GW 春へと続く北海路 ~忘れえぬ航跡1 ・2日目 ⑤~

リニア・鉄道館ホジ6005形蒸気動車

鉄道の歴史を辿る旅は更に続きます。こちらは100年以上前に造られた、ホジ6005形蒸気動車。その名の通り、電気でもディーゼルでもなく、蒸気機関を動力源としています。

リニア・鉄道館ホジ6014の文字が輝く板張りの車体
国鉄の前身である鉄道院の文字と、歴史を感じさせる鈍く輝く板張りの車体。当時はまだ金属で車両を作る技術がなく、木造の車両が当たり前。鉄道の黎明期からたった一世紀ちょっと、まもなくリニアが開通するなど、この車両を見ているとにわかに信じがたいほど。

リニア・鉄道館ホジ6014前方に組み込まれた小型のボイラー
外から機関室内を覗いてみれば、ぎゅっと押し込められるように居座る小型のボイラーが。当時はSLが客車を牽いていた時代。でもそれでは列車組成が大変だし、非効率的。それならば客車と機関車をまとめてしまえ!そんな合理的な思考が見て取れるような構造です。

リニア・鉄道館ホジ6014車内から望む蒸気機関
文字の通りのつり革に網棚、上品な色合いのゆったりとしたロングシート。その奥にはこの車両を象徴とする蒸気機関が見え、試行錯誤を繰り返しつつ進化を続ける鉄道は永遠に過渡期にあるというこを伝えるよう。

リニア・鉄道館ED11電気機関車
続いては、デッキ付きの重厚な車体が印象的なED11電気機関車。東海道・横須賀線の電化を控え、当時電気機関車を作れなかった日本がアメリカから輸入した車両。

リニア・鉄道館ED18電気機関車
こちらも同じ理由でイギリスから輸入された、ED18電気機関車。いかつい側面のデザインもさることながら、掲げられたトロッコファミリー号のヘッドマークが懐かしい。小さなトロッコ、楽しかったなぁ。

リニア・鉄道館モハ1形電車
大正時代には電気機関車を国産するまでには至りませんでしたが、電車を製造する技術は既に獲得していました。このモハ1形電車は、そんな大正生まれの貴重な生き証人。言わば日本の通勤電車の元祖ともいえる車両。

リニア・鉄道館モハ1形ダブルルーフと木製の車体
車内換気と照明が不十分だった当時、客車に採用されていたダブルルーフ。屋根を2段構造にし、連なる小窓が明り取りと換気の役目を果たしました。木製の車体と共に色濃く残す客車の設計思想が、改善、改良の連続で鉄道が成り立っているということを教えてくれるよう。

リニア・鉄道館クモハ12
その5年後には、ついに電車も金属で作ることのできる時代へ。このクモハ12形は、鉄道省初の鋼製電車として生まれたモハ30形を改造したもの。前面は近代的な顔つきですが、齢90を超える紛れもない古豪です。

リニア・鉄道館52系電車
更にその10年後には、これほどまでに流麗なデザインの電車を製造できるまでに進化。流電の相性を持つこの52系電車は、その名の通り目を引く流線形が印象的。ノーシルノーヘッダーの溶接仕上げのボディー、足元を覆うスカート、つるりとした張り上げ屋根。美しい。その言葉以外見つからない。

リニア・鉄道館52系電車の愛嬌ある正面
正面へと回れば、その角の取れたスマートさが一層際立つよう。どことなくヨーロピアンな雰囲気が漂いますが、よくよく見てみるとお金持ちの家の犬の顔のようにも見えてくる、そんな愛嬌も兼ね備えています。

リニア・鉄道館52系電車重厚な雰囲気漂う車内
車内へと入れば、圧倒されるような重厚な雰囲気。当時京阪神間の急行電車として導入されたこの車両は、私鉄との熾烈な競争を念頭に置いて作られたのでしょうか。他の電車にはない上品さと美しさが随所に宿っています。

リニア・鉄道館52系電車車内から眺める流線形の運転台
当時世界的に流行したという流線形。車内から運転台を眺めれば、その構造の優美さがより伝わるよう。

箱型から流線形へ。少しでもスピードアップへと挑む姿勢は後世の人々に受け継がれ、やがて世界最速のロマンスカー、そして夢の超特急0系へとつながりました。

黎明期から、新時代への挑戦へ。日本の鉄道が着実に進化してきた過程を目の当たりにし、この趣味を持てたことの幸せを強く噛みしめるのでした。