栗駒蔵王、名残り夏。~金銀乳白いで湯旅 1日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

栗駒蔵王、名残り夏。~金銀乳白いで湯旅 1日目 ①~

9月上旬残暑の東京駅 旅行記

9月上旬、再び僕は東京駅に居た。旅することがほとんど叶わなかったここ数年、本当に本当に辛かった。きっと僕は、回遊魚の生まれ変わり。ひとところに縛られると、窒息してしまう。

9月上旬残暑の東京駅E5系やまびこ号盛岡行き
今回の目的地は、愛する東北。前回のねぷた旅では弘前と盛岡の夏を満喫できたけれど、やはりいつもの東北縦断の夏旅が忘れられない。ということで急遽思い立ち、この旅を決心しました。

9月上旬晩夏の東北新幹線E5系やまびこ号車内のお供にサッポロビール
平日とは言え、この日も東京駅の新幹線ホームは大賑わい。団体さんや修学旅行生の姿も多く見られ、鉄道に従事する者として賑わいが戻ってきたこと自体が嬉しい限り。

9月上旬晩夏の東北新幹線E5系やまびこ号ビール片手に東京脱出
やはり長距離列車には賑わいが似合う。ようやく戻ってきた旅する感覚を味わいつつビールを飲んでいると、やまびこ号は鉛色の荒川を越えいよいよ東京脱出。毎度のことながら、この瞬間はゾクゾクする。

9月上旬晩夏の東北新幹線E5系やまびこ号斎藤松月堂いわての幕の内やまびこ
今日も3時半起きのため、もう空腹は絶頂に。ということで大宮到着を待たず、早速駅弁を開けることに。今回選んだのは、一ノ関は斎藤松月堂が調製するいわての幕の内やまびこ。もうこの絵を見てしまったらね、買うしかないんですよね。

9月上旬晩夏の東北新幹線E5系やまびこ号斎藤松月堂いわての幕の内やまびこ中身
今年は東北新幹線が開通してから40周年という記念の年。東北の大動脈を彩る新旧の雄に心躍らせつつ蓋を開ければ、思わずわっ!と声が出てしまうような懐かしさ。開通当時に一ノ関で販売していたやまびこ弁当をアレンジして復刻させたという幕の内は、最近出逢うことのないザ昭和といった雰囲気。

エビフライに煮物、焼魚と、駅弁の王道ともいえるおかずたち。その中で盛岡のじゃじゃ麺風うどんや一ノ関のあんころ餅など、列車の目指す土地を感じさせる名物が盛り込まれているのが心憎い。

9月上旬晩夏の東北新幹線E5系やまびこ号青空に輝く東北路
久々に味わう、奇をてらわない不変なる幕の内。シンプルながらきちんと調理された駅弁のおいしさの余韻をつまみにむすび丸のワンカップを味わっていると、いつしか曇天の関東を抜け青空広がる東北へ。

9月上旬晩夏の東北新幹線E5系やまびこ号車窓から蔵王山を望む
雄大に横たわる安達太良山や吾妻連峰を愛でつつ福島を抜け、やまびこ号は宮城へ。トンネルを抜けると姿を現すのは、宮城と山形に跨る蔵王山。僕は明後日、あの懐へ行く。これから向かう地を眼で追い、出逢うであろう豊かな時間に思いを馳せます。

9月上旬晩夏の東北新幹線E5系やまびこ号車窓から望む栗駒山
E5系はさらに北を目指し、色付き始める田園の中を疾走。車窓を染める実りの気配に目を細めていると、遠くに長く横たわる栗駒山。これから僕は、あそこへ行く。あのお湯との対面を目前に、早くも硫黄の香りが心を染めるよう。

9月上旬晩夏の一ノ関駅
夏の終わりの緑に染まる車窓を愛でること2時間半ちょっと、この旅最初の目的地の玄関口である一ノ関駅に到着。今回は行程の都合で行けなかったけれど、久しぶりにまた平泉にも行きたい。

9月上旬晩夏の一ノ関駅岩手県交通須川温泉行バス
駅の売店で夜のお供を仕入れて待つことしばし、僕を魅惑の湯へと連れて行ってくれる『岩手県交通』の須川温泉行バスが到着。6年ぶりに訪れる天空の湯への期待を胸に、意気揚々と乗り込みます。

9月上旬晩夏の一関岩手県交通車窓から眺める磐井川の流れ
バスはバイパスを抜け、景勝地として知られる厳美渓に沿って進みます。車窓には、荒々しい岩を穿つ磐井川。突如現れる厳美渓の始まりは、何度目にしても印象深い。

9月上旬晩夏の一関岩手県交通車窓に広がる豊かな田んぼ
まるで滝のような流れを魅せる厳美渓を過ぎ、バスは日本の背骨を目指してどんどん進みます。車窓を染めるのは、色付き始めた豊かな田んぼ。夏と秋の狭間、この時期ならではの田園風景。

9月上旬晩夏の一関岩手県交通車窓に広がる高度感ある景色
秋田との県境を目指し、国道342号線に挑むバス。田畑や人家がいつしか消え、カーブと急勾配の連続に。高鳴るエンジンによくもまあ登るものだと感心しつつ揺られていると、気づけば息を呑むほどの高度感に。

9月上旬晩夏の一関岩手県交通車窓から眺める山並み
もうあと少しで、あの湯と逢える。前回訪れたときは、僕の体に大きな影響を与えた力漲る白濁の湯。今回は、一体どんな力をくれるのだろう。空との近さを感じるあの湯との再会を控え、眺める車窓も一段と輝きを増すのでした。

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