今回は、若葉のまぶしい会津・越後SL紀行を書きたいと思います。
磐越西線(郡山~新津)の会津若松~新潟間を走る、「SLばんえつ物語号」への乗車がメインディッシュの、1泊2日旅行です。
写真は東京駅新幹線ホーム。乗車するはずであったMaxやまびこ号に使用される2階建て新幹線です。
新幹線の入線を待っているといきなり地震が。それが実は未曾有の土砂崩れを起こした「岩手宮城内陸地震」だったのです。
ひとまずドアが開いたので、車内へ入り朝食をとりました。ところが発車予定を30分ほど過ぎたころ、運休のアナウンスが。
仕方なく混乱している改札へと向かい、切符類の払い戻しの証明をしてもらいました。
このときはまさかあんなにひどい地震だとは思っていなかったので、ホテルに着いてテレビを見て唖然。
新幹線はしばらく動きそうもないので、新宿から会津若松行きの高速バスで行くことに。4時間15分の長旅です。
そんなこんなで、やっとの思いで会津若松駅へと到着。予定よりも4時間近く遅くなり、この日のお昼に食べる予定だった、老舗「えびや」のうなぎはあきらめることに。
でも運良くバスの席も確保でき、来られたことだけで良しとしなきゃ、です。
会津若松駅から路線バスに揺られること20分、会津若松の奥座敷、東山温泉へと到着。歴史ある渓谷沿いの温泉です。市の中心部から15分しか離れていないとは思えない静けさと山深さ。
今回お世話になったのが、『くつろぎ宿 千代滝』。東山にあるくつろぎ宿系列2館のうち、もっとも高台にあるホテルです。展望露天風呂からは会津盆地が望め、夜景がとってもきれいです。
温泉で旅の疲れを流した後はもちろん夕食。鰊や鯉、湯葉などのご当地食材を使用した郷土料理が並びます。
会津は山深いので身欠きにしんを使った料理が有名で、今日は鰊の山椒漬けや筍の鰊煮が出されました。
好き嫌いはあるかも知れませんが、僕は好き。一回干してあるものを調理すると旨みが濃くおいしいように感じます。
そんな郷土料理の並ぶ中、特においしかったのが「生湯葉の刺身」と「和牛の二年味噌漬け」。
生湯葉の刺身は、厚さ5ミリはあろうかという分厚い湯葉で、とろっとした中にもしっかり湯葉の歯ごたえと濃厚な豆の風味があり、とっても美味。
和牛の味噌漬けの方は、会津特産の二年味噌に和牛を軽く漬け込み、それを焼いて食べるというもの。柔らかさを失わないよう、見た目ではわからないほど浅く漬けてあります。
ホテルで出てくるこの手の肉は硬いのがお約束。そう思い噛んだところ意外にとっても柔らかくてびっくりしました。噛んだ瞬間、味噌の芳醇な香りが口中に広がり、幸せな気分になります。
そして会津の郷土料理といえば、この「こづゆ」。
ホタテの干し貝柱でダシをとり、サトイモや人参などの根菜と山菜、豆麩にしらたきを入れたおすいもの。塗りの手塩皿という、小さくて浅い、かわいい器に盛られてきます
こづゆは昔からおめでたい席やおもてなしで食べられていたそうで、今回食べられるのを楽しみにしてきました。とてもシンプルで薄味の、ほっとするような料理です。
今回宿泊したくつろぎ宿は、系列の3館の湯めぐりをすることができます。せっかくなので夕食後腹ごなしに散歩がてら湯めぐりへと向かいました。
千代滝は「羽黒山神社」の参道近くにあり、温泉街へと向かうにはその石段を下ります。ライトアップされた鳥居がいい雰囲気を醸し出します。
千代滝・新滝・不動滝(現在は新滝別館)の3館の中で、源泉かけ流しでないのは千代滝だけ。ということで、源泉かけ流しの新滝・不動滝のお風呂をとても楽しみにしていました。
特に気に入ったのが、写真の「わたり湯」。昨年湯治場風に改装したばかりとのことで、とてもきれいです。
夜にはほのかな明かりがともり、窓から聞こえるせせらぎの音と共に昔ながらの温泉の風情を演出します。
お湯はナトリウム・カルシウム‐硫酸塩・塩化物泉で、不動滝の源泉と、共同の源泉の混合泉です。
このお湯は他の2館と違い、入浴感がとってもとろっとしています。まるで化粧水に入っているかのよう。濃厚な温泉で一発で気に入ってしまいました。
新滝と不動滝は連絡通路でつながっており、露天風呂は不動滝のほうにありますが、庭園風なので眺めはありません。
かけ流しにこだわるなら新滝か不動滝に、気持ちの良いロケーションを求めるなら千代滝に宿泊するのが良いでしょう。
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