ならでは、大通りの中心から望む独特の車窓。車と並走しつつ昨日ほろ酔い気分で歩いた街並みを眺めれば、まだまだ離れがたいという欲張りな気持ちが湧いてしまう。

11月上旬初めての高知はりまや橋電停で乗り換えとさでん交通路面電車600形で高知駅前へ
はりまや橋電停で南北を結ぶ路線に乗り換え、高知駅前へ。次に来たのは、とさでん交通の主力である600形。歴史を感じさせる車窓越しに望む、土佐鶴のネオン。白昼夢のように過ぎゆく姿に、昨夜の煌めきを重ねてみる。

11月上旬初めての高知就役後60年以上を経た歴史を感じさせるとさでん交通600形路面電車車内
就役後、60年以上もこの街を行き来してきたこの車両。足元から響く吊り掛けモーターの唸り、併用軌道上を揺れながら走る無骨な乗り心地。良い。やっぱり良い。古き良き路面電車の正しき情緒に、旅の最後が彩られる。

11月上旬初めての高知とさでん交通高知駅間電停に到着した四国銀行トムとジェリーのラッピングがされた600形
あっという間の路面電車の旅を終え、高知駅前電停に到着。ほらやっぱり、僕の経験則は間違いではなかった。路面電車の走る街は、いい街だ。その記憶のひとつに高知を深く刻み、再訪を誓いつつこの街に別れを告げます。

11月上旬初めての高知高知駅バスターミナルから高知駅前観光の空港連絡バスに乗車し高知龍馬空港へ
高知駅前バスターミナルからは、2社の空港連絡バスが運行。時刻表は統合されておらずぱっと見分かりにくいのですが、両社を合わせると結構な頻度で運行。ちなみにターミナル内の券売機も別になっていますが、乗車券はどちらの会社でも使えるので安心。

11月上旬初めての高知高知駅前観光空港連絡バス車窓から眺める最後のはりまや橋交差点
高知駅前観光』のバスに乗り込み、あとはもう空港を目指すだけ。何度味わっても、この瞬間は寂しくなる。旅の終わり特有の感傷に浸り、幾度も行き来したはりまや橋交差点を眺めます。

11月上旬初めての高知高知龍馬空港へのバスから望む五台山
バスは市街地を抜け、車窓にはのどかさを感じるように。温暖な南国土佐を思わせる、温かな午後の西日。秋空の下横たわる五台山の姿に、濃厚だったこの半日を反芻する。

11月上旬初めての高知西日に染まる高知龍馬空港
高知駅から走ること30分ちょっと、空の玄関口である高知龍馬空港に到着。バスの本数も多く、市街地ともこの距離感。鉄道好きではありますが、高知を訪れるなら飛行機が便利だな。

11月上旬初めての高知高知龍馬空港の案内板に書かれた四国らしいお遍路着替えコーナー
少し早めのバスに乗ったため、飛行機まではまだまだ時間たっぷり。外観を撮影しそろそろ空港内へと思ったところ、案内板におもしろい表記が。お遍路着替えコーナー、四国らしいな。

11月上旬初めての高知高知龍馬空港の出入り口に立つ坂本龍馬像
本当に、今回の旅は偶然だった。あの日飛行機のセールに気付かなかったら。破格の航空券を活用することに囚われ、ダイナミックパッケージのページを開けてみなければ。だからこそ、阿波と土佐の地に呼ばれたのだと思いたい。

11月上旬初めての高知司高知空港店
空港でお土産を見て回り、17時前に早めながら夕食をとることに。空港内には郷土の味を楽しめるお店が2つありますが、今回は『司高知空港店』にお邪魔することに。

11月上旬初めての高知司高知空港店うまかつお土佐天さば三色寿司
はりまや橋近くに本店のある、創業100年以上という歴史をもつ土佐料理のお店。色々と食べたいものがあったのですが、ボリューム満点のお昼がまだ存在感を放っていたため厳選したこの3品を注文。

帆立型をした熱々の土佐天は、ぷりぷりとした食感と甘味を感じる上品なすり身の旨味。その上のそぼろ状のものは、ほぐした鰹をにんにく風味で味付けしたうまかつお。しっとりとした食感と凝縮された鰹の味わいは、お酒のみならずご飯にもばっちりの旨さ。

司名物だという鯖寿司は、三色の盛り合わせで。西日本であることを感じさせる塩〆のさば押寿司は、ほどよく脂ののったさばの旨味とゆずの効いた酢飯が好相性。焼さば寿司はしっかりと香ばしく焼かれ、炙りとはまったく異なる存在感。

そして僕の一番のお気に入りだったのが、さば押寿司高菜巻。もっちりとした酢飯、そこに旨味を与えるさば。それらを塩気のある高菜の葉がまとめ、しゃきしゃきとした青菜の風味が堪らない。

11月上旬初めての高知高知龍馬空港送迎デッキに掲げられた英字サイン
青のりの天ぷらや鰹の心臓であるちちこなど、他にも気になるものはたくさん。でもまあいいや、また来ればいいんだから。今回初めて知ることのできた、高知の魅力。そんな街には、少しばかり心残りがあったほうがいい。それがまた次来るための、口実になるのだから。

11月上旬初めての高知高知龍馬空港に到着するANAB737型機羽田空港行き
今回も、本当に善い旅だった。いつかはと思いつつ、これまで訪れる機会のなかった徳島と高知。その2県を結ぶ道中には、あまりにも新鮮で濃密な初めてが詰まっていた。

これだから、旅は病みつきになる。これまで訪れたことのある、讃岐と伊予。そして今回初めて辿った、阿波から土佐への旅路。これでようやく、四国全県に触れることができた。そして思う。この島は奥が深すぎる、と。

穏やかな瀬戸内海に黒潮流れる太平洋、そして内陸は想像以上の山深さ。これはもう、またここへと戻ってくるしかない。人生半ばにしてようやくスタートラインに立てた気がする、四国という大地への旅。パンドラの箱を開けてしまったという悦びに胸を震わせ、羽田へと戻る全日空機に乗り込むのでした。

阿波から土佐へ初づくし ~四国の未知へいざ行かん~
11月上旬初の徳島眉山から望む四国山地へ落ちる夕陽
2024.11 徳島/高知
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●1日目(東京⇒徳島)
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●2日目(徳島⇒大歩危⇒祖谷⇒高知)
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●3日目(高知⇒東京)
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