筆島より来た道を引き返して一周道路を進み、昔遠洋漁業の基地として栄えた波浮港を一望する展望台へ。
きらきらした湾沿いに昔ながらの民家や漁船が並んでいます。その眺めは、まるで箱庭を見ているかのように穏やかで完結された美しい風景。
波浮港を出発しひた走ると、島の西側エリアへと突入。こちらは地形的にも比較的穏やかで、民家もたくさんあります。
さっきまでの荒涼とした雰囲気から一変します。このメリハリが大島の魅力の一つかも。
一周道路から海を見下ろすと、長~い黒~い砂浜が広がっていました。
本州の茶やグレー、白といった砂浜を見慣れていると異様な光景に映りますが、青い海と白い波とのコントラストがとっても美しい。大島ならではのオンリーワンの風景です。
一周道路を元町へ向けて更に北上していると、こんなダイナミックなパノラマが目に飛び込んできます。
これが有名な「地層切断面」で、都道を整備する際に切断した法面を、そのまま保存したもの。きれいなバームクーヘンが1km以上続いています。
重なり合う地層を良く見ると、所々黒い層が挟まれており、それは大噴火があったことを物語っています。自然のパワーに圧倒され、言葉を失い見とれてしまいました。
この先しばらく走り、島一番の市街地である元町地区へと到着。役所や商店、スーパーがあります。
時間はまだ8:30。チェックインまでまだまだ時間もあるし、早朝から走ってきた体を休めるために温泉へ入ることにしました。『御神火温泉』という公営の温泉施設です。
この施設は、東京からの夜行便が運航される日は6:30から営業するという、船で到着して街が動き出すまで時間をもてあましてしまう旅人にはうれしい施設。
大浴場のほかに、レストランと畳の広間があります。温泉はナトリウム-塩化物泉で無色透明無臭。伊豆の温泉に似ています。
大浴場には大きい湯船と寝湯、サウナ、水風呂がありますが、せっかくの海に面した広い窓の下半分をすりガラス風シートで隠してしまっているので、全く眺望はありません。もったいないなぁ。
雰囲気としてはよくあるスーパー銭湯風ですので、ガッツリ温泉メインというのではなく、一っ風呂浴びて、座敷でごろ寝し寝不足解消してから観光へ出掛ける、みたいな使い方に適しているように感じます。
僕もここで火山博物館が開館する時間まで、のんびりとさせていただきました。
御神火温泉で寝不足解消しすっきりした僕は、近くのビーチへと立ち寄って見ました。弘法の浜海水浴場です。
黒い砂にシュロの木、うねりの強い青い海という景色です。大島は波やうねりが強く、遠浅ではないので遊泳には不向きかもしれません。この日も遊泳禁止の海水浴場がありました。
ですが人も少なく、それなりに広さもあるので、ビーチで日焼けして暑くなったら海へ浸かる、というのんびりした時間を過ごせそうです。
元町より少し波浮港寄りに戻ったところにある『火山博物館』です。中には伊豆諸島を始め、日本や世界の火山について展示されています。
5歳のときに三原山が噴火しその映像をニュースで見て以来、噴火を見ると怖いながらもなんとも言えないドキドキ感に襲われる僕。
中の展示物に見入ってしまい、気づいたら1時間以上も過ごしてしまいました。興味の有無にもよりますが、活きた火山のある街にあるからこその説得力のようなものがあります。
大島空港の近くに宿をとった僕は、元町から「サンセットパームライン」という海沿いを走る道で北上することに。本当の波打ち際を走ります。
アップダウンも少なく快適に走れる道で、サイクリングにはうってつけ。
名前の通り、夕日の時間にはきれいな景色が広がるんだろうなぁ。今度はその時間帯に走ってみたいものです。
途中、世にも珍しい溶岩の切り通しが出現。大島と溶岩は切っても切り離せません。
道路の横にも溶岩が流れてきた跡が多数あり、噴火の真っ最中を想像すると恐ろしくなります。
この日は全部で60kmほど走り宿へとチェックインしました。
思った以上のアップダウンの連続に、早くも太ももとふくらはぎはパンパン。大島での60kmは、東京近辺の100km以上のハードさでした。
自分の不甲斐なさに情けなくなるとともに、明日の三原山アタックへ不安を残しつつバタンキューと就寝しました。
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