特別急行で、いつもの先へ。~諏訪路を染める金と銀 2日目~ | 旅は未知連れ酔わな酒

特別急行で、いつもの先へ。~諏訪路を染める金と銀 2日目~

1月中旬横谷温泉旅館で迎える爽やかな朝 旅の宿

蓼科で迎える穏やかな朝。昨日から降り続いていた雪も上がり、空にはすでに晴れの気配が宿るかのよう。その爽やかさに居ても立ってもいられず、早速朝風呂へと向かいます。

1月中旬横谷温泉旅館白銀に染まる渓谷美
2つある大浴場は夜に男女入れ替え制。この時間帯は、一面の雪景色を前に広々とした岩風呂のひろがる渓流露天が男湯となっています。

横谷温泉には黄金色に輝く含鉄泉と炭酸ガスの溶け込んだ無色透明の源泉の2種類があり、それらを混合して使っているのだそう。その割合の関係でしょうか、渓流露天風呂の方はほんのりと濁りが感じられる程度。その分浴感は穏やかで、しっとりと馴染むような優しい肌触りを味わえます。

1月中旬横谷温泉旅館1泊目朝食
大きな湯船に揺蕩い、飽くることなく湯けむり越しの雪景色を愛でるひととき。そんな旅の朝ならではの贅沢に身を委ねていると、あっという間に朝食の時間に。

焼鮭に煮物、湯豆腐にしらすおろし。これぞ和の朝食という品々と共に味わう、ほかほかのご飯。朝からたっぷりと湯に浸かった心身に、そのおいしさがしみじみと染みてゆきます。

1月中旬横谷温泉旅館湯上りの冷たいビール
満腹になったお腹を落ち着け、再びお風呂へ。大浴場は9時から13時までお休みなので、その前にと午前中最後の湯浴みを楽しみます。体の芯まで温もりを宿し、煌めく銀世界に目を細めつつ飲むいけない昼ビール。あぁ、堪らん。これだから連泊はやめられない。

1月中旬横谷温泉旅館大きな窓に映る銀世界を愛でつつ日向ぼっこ
昼過ぎまで、もう何もすることがない。そんな贅沢な余白の中、大きな窓から溢れる銀世界と温かな陽射しに包まれる心地よさ。これほどまでに至福の日向ぼっこを、僕は未だかつて経験したことがない。

1月中旬横谷温泉旅館昼の白銀のお供に神渡純米生貯蔵酒氷湖の雫
空調を消してもなお、部屋全体を包む太陽の温もり。気づけば微睡み、夢と現の世界を行ったり来たり。そんな穏やかな怠惰をより一層彩るべく、これまたいけないお昼の供を開けることに。

輝く白銀つまみに飲むのは、岡谷は豊島屋の神渡純米生貯蔵酒氷湖の雫。低温貯蔵した生酒を出荷前に一度だけ火入れしたというお酒は、その名の通りフレッシュさときりっとしたキレの良さを感じさせるおいしいお酒。

1月中旬横谷温泉旅館楽しい怠惰はあっという間に過ぎ夕暮れ時に
昼酒をほんのりと味わい、気が向いたら黄金に染まる湯へ。そんな連泊の甘美に酔っていると、もう気づけば夕暮れ時に。何故こうも、愉しい時間というものは早く過ぎ去ってしまうのだろう。いつもながら永遠に答えの出ないこの疑問に、思わず首を傾げてしまう。

1月中旬横谷温泉旅館夕刻の貸切露天風呂雪あかり
そして今宵も、貸切露天風呂で金の湯を独り占め。今夜は向かって右側の雪あかりへと入ります。視界を覆うほど、もうもうと立ちこめる湯けむり。冷たい風にそれが消し去られた刹那、眼前に現れる紺に染まる白銀の世界。

1月中旬横谷温泉旅館貸切露天風呂析出物の付いた湯口
迫力ある色彩の対比を生み出す、黄金色に輝く横谷の湯。湯舟全体が鉄色に染まり、湯口に付く析出物からもその濃さが伝わるかのよう。

1月中旬横谷温泉旅館貸切露天風呂で黄金の湯に浸かりながら眺める夜の銀世界
肌に感じる濃厚な力、鼻をくすぐる鉄の香り。頬を冷たい風に吹かれながら、ただひたすらに眺める夕刻の雪景色。これを贅沢と言わずして、何を贅沢と呼ぶのだろうか。今は何も考えず、ただこの幸せに染まっていたい。

1月中旬横谷温泉旅館2泊目夕食
金泉独り占めを満喫したところで、あっという間にもう夕食の時間に。今夜もおいしそうな品々が並びます。色々な味を少しずつ楽しめる前菜に、柔らかい中にも牛の旨味が詰まったローストビーフ。お刺身にはぼたんえびや中とろが盛り込まれ、今夜もやっぱり地酒が進みます。

1月中旬横谷温泉旅館2泊目夕食蟹つみれのおすまし
続いて運ばれてきたのは、蟹のつみれのおすまし。優しい味わいのおだしとともにふんわりとしたつみれを頬張れば、お腹の底から温めてくれるよう。

1月中旬横谷温泉旅館2泊目夕食天ぷら
そして今夜は揚げたての天ぷらが。海老や舞茸、かぼちゃといった王道の素材のほかに、信州らしくりんごも天ぷらにされています。

1月中旬横谷温泉旅館2泊目夕食鮟鱇鍋
ぐつぐつと煮える小鍋は、鮟鱇鍋。ほろほろとした白身から染み出る魚の旨味を、野菜がたっぷりと纏っています。そして何より、味噌のつゆが旨い。信州は味噌の国だなと、ひとり深く納得してしまいます。

1月中旬横谷温泉旅館2泊目夕食信州くるみ蕎麦
続いて茹でたてを運ばれてきた十割そば。今夜はつゆにくるみだれが添えられており、それを溶かして啜ればコクのある豊かな山の味が広がります。

1月中旬横谷温泉旅館雪の夜景と大きなつらら
最後はご飯と信州味噌の赤だし、デザートで〆て大満足で部屋へと戻ります。会場を出ると、窓に広がる夜の銀世界。屋根から垂れる大きなつららはライトに煌めき、その寒さを一層演出するかのよう。

1月中旬横谷温泉旅館夜のお供に麗人純米吟醸
バルコニーの灯りのみで過ごす、静かな夜。後はもう、お酒とお湯に身を任せるだけ。そんな時間のお供にと選んだのは、諏訪の麗人酒造の醸す麗人純米吟醸。口に含めばふくよかな味わいの広がる、これまたおいしいお酒。さすがは酒処信州、何を飲んでも間違いない。

1月中旬横谷温泉旅館漆黒の闇に浮かぶ白銀の世界
黄金の湯の余韻に浸りつつ眺める、夜闇に浮かぶ銀世界。新宿からたった2時間ちょっとの場所に、こんな凍てつく夜があったなんて。自分の街の延長線上に眠る冬景色に、ひとり静かに染まってゆくのでした。

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