今回は、夏バテ気味の自分にごほうび、ということで伊香保へ日帰り旅行をしました。
写真は高崎線グリーン車車内。上野から高崎までは高崎線普通列車を利用しました。
朝食の缶チューハイとサンドイッチを買い込み(チューハイが朝食の一部かよっ)、いざ高崎線ホームへ。
時は朝ラッシュ真っ只中。入線してきた列車は、籠原で切り離す前方の車両しかクロスシート(向かい合わせの座席)が連結されておらず、高崎まで行く車両はオールロングシート。
これじゃ朝食とれないじゃん!ということで奮発して高崎までグリーン車950円の旅。普通列車のグリーンは設備的に言うと特急の普通車レベル。充分快適な旅を楽しめます。
首都圏の普通グリーンは2階建てが基本。2階に座ると眺めのいいこと。静かで快適な車内空間です。
途中大宮で出勤途中のサラリーマンの列を見下ろし(みんなが休みの時に働いてるんだからバチ当たらないよね!?)、その先にある工場からの眺め。
僕の年代より上の方には懐かしい画じゃないでしょうか。国鉄(古っ)の特別急行列車はみんなこの色でした。国鉄標準色です。だれが考えたのかわかりませんが、傑作です。
僕はこの色を見ると今でも三鷹駅(生まれ故郷)に停車した「特別急行かいじ」号を思い出しテンションがあがります。
濃いベージュのデッキから重い銀色の引き戸を開けて入れば、乾き物の匂いが充満した車内。
そこには起こすか倒れるかの2通りしかない紺色の2人掛けシート。僕の小さい頃まではそれが当たり前でした。それ以上も望んでいない、実に平和な頃。
形式の違いは数あれど、双子のようにそっくりな多系列のこの「顔」をした特急型は全国津々浦々で特別急行として任務を全うしましたが、今では後輩にその座を譲らざるを得なくなってきています。
この国鉄標準型といえる特急車両の活躍を見ることができるのも後ちょっと。またひとつ小さい頃の思い出が消えてゆきます。
そして熊谷へと到着。車窓からは秩父鉄道の急行列車、「秩父路」に使用される車両を垣間見ることができました。
ちちてつは関東でも早くにSLを復活運転させた路線。何度か乗りに行きました。
普通グリーンは自由席です。籠原を過ぎたあたりから、お隣にとってもせわしない同系列趣味の方が乗ってきたので、たまらず席替え。
前方の車両に移動すると、そこは珍しい平屋建てのグリーン車。湘南新宿ラインを筆頭に、首都圏のグリーンは2階建てが基本となっています。
その中でこの平屋建てグリーンは、古き良き東海道線のグリーンの雰囲気を後世へと伝える存在です。
そして高崎からは、臨時快速「SL水上号」に乗車し伊香保の玄関口、渋川へ。
実は朝早く目覚めた僕がどうやって伊香保まで行こうかと、携帯のナビサイトを調べていたところ、この列車の運行を知ることに。
当初は往復高速バスを予定していましたが、もちろん企画変更!SLに乗らない手はありません。
上越線エリアはこのD51498(デゴイチ)がよく登場します。2ヶ月前にC57に乗ってきた僕にとってはかなり無骨な印象。
ボイラー太っ!動輪小さっ!もともと貨物向けに造られた馬力重視の車体は、その特性通りの見た目です。
この男らしさがかっこいい。デゴイチは日本で一番多く作られたSLですから、その性能には定評があったのでしょう。
今回SLが引っ張るのがこの12系客車。以前ばんえつ物語号でご紹介した客車と同系列ですが、こちらは国鉄時代のまま。懐かしい方には懐かしい光景だと思います。
写真は渋川駅到着後ですが、ほんのちょっと前まで、日本の鉄道はこのような客車を機関車が引っ張るといった風景が当たり前に見られたんですね。
もっとも、世界ではまだこの動力集中式と言われる、機関車が牽引する方法が主流です。いかに日本が鉄道先進国かわかりますね。
そして12系車内がこれ。もう見たまんま、国鉄です。青いボックスシートが懐かしい限り。生まれも育ちも東京の僕にとっては、これこそが遠くへ来た証でした。
車内では記念乗車証の配布やグッズの販売が行われ、夏休み時期と重なりちびっこで賑わっていました。
そんなこんなで伊香保の玄関口、渋川駅へと到着。ここから『関越交通』の路線バスに揺られること20分程度で伊香保温泉へと着きます。
伊香保といえば石段の温泉街。日本で初めての都市計画温泉街とのこと。石段の途中には各旅館へ配るための温泉の樋をガラス越しに見ることができます。
石段沿いにはレトロな雰囲気が漂うお土産屋さんや酒屋さん、射的場が軒を連ねています。
これが石段上からの眺め。伊香保の温泉街と、山ろくの渋川の街並みまで眺めることができます。すごい開放感。気持ちがとても良い眺め。
石段を登り詰め、露天風呂を目指し更に奥へと行くと、途中に飲泉所があります。赤茶けた伊香保のお湯を飲むのはちょっと勇気がいるなぁ。
そして登りを制覇すると名物露天風呂へと到着。施設の一角に2号源泉が湧き出ていました。
ガラスのドームの下からは、こんこんと絶え間なく源泉が湧き出ていました。これが各旅館へと配湯されるんですね。
こちらが今回お目当ての露天風呂。公共の施設なので湯船のすぐ隣が脱衣スペース兼ロッカーといった造り。それがまた昔からの温泉地に来たという雰囲気を醸し出します。
お湯は伊香保の赤茶けたお湯。泉質はというと・・・、控えるのが面倒になるくらいいろいろな成分が入っていたので今回は割愛させていただきます。詳しくはネットでお調べください。(泣)
まぁ、伊香保は有名な温泉なので、いまさら僕が解説する必要も無いでしょう。
湯船は馬蹄型の真ん中を半分で仕切った形で、源泉投入側が熱湯、その隣がぬる湯となっています。結構広いので好みのポジションでのんびり楽しむことができます。
温泉も満喫し、温泉街も散策したところで帰路へとつきました。帰りは乗り換え無しで便利な高速バス。今回は「上州湯めぐり号」というバスを利用しました。
新宿から伊香保・川原湯を経て草津までを結ぶJRバス関東が運行するバスです。定時で行けば伊香保から新宿へは2時間強で到着します。
夏の暑い時期にあえて温泉で汗を流してリフレッシュ、短いですがいい夏休みを過ごすことができました。
今回はいろんな要素を取り入れることができた日帰り一人旅でした。満足、満足。
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