ふわりふらりと北海道 ~びっくり価格で驚きの白さ 3日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

ふわりふらりと北海道 ~びっくり価格で驚きの白さ 3日目 ③~

1月中旬冬の初十勝池田駅 旅グルメ

ぶどう栽培とワイン醸造の歴史に触れ、ワイン城を後にし池田駅へ。ここでしばし、列車待ちのぼんやり時間。改札開始の放送とともに、構内に流れるドリカムの曲のオルゴール。ここ池田町は、ボーカルの吉田美和さんの故郷なのだそう。

1月中旬冬の初十勝池田駅停車中のH100形気動車DECMOデクモ普通列車新得行き
晴れたらいいね。今度は爽快な十勝晴れと白銀の鮮烈な対比も見てみたい。そんな再訪の願いを抱きつつ、この旅を終えるために帯広へと戻ります。

1月中旬冬の初十勝池H100形気動車DECMOデクモ普通列車新得行きの大きな車窓一杯に広がる十勝平野の冬景色
2泊3日、あまりにも広大な北海道では凝縮された日程だけれど。なんだかこの旅は、本当に濃厚だった。大きな車窓を染める銀世界、足元から伝わるディーゼルの唸り。次はいつ、この輝きに逢えるのだろうか。

1月中旬冬の初十勝帯広駅ビルエスタに位置する豚丼のぶたはげ帯広本店
搭乗予定の飛行機は19時10分発。当初は空港で〆の豚丼をと思いましたが、連絡バスの着時刻を考えるとあまり余裕がない。せわしなく最後の十勝グルメを味わうのも寂しいので、ちょっと早い時刻だけれど『豚丼のぶたはげ帯広本店』で夕食をとることに。

1月中旬冬の初十勝帯広駅ビルエスタに位置する豚丼のぶたはげ帯広本店豚丼
駅ビルに位置し、朝の10時から開いているという観光客にもありがたいお店。とはいえその成り立ちは観光客向けのものではなく、昨日食べたぱんちょうとともに帯広きっての豚丼の老舗。

じゅうじゅう焼く音に食欲を刺激されつつ待つことしばし、注文した豚丼が到着。その刹那、目を奪われる照り艶に満ちた大判なお肉と嗅覚を襲うたれの香ばしい香り。

この旅では、様々な旨いものたちに出逢うことができた。そんな北海道グルメも、これが本当に最後。そう心して、ひと口。うわぁ、やっぱり旨っ!豚肉とたれの醸し出す旨さが、理屈抜きに脊椎へと駆け抜ける。

こちらのお肉は、甘い白身が際立つ印象。それは決して脂身ではなく、白身と呼びたいくどさのない旨さ。ジューシーに焼かれた豚肉を最高の味覚に昇華させる、しょう油の薫る絶妙な塩梅のたれ。そんなガツンとした旨さを引き締める、しっかりと振られたコショーの風味。

いやぁ、これには参った。昨日のぱんちょうとは全く味の印象が違う。それは甲乙つけがたく、この先に待ち構えるのは本場の豚丼巡りという沼しか見えてこない。

1月中旬冬の初十勝帯広駅夕暮れ時のイルミネーションに輝く帯広駅バスターミナルおびくる
初十勝、これは広くて深い大地のふたを開けてしまった。なぜこれまで、来なかったのだろう。いやしかし、今この段階で出逢うことができてよかった。短い滞在だけれど、そう思える豊かな時間を冬の大地は僕へとくれた。

1月中旬冬の初十勝帯広駅最後に純白の粉雪を踏みしめる
本当にしつこいが、北海道はやっぱり冬だ。緑に染まる雄大な夏もいいけれど、この凛とした気高い冷たさに包まれた北の大地は別格だ。次はいつ、再会できるだろうか。そう近くはない地だと知っている。だからこそ、この純白との別れが寂しくて仕方がない。

1月中旬冬の初十勝帯広バスターミナルおびくるばんえい競馬のラッピングが施された十勝バス帯広空港連絡バス
そしてついに、その時が来てしまった。さようならではなく、ありがとう。別れ際にそう思えるときは、本当に良い旅ができたという証。だめだ。あまりに楽しすぎて、感情が零れてちょっと泣きそう。そんな切なさを断ち切り、『十勝バス』の空港連絡バスに乗り込みます。

1月中旬冬の初十勝帯広夜闇に浮かびあがるとかち帯広空港
バスは帯広の市街地を抜け、いつしか漆黒の中を走るように。ときおり現れるまとまった家の灯り、それが過ぎればまた延々と続く夜の闇。そんな道のりを走ること40分、真っ暗な中にとかち帯広空港が突如出現。

1月中旬冬の初十勝帯広夜のとかち帯広空港きれいなイルミネーション
レールで結ばれているところは、鉄路で行きたい。そんな根っからの鉄ちゃんの僕ですが、この時間まで満喫して今日中に帰宅できるのは空路の速さがあってこそ。飛行機があれば、また十勝へと来ることができる。ありがとう、初十勝。また逢う日まで、この旅で出逢えた清らかな白さは胸へとしまっておこう。

1月中旬冬の初十勝帯広夜のとかち帯広空港展望ホールから眺める僕を東京へと連れ戻すエア・ドゥB737羽田行き
ピンと張りつめた冬の夜気をこころに刻み、意を決して空港へ。お土産屋さんで三方六を買い、3階にある展望ホールへ。だんだんと強くなる雪。漆黒の空から舞い降りるその白さをぼんやり眺めていると、僕を東京へと連れて帰るエア・ドゥの飛行機が。

1月中旬冬の初十勝帯広夜のとかち帯広空港AIRDOB737羽田行き入口に描かれたかわいいベア・ドゥ
ベア・ドゥちゃん、すばらしい時間を本当にありがとう。君が誘ってくれなければ、僕はこの旅で刻んだ想い出の数々とは出逢えなかった。

1月中旬冬の初十勝帯広夜のとかち帯広空港融雪剤に滲む夜のターミナルとウィングレットに描かれたかわいいベア・ドゥ
あぁ、楽しかったな・・・。旅の終わりに必ず訪れる、余韻と感傷の綯い交ぜになったちょっとばかりの胸の痛み。融雪剤に滲む機窓をふと見れば、本を読むかわいいベア・ドゥ。そうか、君の翼に乗って千歳に降り立ち、帰りも君が運んでくれるのか。

三十数年ぶりに体験した羽田空港での沖止めタラップでの降機間近で眺めるAIRDOB737の迫力ある姿
もう何度も書いたけれど、今回の旅は棚ぼただった。あの日あの時、会社の仲間と旅の話しにならなければ。良い日程、良い時間に空席がなければ。そんな偶然が生んだこの旅も、ある意味必然なのかもしれない。

行きたい場所があり、まだ見ぬ地へと憧れる。そこへの旅立ちのきっかけは、何でもいい。その地を選び、行程を考え、自分の足で確かめる。すべてを自分の意思で決めた旅路は、いつだって必然性に満ちているのだから。

今回の旅を生み出してくれた、エア・ドゥ。おかげさまで、本当に良い冬旅に出逢えました。なんだか今回の旅で、すっかりファンになってしまった。次また北へ飛ぶときは、北海道の翼を選びたい。北海道の空気感が缶詰のように込められた機体に別れを告げ、再訪の誓いを託しタラップを降りるのでした。

ここで最後に、タイトルにも据えたびっくり価格を。

羽田⇒新千歳、とかち帯広⇒羽田の往復で11,100円。札幌から帯広まで、とかち号のお先にトクだ値で3,490円。ホテルルートイン札幌北四条が3,900円、ふく井ホテルが5,000円。

ね、驚きでしょ。おかげで食費酒代に集中できた。安いことがいいことばかりだとは決して思わないけれど、でも使える資金には限りがある。この値段で飛べたからこそ、この最高の冬旅を満喫することができました。機会をくれたAIRDOさん、本当に、本当にありがとうございました。

ふわりふらりと北海道 ~びっくり価格で驚きの白さ~
三十数年ぶりに体験した羽田空港での沖止めタラップでの降機間近で眺めるAIRDOB737の迫力ある姿
2024.1 北海道
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●1日目(東京⇒札幌)
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●2日目(札幌⇒帯広)
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●3日目(帯広⇒池田⇒東京)
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