ちょっとずつ夏の愉しみ北東北 ~ヤーヤドーに誘われて 3日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

ちょっとずつ夏の愉しみ北東北 ~ヤーヤドーに誘われて 3日目 ①~

8月上旬夏の弘前ルートイン弘前駅前で迎える爽やかな朝 旅の宿

あぁ、本当に良い夜だった。津軽の熱い火祭りから一夜明け、清々しい心持ちで迎える朝。澄んだ空には眩い朝日が輝き、今日も暑い一日になりそうだ。

8月上旬夏の弘前ルートイン弘前駅前ねぷたまつり期間中でチェックイン時にサービスでもらったJAアオレンのりんごジュースを湯上りに飲む
今日という日をしゃっきり始めるべく、最上階にある大浴場へ。大きな窓からは、頭からしっかりと姿を見せてくれている岩木山。黒々とした雄々しい山容に、この街への再訪を誓います。

そして湯上りには、ねぷた期間中のサービスということでチェックイン時にいただいたJAアオレンのりんごジュースを。しっかり甘く、それでいてすっきり。本当に、青森のりんごジュースは最高だ。

8月上旬夏の弘前ホテルルートイン弘前駅前朝食
人工温泉でしっかりと汗を流し、落ち着いたところで朝食会場へ。ルートインは無料で朝食が提供され、郷土料理もあるのが嬉しいところ。

この後悪巧みをしているため、量を抑えて食べたいものを厳選。イガメンチは香ばしく、つがる漬はしっかりとした味がご飯にぴったり。炭火焼チキンのスタミナ源たれ炒めも味が染み、けの汁はたっぷりと加えられた野菜の旨味が染み出ています。

8月上旬夏の弘前来年の再訪を誓い別れを告げる
まつり期間中でしたが良心的価格、立地も良いし大浴場に無料の朝食まで。すっかりお世話になったホテルルートイン弘前駅前を少し早めにチェックアウトし、駅へと向かいます。

8月上旬夏の弘前駅構内のそば処こぎん
なぜ朝食を控えめにしたか、それはこの地を去る前に津軽のそばを食べたかったから。ということで僕のお気に入り、駅構内の『そば処こぎん』にお邪魔します。

8月上旬夏の弘前駅構内のそば処こぎん幻の津軽そば
食券を渡して待つことあっという間、注文した幻の津軽そばの出来上がり。丼を運んでいる最中から鼻をくすぐる良い香りに急かされつつ、透明感のあるおつゆを。これだよ、これ。だしの効いた、甘味のないすっきりとしたつゆ。この系統の味は、東京では出会えない。

続いて、一番の特長であるおそばを。白い麺は、箸でつまめば切れてしまうほどの柔らかさ。ですが決してのびている感覚ではなく、ふるふるほろほろと優しい口どけ。練って寝かせ、切って寝かせて茹でて置く。津軽そばのその独特な製法とつなぎに使う大豆により、ほろりほどける食感になるのです。

すっきりと潔いつゆとともに啜る、ほろほろと崩れる柔いそば。僕らの慣れ親しんだそばとはまったく概念の違う、優しさだけで出来上がったような不思議な味わい。唯一無二のじんわりとした穏やかな旨さが、津軽での記憶とともに腹へと沁みてゆく。

8月上旬夏の弘前駅デッキから眺める岩木山
もうそろそろ、発つ時間。その前に2階のデッキに向かい、岩木山にご挨拶。今年も本当に、最高の夏をありがとうございました。また必ず、この街に戻ってきます。

8月上旬夏の弘前駅に入線する奥羽本線701系大館行き普通列車
そうだ、花輪線に乗ろう。そう思いついたのは、前日の夜。本当は速くて便利な高速バスで盛岡を目指すつもりでしたが、ふと調べてみたらちょうど良い時間に列車がある模様。こんなふうに気軽に予定を変更できるのも、身軽なひとり旅の醍醐味。

8月上旬夏の弘前奥羽本線701系大館行き普通列車車窓に広がるりんご畑と豊かな田んぼ
ホームに響く津軽三味線の発車メロディーに見送られ、列車は大館目指して定刻に発車。やっぱり弘前は、1泊では短いな。愛する街との別れの寂しさを紛らせてくれるのは、りんご畑に田んぼといった緑に染まる夏の豊かな車窓。

8月上旬夏の大館駅駅前で旅人を出迎える秋田犬の像
弘前から走ること42分、この列車の終点である大館に到着。この駅に降り立つのは、今回が二度目。駅前はきれいに整備され、前回訪れたときの記憶が薄れてしまうほどの変わりよう。でも間違いなく、ここは大館駅前。そう教えてくれる、変わらず建ち続ける秋田犬の像。

8月上旬夏の大館駅前に建つ大館市観光交流施設秋田犬の里
ここ大館は、忠犬としてあまりにも有名なハチ公のふるさと。凛々しくおすわりするハチ公に誘われ、観光交流施設である『秋田犬の里』へと入ってみることに。

8月上旬夏の大館駅前秋田犬の里に展示されていた光子ちゃんととも子ちゃん
奥へと進むと、2頭の秋田犬が展示されたホールが。今日遊びに来ているのは、光子ちゃんととも子ちゃん。姉妹ではありませんが、同じおうちに暮らしている仲良しなのだそう。

8月上旬夏の大館駅前秋田犬の里で遊ぶ光子ちゃんととも子ちゃん
まだやんちゃ盛り、1歳の光子ちゃんと5ヶ月のとも子ちゃん。本当に仲が良いようで、ひっきりなしにじゃれています。

8月上旬夏の大館駅駅前秋田犬の里やんちゃにじゃれる光子ちゃんととも子ちゃん
クイーンオブやりたい放題と紹介されてしまっている、やんちゃな赤毛の光子ちゃん。黒目がちの大きな瞳を輝かせ、ころころと変わる表情に見とれてしまう。

8月上旬夏の大館駅前秋田犬の里転がりじゃれる光子ちゃんととも子ちゃん
光子ちゃんがちょっかいを出したかと思えば、年下のとも子ちゃんも負けじと反撃。広い室内をころころと転がる大きなモフモフに、犬好きの僕はすっかり骨抜きに。

8月上旬夏の大館駅前秋田犬の里秋田犬のぬいぐるみが積まれた秋田犬ツリー
どこを見ても、秋田犬一色の館内。壁一面に飾られた、ずらりと並ぶわんこたちの写真。その毛色や表情の豊かさを、時が経つのも忘れて見比べてしまう。

8月上旬夏の大館駅前秋田犬の里渋谷から引っ越しした東急5000系電車青ガエル
秋田犬のあまりのかわいさに後ろ髪を引かれつつも、そろそろ駅へと戻ることに。その前に、渋谷でよく会っていた東急5000系と久々のご対面。混沌とした雑踏から、いいところに引っ越せたんだね。

8月上旬夏の大館駅前秋田犬の里に展示された東急5000系電車青ガエル車内
緑の塗装と下膨れのフォルムから、青ガエルの愛称で親しまれたこの電車。ハチ公とともに、駅前の顔として置かれていた頃が懐かしい。

乗り継ぎの合間に、ふらりと訪れた秋田犬の里。もしかしたら、花輪線での移動に切り替えたのはこのためだったのかもしれない。意図せず出逢えたわんこのかわいさに、すっかり心を射抜かれるのでした。

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