瑞鳳殿前バス停から再び『るーぷる仙台』に乗車し約30分、交通公園・三居沢水力発電所前バス停に到着。途中仙台を一望できる仙台城跡も経由しますが、今回は動き出しが遅かったため断念。次は久しぶりにまた青葉城にも行きたいなぁ。
広瀬川の広々とした河川敷に開放感を味わいつつ歩くことすぐ、『三居沢水力発電所・電気百年館』に到着。ここ三居沢水力発電所は、日本で初めての水力発電所であり、東北で最初に電灯が灯った歴史ある場所なのだそう。
この地で発電が開始されたのは1888年、現在の発電所は二代目で1909年竣工。国の登録有形文化財にも指定されている瀟洒な建屋は、齢110年以上経て今もなお現役で働き続けています。
初代発電所の跡地に建つという電気百年館で三居沢水力発電所に関する資料を見学し、発電所の横に回り内部を見学。1910年に稼働を開始したという古参の発電機が、唸りを上げて今なお電気を作り続けています。
この発電所を動かす水は、すぐそばを流れる広瀬川の上流から導かれたもの。2㎞以上の導水路を経ているとはいえ、市街地を流れる広瀬川がこれほどの高低差を生んでいることに驚き。
その隣には、山腹にぽっかりと口を開ける煉瓦造りの坑門。見るからに歴史深いこのトンネルは、1900年に建てられた初代の発電所へと水を送る放水隧道跡だそう。
仙台の灯りを支える近代化遺産に触れ、バス停へと戻るために進んでゆくと小さな赤い橋と鳥居を発見。鬱蒼と木の茂る独特の空気感に誘われるかのように、思わずふらりと立ち寄ってみることに。
するとそこには、深い緑の中ひっそりと佇む不動堂が。この三居澤大聖不動尊は、少なくとも400年近い歴史を持つお不動様なのだそう。
奥から絶えず響く水音に導かれるように進んでゆくと、そこには立派な二段の滝が。全く予備知識なしでふらりと訪れた僕。市街地にこんな場所がひっそりと隠れているとは思うはずもなく、突如現れた荘厳な光景に軽く鳥肌が立ってしまうほど。
自然のままの崖を落ちる、清らかな水。かつては滝行が行われていたようで、昭和中期頃までは滝に打たれる人の姿が見られたのだそう。今ではすぐそこまで市街地化していますが、きっとその頃はもっと山深いところだったのかもしれません。
帰宅後調べてみると、仙台に伝わる十二支守り本尊のうち、ここ三居澤大聖不動尊は酉年の一代守り御本尊とのこと。酉年生まれの僕は、全く予期せぬ出会いに少なからず不思議な縁というものを感じずにはいられない。
近代化遺産を見ようと訪れた三居沢。そこで触れた仙台の夜明けと、導かれるように出逢ったお不動様。敢えて下調べせず、気の向くままに巡ってみる。だからこそ感じられる旅の楽しみを改めて噛みしめ、仙台歩きはさらに続くのでした。
コメント