ゆるり、ひとり熱海。~やったぞ初のグランピング 3日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

ゆるり、ひとり熱海。~やったぞ初のグランピング 3日目 ①~

5月末初夏の熱海伊豆山ゆとりろ熱海グランピング住箱で迎える雨の朝 旅の宿

住箱で迎える雨の朝。それにしても、ひと晩中強い雨と風だった。今日は熱海を歩く予定。この先止んでくれればいいのだが。そんな淡い願いを抱きつつ、部屋に備え付けの傘をさして朝風呂へと向かいます。

5月末初夏の熱海伊豆山ゆとりろ熱海グランピング2泊目朝食
湯上りの汗を引かせたところで、そのままレストランへ。席に着くと、昨日とは打って変わって和の朝食。卓上で炊きたての土鍋ご飯をよそい、わさび漬けやねぎとろをおかずにはふはふいただきます。

ちょっとずつのおいしいおかずでご飯を味わっていると、焼きたての目玉焼きとサラダ、赤だしが。この目玉焼きがとても香ばしく、シンプルながら贅沢なおいしさは鉄板焼きだからこそ。なんで写真、撮らなかったんだろう。

5月末初夏の熱海伊豆山ゆとりろ熱海グランピング2泊3日を過ごした住箱に名残惜しくも別れを告げる
初めてのグランピングが、この宿でよかった。2泊3日を過ごし、すっかり好きになってしまった、外で過ごす時間。ハンモックに揺られ、揺れる火を眺めて酒を傾け。そして何より、住箱の居心地が本当に良かった。小さな土地にトレーラーハウス、なんて暮らし方の選択肢もあるんだな。

5月末初夏の熱海チェックアウト後の人で賑わう平和通りのアーケード
愛着の湧いてしまった住箱に名残惜しくも別れを告げ、帰りも宿の送迎車で熱海駅へ。チェックアウト後の人々で賑わうアーケードを、海を目指して歩きます。

5月末雨上がりの熱海階段の先にちらりと覗く海
心配していた雨もすっかり上がり、気兼ねなく熱海さんぽへと繰り出します。熱海は坂の街、車道に交差する細い階段がたくさん。こんな街の裏手の表情を見られるのも、歩き旅ならではの楽しみ方。

5月末雨上がりの熱海サンビーチ
海辺へと出れば、ヤシの木並ぶサンビーチ。熱海城や昭和レトロを感じさせるニューアカオも見え、王道の熱海感に溢れる光景。

5月末雨上がりの熱海斜面に張りつくようにして建ち並ぶビル群
それにしても、よくこんな斜面に街を造ったものだ。そう思わせる、海へと直接落ち込む山にビルが建ち並ぶ光景。以前は廃墟も目立っていましたが、いまはすっかり新しい建物に生まれ変わっています。

5月末雨上がりの熱海ヨットハーバーをのんびり歩く
青い海とはいかなかったけれど、天気が回復してくれて本当によかった。波に揺れるヨットに海辺のリゾートを感じつつ、そのままマリーナ沿いを進んでゆくことに。

5月末雨上がりの熱海昭和の空気感を色濃く残す渚発展会
ここで海に別れを告げ、山手へと方向転換。国道沿いには、昭和のまま時が止まったかのような渋い一画が。社員旅行全盛期、このあたりも夜な夜な酔いどれおじさんで賑わっていたことだろう。

5月末雨上がりの熱海角丸の渋い床屋跡の奥にはストリップ劇場跡と思われるムーラン座
すぐ近くには、往来の激しい国道に沿って残る渋い建物。角丸に装飾が施された建物は、そのサインがかつての床屋跡であることを物語る。その奥には、ムーラン座と看板の掲げられた妖しい建物。

5月末雨上がりの熱海かつての別荘であり旧旅館の起雲閣
僕にとっては記憶の中にある懐かしさを感じる昭和の空気感に触れ、たどり着いた『起雲閣』。ここは別荘として建てられ、その後旅館として使われていたそう。古き良き建物が見学できるようなので、立ち寄ってみることに。

5月末雨上がりの熱海起雲閣和館和館麒麟
受付で入館料を支払い、いざ中へ。まず通されるのは、大正8年に建てられたという和館。鮮やかな群青壁は、ここを旅館として営業していた三代目の持ち主が石川出身であったことから塗られたものだそう。

5月末雨上がりの熱海起雲閣麒麟から眺める古い硝子越しの新緑の庭園揺らぎある情景
もともとは、静養のために別荘として建てられた和館。広々ととられた窓から眺める、庭園を染める新緑がうつくしい。

5月末雨上がりの熱海起雲閣和館2階の大鳳
麒麟と名付けられた1階の座敷と同様、2階にも大鳳の名をもつ広い和室が。旅館として営業していた時代、いったい一泊いくらしたのだろうか。それ以前に、一般庶民の僕は泊まれなかっただろうな。

5月末雨上がりの熱海起雲閣和館2階から見下ろすうつくしい庭園
2階からは、緑豊かな庭園を一望のもとに。古い時代の硝子越しに見る揺らぎある情景は、現代の技術では再現できぬ貴重なもの。

5月末雨上がりの熱海起雲閣異なる年代に建てられた建物を巡ってゆく
三人の主の手により、様々な年代に増築されていった起雲閣。現在は、庭園を囲むようにぐるりと建物が並んでいます。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館玉姫サンルームの空間美
起雲閣の発祥ともいえる和館から、渡り廊下を通り洋館玉姫へ。そこでまず出迎えるのは、見事な空間美を誇るサンルーム。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館玉姫サンルームのうつくしいステンドグラス
見上げれば、弱い陽射しを透かすガラスの天井。いたるところに繊細な装飾が施され、晴天だったらその輝きはさらにすごいことになるのだろう。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館玉姫サンルームエキゾチックな雰囲気を醸し出すタイル張りの床
まばゆい天井に目が行きがちですが、足元を見れば見事なタイル張り。その色味の組み合わせの妙に、どことなくエキゾチックな香りを感じます。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館玉姫折り上げ格天井
サンルームに隣接するのは、重厚感溢れる洋間。暖炉やシャンデリアといった洋を感じさせる造りですが、見上げれば日本の伝統様式である折り上げ格天井が。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館玉姫洋室の暖炉の上には仏像のレリーフ
玉姫に隣接する玉溪。このふたつの洋館は、二代目の主であり東武鉄道創業者である根津嘉一郎氏によって昭和7年に建てられたものだそう。暖炉の上の仏像の装飾など、洋の東西が折衷された独特の世界観に彩られています。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館金剛
この旅館にゆかりのある作家に関する展示が行われている増築棟を通り、続いて昭和4年に建てられた洋館金剛へ。石造りの重厚感溢れる暖炉、その上を飾る木にはめ込まれた螺鈿細工がうつくしい。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館金剛に設けられたサンルーム
この建物は、かつては独立した棟だったそう。落ち着いた洋間の隣にはサンルームが設けられ、建築当初は明るい空間であったことが想像されます。

5月末雨上がりの熱海起雲閣洋館金剛に併設されたローマ風浴室
金剛の隣には、同時期に建てられたというローマ風浴室が。平成の改築の際に現代の部材に変えられましたが、繊細なステンドグラスなどに往時の面影を残しているそう。

5月末雨上がりの熱海起雲閣離れである和館孔雀
再び平成に入り建てられた棟を通り、離れの和館孔雀へ。庭園に突き出るようにして建っているため、窓の外には木々の緑が溢れんばかり。

5月末雨上がりの熱海起雲閣和館離れ孔雀弁柄色の荘厳な和室
麒麟や大鳳のある母屋と同時期に建てられたというこの建物。こちらの壁も三代目の主により、金沢の伝統色である弁柄色に塗り替えられています。

5月末雨上がりの熱海起雲閣和館孔雀の落ち着いた雰囲気漂う和室
緋色と建具の木の色味が、落ち着きのある重厚感を演出する和室。もともとは母屋の隣にあったものが、2度の曳家を経ていまの場所に落ち着いたそう。濃い緑に囲まれ、ここだけひっそりとした雰囲気に包まれています。

5月末雨上がりの熱海起雲閣建物の見学を終え庭園散策へ
豊かな表情に彩られる建物の見学を終え、続いて庭園へと出てみることに。ちょうどこの時季、若い緑の合間に咲くさつきがきれい。

5月末雨上がりの熱海起雲閣趣深い建物を借景とする池泉回遊式庭園
緩やかな勾配に設けられた、緑豊かな池泉回遊式庭園。見事な枝ぶりの庭木や艶やかに咲くつつじもさることながら、その一番の背景となるのは趣深い建築美。

5月末雨上がりの熱海起雲閣緑豊かな庭園から眺める母屋と洋館玉姫、玉溪
市街地に位置するとは思えぬ、静けさ漂う庭園。歩むごとに表情を変えるそれぞれの建物のうつくしさを愛で、ぐるりひと回り。大型観光ホテルのイメージが先行しがちな熱海に、こんなところが残されていたとは。

かつて、熱海の三大別荘のひとつとして数えられたという起雲閣。主の変遷と年代の変化により姿を変えてきた複雑な建築美に触れ、またひとつ新たな熱海に出逢うでした。

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