奥日光で迎える2度目の朝。今朝は昨日とは打って変わって見ての通りのこの青空。雲ひとつない初冬の快晴に、心の隅々まで晴れ渡るかのよう。
早速朝風呂で全身に硫黄分を補給し、朝食会場へ。今朝もたくさんの品々が並びます。焼き魚に鶏鍋、オムレツに肉じゃが。朝からボリューム満点のおかずたちに、思わずご飯も進みます。
今日の予定もただひたすらにお湯と戯れるのみ。幾度目かの湯浴みを終え、晴れ空をつまみに冷たいビールを。喉を通る爽快さが、一層この初冬の空を青く見せてくれるかのよう。
陽の光を溶かし、一層青白さを増す湯元の湯。美しい、本当に美しい。ただその一言に尽きる。たっぷりと含んだ湯の華がもたらす浴感を体現したかのような、この色合い。肌で、鼻で、そして目でも楽しめる極上の湯。もうすっかりこのお湯の虜になってしまいました。
いで湯の名残を肌へと残し、ぼんやりと過ごす奥日光の午後。そんな自堕落な時間のお供にと開けるのは、一夜目に飲んだきざけ日光誉と同じ蔵元である渡邊佐平商店の、純米自然醸清開。自然醸の名の通り奇をてらわない王道の味わいで、純米酒らしい旨さを味わえます。
ぐうたらにのんべんだらりと過ごしていると、気付けばもう夕食の時間に。今夜の前菜は、かぼちゃのすり流しに里芋のゆず味噌掛け、鴨のロース。陶板は大ぶりのお肉を焼いて食べるステーキです。
今日の焼き魚は鮎の塩焼き。ふっくらとした身に詰まった独特の香りに、栃木のお酒が進みます。
続いては熱々の湯気が上がる鯛の兜蒸し。程よい筋肉感と脂が美味しい鯛の頭の身を、あっさりとポン酢につけていただきます。
ステーキに焼き魚、兜蒸しと、ここまでで結構お腹はいっぱいに。そこに運ばれてきたのが、ボリューム満点のあんこうの唐揚げ。いやいや、お昼を食べなくて正解だった。こちらのお宿は朝食、夕食ともにしっかりとしたボリュームがあります。
そして今日のご飯は、鯛の釜めし。ふっくらとした白身をほぐせば、鯛の持つ旨味がご飯全体に広がります。
いやぁ、満腹満腹。重たいお腹をごろ寝で落ち着かせ、部屋と湯屋を往復する最後の夜を始めることに。自然醸の味わいと硫黄の湯に酔う静かな夜。こんな時間が永遠に続けばいいのに。そんな叶わぬ願いを妄想しつつ、いつしか深い眠りにつくのでした。
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