新緑浴 ~若葉の岩手はまぶしくて 2日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

新緑浴 ~若葉の岩手はまぶしくて 2日目 ②~

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑眩いほどの新緑と初夏の青空 旅の宿

おいしいお昼を食べ、窓辺のベッドで落ちゆく怠惰。そんなこの上ない至福に彩りを添える、零れんばかりの眩さを放つ緑の若さ。さあまた新緑と湯を浴びに、広い露天にでも向かおうか。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑湯上りの肌に畳の心地よさを感じながらぼんやり過ごす午後
硫黄が香るとろみのある湯が、滔々と掛け流される巨大な露天。独り占めするにはもったいないほどの開放感に身を委ね、じっくりじっくり味わう至福。湯上りの肌に畳の心地よさを感じつつ、何をするわけでもなくただぼんやりと過ごす静かな午後。幸せって、きっとこういうことを言うのだろう。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑湯上りに味わうサッポロラガー瓶ビール
いくらあっても持て余すことのない、連泊ならではの贅沢な暇。今度は水盤のようなうつくしさをもつこもれび乃湯に身を沈め、火照ったところで喉へと流す赤い星。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑サッポロラガー赤星を呑みながら浴びる新緑の贅沢
昨日とは打って変わって、今日は汗ばむくらいのカラッとした陽気。窓を開ければ涼風とともに川音が部屋へと流れ込み、ラガーの清涼を一層味わい深いものにしてくれる。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑で迎える2泊目の夕暮れ
こんな時間がいつまでも続いてくれたなら。そんな願いが叶わないことくらい知っている。そしてそれが有限だからこそ、尊いものだということも。愉しい時間というものは、あっという間に過ぎてしまう。気づけば辺りは暗くなり、夕餉の時が近いことを知らせるよう。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑2泊目夕食
さて今夜は、一体どんな美味が待っているだろう。そう期待しつつ食事処へと向かうと、食卓にはおいしそうな品々が並んでいます。

まずは前菜から。ピース豆腐は豆のほっくり感と優しい風味が活かされ、うるいと浅蜊の梅肉和えは季節を感じさせる風味の良さ。葉山葵浸しには蛍烏賊といくらが合わせられ、爽快な辛味に海の味わいが相性ぴったり。炙り蛸や鯛のお造りもおいしく、序盤から地酒がどんどん進んでしまいます。

岩手のブランド豚である白金豚は、今宵は陶板焼きで。野菜の上でじっくりと焼いたばら肉は、白身の良さを最大限に味わえる豚好きには堪らない旨さ。合わせるポン酢ソースがまたおいしく、猫舌ながらはふはふと焼き立てを食べる手が止まらない。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑2泊目夕食蒸し物蟹餡かけ茶碗蒸し
地酒片手に手の込んだ品々を味わっていると、熱々の蒸し物が運ばれてきます。今夜は蟹餡かけ茶わん蒸し。ふるふると上品なだしと卵の味わいに、華やかさを添える蟹の風味。乗せられた陸前高田の北限のゆずがまた香りよく、お腹も心も芯からじんわり温めてくれるよう。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑2泊目夕食焼物鰆塩焼とこしあぶら天婦羅
続いても出来立ての焼き物が。鰆塩焼は、ほっくりと凝縮感ある滋味深い味わい。焼筍に木の芽味噌を付けて頬張れば、ふわっと春が鼻へと抜けてゆく。そして嬉しいのが、こしあぶら天婦羅。からりさっくりと噛んだ瞬間、口中に広がる山の香り。やっぱり東北は、山菜だよ。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑2泊目夕食煮物鮃卸煮
春に満ちたひと皿に歓喜しつつちびちび呑んでいると、続いて煮物が運ばれてきます。蓋を開けると、ふわっと漂うだしの香り。ひらめに豆腐やうど、ひき肉を挟んだれんこんが揚げ出し風に仕立てられ、上品な味わいに旨い旨いと頷きながら箸が進みます。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑2泊目夕食花巻産雑穀ご飯
そして今夜の〆は、卓上で炊き上げる花巻産雑穀ご飯。熱々をひと口頬張った刹那、脳へと走る軽い衝撃。何これ、なんでこんなに甘いの?白米の粒立ち、雑穀の濃い甘さやほんのりとした香ばしさ。ちょっとこれ、凄すぎる。

そのままでおいしい雑穀ご飯ですが、添えられた八幡平粘り芋の雲丹乗せとろろを掛ければまた絶品に。もうやだこれ、お茶碗5杯くらいたらふく食べたい。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑ロビーの見事な折り上げ格天井
いやぁ、今夜も全部旨かった。お腹もこころも満たされ、大満足で食事処を後にします。そして目を愉しませてくれるのが、この見事な建築美。迫力ある折り上げ格天井に、飽きもせず通るたびに圧倒されてしまう。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑夜のお供に浜千鳥純米酒
あとはもう、残された夜を噛みしめ静かに過ごすだけ。そんな穏やかな時間のお供にと選んだのは、釜石の浜千鳥純米酒。酸味や旨味のバランスが良く、飲み飽きしない好きな酒。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑夜空に輝く北斗七星
お酒にほんのり火照ったら、涼しい夜風の吹くとよさわ乃湯へ。巨大な露天に身を沈め見上げれば、空に輝く北斗七星。今日一日、本当によく晴れてくれた。だからこそ、朝昼晩と様々な輝きに触れることができた。

5月上旬花巻南温泉峡山の神温泉優香苑夜のお供に酔仙岩手の地酒特別純米酒
萌える季節の東北は、やっぱり格別だ。この季節ここに来て、本当に良かった。そう思わせてくれる一日の〆に味わう、旨い酒。

陸前高田の酔仙酒造が醸す、岩手の地酒特別純米酒。震災前から好きで飲んでいるお気に入りのお酒片手に、ぼんやり見上げる格天井。

現代の宮大工の技が込められたこの宿は、50年、100年と残ってもらいたい。見ることの叶わぬ1世紀後の飴色に思いを馳せ、改めて木造建築の魅力にこころ奪われるのでした。

★山の神温泉優香苑のプランを探す
じゃらん/楽天/るるぶ

新緑浴~若葉の岩手はまぶしくて~
5月上旬新緑の岩手金ヶ崎萌える新緑に埋もれるようにして佇む侍屋敷大松沢家
2024.5 岩手/宮城
旅行記へ
●1日目(東京⇒山の神温泉)
 /
●2日目(山の神温泉滞在)
 /
●3日目(山の神温泉⇒花巻⇒金ケ崎⇒仙台⇒東京)
 ///

コメント

タイトルとURLをコピーしました