阿波から土佐へ初づくし ~四国の未知へいざ行かん 1日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

阿波から土佐へ初づくし ~四国の未知へいざ行かん 1日目 ①~

11月上旬秋晴れの羽田空港第2ターミナル展望デッキ 旅行記

11月上旬、秋晴れの羽田空港第2ターミナル。またかよ、また旅に出るのかよ。そんなことを自分でも思いつつ、この旅はちょっとばかり思い入れが。というのも、この旅程を組んだのはもう3か月近く前のことだったから。

あの日僕は、ANAがセールをやっているというのでどこかへ行こうと画策。当初佐賀入り福岡出のチケットを押さえましたが、佐賀のホテルが異様にお高かったので敢え無く断念。

福岡往復でもいいんだけれど・・・。そんなことを考えつつHPをぼんやり眺めていたら、ダイナミックパッケージでもセールをやっているというバナーが。そうか、航空券単体で考えなくてもいいんだ。そんなことに今更気づき、さっそくそのリンクから飛んでみることに。

そこで出逢ってしまった、これ以上にないほど「今」行きたいと思える旅程。それが四国で未踏の地であった、徳島から高知へと抜けるルート。

5千円引きのクーポンを利用し、飛行機とホテルがセットで30,500円。さらにしこくるりというアプリで使える2,500円相当のポイントが無料でもらえ、なんとそのアプリから買えばJR四国の特急自由席が2日間乗り放題のチケットが3,000円というあり得ない安さ。もうさ、こんなの行くしかないよね。

11月上旬羽田空港第2ターミナルで開催されていた第2ターミナル20周年記念展
予約を入れてからというもの、気づけば徳島高知への妄想を繰り返す日々。時刻を調べてみると行きたい場所が上手く結ばれ、たまにある「すとんと行程が降りてくる」という理想の状態に。

それからというもの、指折り数えて今日という日を待ちわびてきた。そして迎えた、この瞬間。いつも以上に、空港に宿る旅立ちへの高揚感が胸を満たしてゆく。

11月上旬羽田空港第2ターミナルで開催中の第2ターミナル20周年展昔懐かしい旧羽田空港のチケットカウンター
第2ターミナル開業20周年を記念し、最上階では特別展が。ずらりと飾られた航空各社の制服や、旧羽田空港の昔懐かしい写真。僕の知らない国際線時代の写真が多いなか、カラーの1枚はぼんやりだけれど記憶がある。

そうだよ、こんな感じの混雑した狭いターミナルだった。浜松町のモノレールからランプバスに至るまで、学校に上がる前の僕はもみくちゃにされた記憶がある。そしてようやくバスから降りれば、そこに待ち構えるのは巨大なジャンボ。

見上れば首が痛くなるほどの巨体、鼻をつくジェット燃料の匂い。長い長いタラップの先に待つ特別に、胸が張り裂けんばかりに興奮し感動したあの体験。昭和の飛行機をめぐる原体験は、おじさんになった今でも忘れることなどできやしない。

11月上旬羽田空港第2ターミナルANA徳島阿波おどり空港行きB737型機
あの頃は、飛行機はまだ特別なのりものだった。小学校に上がっても、乗ったことのある子はクラスで数人。そんな時代から考えれば、今は本当に身近になったものだと感慨に耽ってしまう。

11月上旬秋晴れの羽田空港を飛び立つANAB737型機徳島阿波おどり空港行き
三つ子の魂なんちゃらとは恐ろしいもので、おじさんになった今でもどうしても飛行機にはテンションが上がってしまう。旅立ちの浮遊感に内心はしゃぐ僕を乗せ、B737型機は大空に向け軽やかに離陸。

11月上旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から望むきらめく東京湾とアクアラインそして日本最高峰富士山
ここ最近、本当にこのサイズの飛行機に乗る機会が多い。小型機ならではの身のこなしでぐいぐいと上昇を続けてゆき、大きく旋回したかと思えばこの眺め。金紗の如くきらめく東京湾、そこに忽然と姿を現すアクアライン。そして奥には、雲から頭を出す日本最高峰。

11月上旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から望む地形図のような東京の街並み
あまりに贅沢な午後の機窓に早くも心酔していると、眼下に広がる東京の街。ここまでくると、現実感というものは失せてしまう。これはもはや、地形図だ。

11月上旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から見下ろす湘南の海岸
そうか、そういえばこの時期に西へと飛ぶのは初めてだ。いつもは梅雨時に石垣へと向け飛ぶこのルート。分厚い雲の下には、こんな素晴らしい展望が広がっていたのか。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から見下ろす江の島と湘南の海
由比ヶ浜から延々と続く、湘南海岸。青く染まる相模湾、ゆったりと弧を描く海岸線。そこにぽつんと江の島が浮かび、知っているはずの場所の未知なるうつくしさに息を呑む。

11月上旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から見下ろすジオラマのような芦ノ湖
ゆるやかな海岸線もいよいよ尽き、箱根の険しい山並みが。そこにぽっかりと口を開ける芦ノ湖、その姿はまるでジオラマを見ているよう。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から見下ろす日本最高峰富士山
めくるめく機窓美に、もう眼は釘付けに。するとついに翼の下から姿を見せる富士山。2週間前は望めなかった優美な姿を、こうして上空から存分に眺められるとは。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きから望む富士山と甲府盆地
うつくしい円錐形をした富士の嶺、その奥には甲府の盆地。小さな窓には前回辿った旅路が凝縮され、こうして見下ろしていることが不思議に思えてくる。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から見下ろす南アルプスの深い山と暴れ川
眼下には、黒々と広がる深い森。大きく蛇行する川の刻む深い谷、上空からでも見て取れる山の凹凸。南アルプスの険しい地形が手に取るように感じられる、圧巻の光景。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行き機内サービスにビーフコンソメスープを
今日の機窓は別格だ。子どものように窓から離れられないでいると、機内サービスの順番が。晴れ渡る秋空を愛でつつ飲む、ビーフコンソメスープ。その味わいも、いつも以上においしく感じる。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から眺める濃尾平野と伊勢湾中部国際空港
険しい山から一転、ぱっと開ける展望。木曽三川の創り上げた広大な濃尾平野に、青く染まる伊勢湾とそこに浮かぶ中部国際空港。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から望む紀伊半島の山深さ
いつもの沖縄行きなら、ここで陸地に別れを告げて遥かなる太平洋上へ。でも今回は徳島まで一直線、紀伊半島の上空を通過。初めて眺めるこの山深さに、これは一朝一夕では踏破できないと思い知る。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から望む奈良と京都の盆地
いつかはと思いつつ、まだ訪れることのできていない紀伊半島。想像以上の山並みに圧倒されていると、遠くにちらりと覗いた琵琶湖の姿。ということは、今見えているのは奈良と京都の盆地なのか。初めて飛ぶこのルート、頭の中の地図と一所懸命照合してみる。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から望む大阪平野と大阪湾
いよいよ着陸態勢に入り、着実に高度を落としてゆく飛行機。波状に連なる紀伊山地の奥には、広大な大阪平野と大阪湾が。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機機窓から望む和歌山の街
さらに降下を続け、肉眼でも建物が分かるほどに。今見下ろしているのは、たぶん和歌山の街。訪れる前にこうして上空から見ることになろうとは。いつかは和歌山、そのいつかを実現させるのは自分しかいない。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機はフラップを展開し淡路島の横を降下
熊野古道に那智大滝、白浜の古泉にも逢いたいし、高野山へも行ってみたい。そんな紀伊半島への憧れを浮かべていると、B737型機はフラップを展開しいよいよ着陸へ。

11月中旬ANA徳島阿波おどり空港行きB737型機は大鳴門橋を遠くに望みまもなく着陸
和歌山を過ぎてから、淡路島にそって降下を続ける飛行機。こうして見ると、あんなに大きな島を自転車で一周したことが信じがたい。15年前の旅の記憶を手繰っていると、徳島の陸地が近づきもう間もなくその瞬間が。

11月中旬ANAB737型機はついに徳島阿波おどり空港に着陸
羽田から絶景にこころを奪われること1時間ちょっと、飛行機はついに徳島阿波おどり空港に着陸。これが僕にとって、人生初徳島。あの日あのバナーを見つけなければ、来るのはきっとまだ先だった。

これから待ち構える、未知にまみれた2泊3日。初めてだらけの予感に胸を震わせ、ベルトサインが消えるのを今か今かと待ちわびるのでした。

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