新緑浴 ~若葉の岩手はまぶしくて 1日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

新緑浴 ~若葉の岩手はまぶしくて 1日目 ①~

5月上旬曇天の東京駅赤レンガ駅舎 旅行記

5月上旬、ゴールデンウイークの夢から醒めた東京駅。サラリーマンの行き交う平日らしい景色の中、僕はこれから旅に出る。さあこれから、僕のちょっと遅い、そして短い黄金休日が幕を開けます。

5月上旬曇天の東京駅東北新幹線ホームE5系やまびこ号盛岡行き
目指すは花巻、愛する地。山の湯の良さを教え、湯治宿の魔力を知らしめ、そして決して脱することのできぬ沼へと誘った、ある意味僕の人生を変えた魅惑の湯の町。

5月上旬曇天の東京駅E5系やまびこ号盛岡行き東京駅を出発しサッポロ黒ラベル金星で旅立ちの祝杯を
これまで幾度も訪れた花巻南温泉峡ですが、今回は初めての温泉に宿泊することに。大好きな2軒の湯治宿に挟まれるように位置する、未開の地。まだ見ぬ湯への期待を胸に、輝く金星で旅立ちの祝杯に溺れます。

5月上旬曇天の東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き鉛色の荒川を渡り無事東京脱出
みんなゴールデンウイークに出かけてしまったからだろう、今日は駅も車内も至極平和。こんな平穏な旅立ちはいつ以来だろうか。そんなゆるやかな空気感とビールの味わいに揺蕩っていると、やまびこ号は鉛色の荒川を越えて無事東京脱出。

5月上旬東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き車内のお供に駅弁倉敷小町(春)
いつもは揉みくちゃにされボロボロになる駅弁屋祭も、今日は奇跡的にゆったり選べるほどの余裕が。そうすると、これまであまり目に入らなかったものも見つけられるように。

普段はこれから向かう旅先を意識した地方の駅弁を買うことが多いのですが、この春らしい佇まいが何となく気になり思わず購入。ということで今回は、岡山市は三好野本店が調製する倉敷小町(春)を頂きます。

5月上旬東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き車内のお供に駅弁倉敷小町(春)中身
箱を開けると、何とも嬉しい二段重。早速岩手の地酒南部美人を開け、それとは逆方向となる西日本の味の旅へ。

まずはおかずのたくさん詰まった上段から。右上は、ママカリ酢漬けと大根ごま酢和え。ママカリは酢〆ならではの凝縮された滋味深さ、それを支える大根も程よい甘さとシャキシャキ感。お隣の鶏の照り焼きも、甘さ控えめで鶏肉の旨味や香ばしさの際立つ絶妙な塩梅。

厚焼き玉子は、ふんわりとした食感と甘じょっぱさが嬉しいおいしさ。その下のひじきと野菜煮にはアミエビが加えられ、濃い旨味の詰まった仕上がりに。鰆の白醬油焼きは上品ながらきちんと感じる塩気が魚の味わいを活かし、ほっくりしっとりとした凝縮感は駅弁であることを思わず忘れてしまいそう。

なんだよこれ、一口ごとに愉しすぎるぞ。駅弁として奇をてらわない献立ながら、どれもが僕にとって新鮮な味付けばかり。久々に再会する西日本の味覚に嬉しくなり、続いて下段へ。

たっぷりと詰められているのは、瀬戸内といえばのたこ飯。これまた薄口の上品な塩梅ですが、お米がしっかりとたこの旨味を抱いています。乗せられたたこ唐揚げは一転してしっかり目の味付けで、この味の緩急の組み合わせがまたにくい。

添えられた煮物も素材の味を感じられる味わいで、おかずとご飯に合わせて南部美人が進むのなんの。最後はきなこの香ばしさ漂う岡山らしいきびだんごで〆て、大満足で蓋を閉じます。

5月上旬曇天の東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き車窓には雲に隠れる那須の山並みと田植えを終えたばかりの田んぼ
食文化とはよく言い表したもので、本当にその土地土地によって変わるもの。自分の生息圏外の新鮮味に心躍らせ昼餉を終えると、やまびこ号ももうすぐ僕の生活する関東の圏外へ。

5月上旬東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き車窓から望む残雪頂く安達太良山と吾妻連峰
どんよりとした雲のかぶさる那須の山々を見送り、いよいよ愛する東北入り。そんな僕のこころを映してか雲も切れ間が見えはじめ、残雪を頂く安達太良山から吾妻連峰へと続く山容を一望のもとに。

5月上旬曇天の東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き車窓から眺める蔵王山
初夏らしい息吹きの薫る車窓を飽くることなく眺めていると、長いトンネルで福島盆地の縁を貫き宮城へ。いつもは雲に隠れがちな蔵王も、今日はその雄大な姿を見せてくれています。

5月上旬曇天の東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き車窓に広がる田植えを待つ水をはられた美しい田んぼ
仙台を過ぎ、一歩一歩着実に北上を続けるやまびこ号。同じ鉄路をなぞっているはずなのに、速度が変わればこうも違って見えるものか。はやぶさ号の疾走感もさることながら、やまびこ号の終着地を目指して駆けているこの感覚もまた僕は好き。

5月上旬曇天の東北新幹線E5系やまびこ号盛岡行き車窓から望む田植えに向け農作業中の田んぼ
白銀に染まる冬、雪が融け地面が顔を出す若い春。夏には力強い緑が田んぼ一面に溢れ、秋にはその集大成である豊かな稲穂が黄金に染める。

春夏秋冬、日本の原風景を今なお色濃く残す東北新幹線の車窓の旅。そして今、眼前に広がるのはこの時期ならではの実りへの準備。田植えに向け働くトラクターたちの姿に、東北の地の豊かさを改めてしみじみと噛みしめるのでした。

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