めくるめく感動海遊 ~西行き航路が呼んでいる 3日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

めくるめく感動海遊 ~西行き航路が呼んでいる 3日目 ③~

10月下旬初めての北九州門司港レトロ昭和6年建築の木造3階建て三宜楼 旅行記

九州鉄道記念館で鉄分を補給し、門司港レトロの街歩きを再開。小高い丘の上に建つ、昭和6年築の三宜楼。昭和30年ころまで料亭として営業され、現在はふぐ料理のお店が入っているそう。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ中華料理萬龍の渋い建物
あんな料亭でふぐなんて、きっと死ぬまで縁がないんだろうな。木造3階建ての威容にそんなことを思いつつ目の前の道を下ってゆくと、独特な雰囲気をまとう中華料理店の跡。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ昭和門司港レトロ小路の妖しげな情緒
その先には、なんとも妖しげな空気のただよう小路が。今度は門司港に一泊して、夜の情緒にも触れてみたい。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ昭和9年建築の旧横浜正金銀行門司支店
大通りに出ると、交差点には威厳に満ちた建物が。昭和9年に横浜正金銀行門司支店として建てられ、現在も北九州銀行の店舗として現役を続けています。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ昭和25年建築の旧福岡銀行門司支店
国道3号線沿いを歩いてゆくと、つづいて現れる重厚な建物。この旧福岡銀行門司支店は、意外にも戦後の昭和25年に建てられたもの。現在は結婚式場として使われています。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ門司港発祥の地第一船だまり
廃線となった貨物線を利用し土休日のみ運行する門司港レトロ観光線の踏切を渡ると、そこに広がる穏やかな海。沖止めされた船から荷物を運ぶ艀が係留されていたという、第一船だまり。この地で一番最初に整備された港湾設備で、いわば門司港発祥の地だそう。

10月下旬初めての北九州門司港レトロホーム・リンガ商会
その船だまりの近くには、白と薄いピンクに彩られた瀟洒なビルが。このホーム・リンガ商会は昭和37年の竣工だそうですが、周囲に並ぶレトロな建物に違和感なく溶け込んでいます。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ重厚な煉瓦と優美なアーチが目を引く旧大阪商船
その対面に建つのは、大正6年建築の旧大阪商船。レンガとモルタルの質感の対比、そこにそびえる八角形の塔。庇や窓にはアーチが用いられ、重厚感がありつつもなんとも優美な姿をしています。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ第一船だまりから眺める関門海峡
船だまりの反対側には、下関を対岸に望む関門海峡。あらためてこの距離感を目の当たりにすると、思わず驚きの声がもれてしまう。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ大連友好記念館
はね橋を渡り対岸へ行くと、レンガととんがり屋根が印象的な建物が。てっきり古いものだとばかり思っていましたが、この大連友好記念館は平成6年築。大連にある東清鉄道汽船会社の建物を現地のレンガや石材で複製したものだそうで、そうと言われなければまったく分からない。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ第一船だまりのそばに建つ旧門司税関
その向かいに建つのは、明治45年竣工の旧門司税関。緻密に積まれたレンガに締まりを与える御影石、その重厚感と繊細さの共演に目が奪われる。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ旧門司税関の荘厳な館内
ギャラリーやカフェとして開放されているようなので、中を見てみることに。吹き抜けの高い天井、そこにのびる窓。差しこむ陽射しがレンガの質感を照らし出し、館内を包む空気感は荘厳そのもの。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ旧門司税関展望室から眺める関門海峡
2階からさらにのびる階段を上ってみれば、窓いっぱいに広がる関門海峡。その眩いほどの爽快な青さが、網膜を通してこころへと押し寄せる。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ駐車場に保存された赤レンガ倉庫群の外壁
あまりに見どころが多すぎて、ほとんど外観だけの駆け足になってしまった。そろそろ時間も押してきたので、先へと進むべく門司港レトロ地区を後にすることに。北に向け歩いていると、突如現れる赤レンガ。ここにはレンガ倉庫群があったそうで、外壁のみ保存されています。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ駐車場に保存された路面電車西鉄北九州線の100形電車
その向かいの駐車場には、かつて北九州の地を駆けめぐっていた路面電車、西鉄北九州線の保存車両。

10月下旬初めての北九州門司港レトロ大正13年築の旧門司郵便局電話課庁舎門司電気通信レトロ館
海辺を離れ大通りへと進んでゆくと、交差点に建つ凛とした表情をもつビル。この建物は大正13年に旧門司郵便局電話課の庁舎として建てられたもので、現在は電信電話の歴史を学べるNTT西日本の門司電気通信レトロ館として開放されています。

10月下旬初めての北九州門司ノーフォーク広場から望む関門橋
交通量の多い県道を歩いてゆくと、ぱっと視界が開けふたたび海が。関門海峡のなかでも一番狭い早鞆瀬戸を、1,068mの関門橋が九州から本州へとひと跨ぎ。

10月下旬初めての北九州門司関門海峡の最狭部早鞆瀬戸は630mしか幅がない
海峡最狭部は、なんと幅630mしかないとのこと。しつこいようだが、九州と本州のこの距離感。現地を訪れてはじめて実感できることがある。これがあるから、旅することをやめられない。

10月下旬初めての北九州門司九州最北の神社である和布刈神社
間近に海を感じつつ進んでゆくと、関門橋の足元で工事のため遊歩道は通行止め。一旦県道に戻り歩いていると、海に面した神社の入口が。

10月下旬初めての北九州門司創建1,800年の歴史を持つという和布刈神社
九州最北端の神社であり、創建1,800年もの歴史をもつという和布刈神社。潮の満ち引きを司る神様が祀られた神社で、初めて門司を訪れることのできたお礼を伝えます。

10月下旬初めての北九州門司九州最北の神社和布刈神社神事の行われる海中灯篭
関門海峡に、ぽつんと佇む海中灯篭。毎年旧暦の元旦早朝に、松明の灯りを頼りにわかめを刈り神前にお供えするという和布刈神事。古から連綿と続く神事が、この地で行われます。

10月下旬初めての北九州門司関門海峡最狭部の早鞆瀬戸をゆったりと行く海外の巨大コンテナ船
神社からさらに先へと続く、和布刈観潮遊歩道。真っ青な海の爽快さに誘われ進んでゆくと、この狭い海峡をゆったりと通過してゆく巨大なコンテナ船が。

10月下旬初めての北九州門司関門海峡大潮では潮流10ノットを超えるともいう早鞆瀬戸
東は瀬戸内海、西は日本海。ふたつの海をつなぐ関門海峡は、その潮位の差により激しい流れが発生。一番狭いここ早鞆瀬戸では、大潮のときには10ノット、18.5㎞/h以上に達することもあるのだそう。

10月下旬初めての北九州門司関門海峡早鞆瀬戸の川のような流れ
写真ではなかなか伝わらないが、激しい潮流と幅の狭さも相まってもうこれは川だよ、川。耳には波というより水の流れる音が絶えず届き、自然の神秘というものを間近に感じられる。

10月下旬初めての北九州門司関門海峡最狭部の早鞆瀬戸を行き交う船
そんな狭い海峡を、ひっきりなしに往来する大小の船。地下には国道と新幹線のトンネル、頭上には橋と陸の交通の要衝であるとともに、海路にとっても重要な場所。

10月下旬初めての北九州門司大正13年築の門司埼灯台を過ぎればそこは瀬戸内海周防灘
大正13年に初点灯を迎えたという歴史ある門司埼灯台を過ぎれば、もうそこは瀬戸内海周防灘。川のような幅の海峡から一転、この場面展開がこころを打つ。

10月下旬初めての北九州門司和布刈公園に保存されたEF301号機
さて、そろそろ対岸の山口へと渡ろうか。そう思い人道トンネルの入口を探していると、銀色の電気機関車が。関門トンネルの塩害を防ぐため、ステンレスで造られたEF30。その1号機が、和布刈公園に保存されています。

想像以上に、見どころがぎっしりと詰まっていた門司港。本当に今日は駆け足になってしまった。古き良き建物は内部を見学できるものも多く、そして今回は見られなかったものも。これはまた、じっくり腰を据えて訪れるべきだな。はじめての門司に手ごたえを感じ、再訪を強く強く誓うのでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました