眩い青さに目覚める朝。ベランダへと出てみれば、すでに絶好調な夏空の予感。今日は一日石垣島をドライブで回る予定。この先出逢えるであろう無限のあおさにこころ躍らせ、まずは腹ごしらえをと朝食会場に向かいます。
昨日はたっぷり焼肉を食べたので、今朝は海鮮丼を満喫することに。もっちりとした上品な白身のミーバイに、ねっとりと甘いセーイカ。朝からこんなお刺身が食べられるなんて、空いていれば来年もまたこのホテルで決まりだな。
そして今日のブルーシールアイスは、サンフランシスコミントチョコ。あまり大きな声では言えないのですが、雑食な僕としては珍しくチョコミントはかなり苦手。ですがせっかくの機会だと、ちょっとばかり挑戦。強すぎないミント感、そこに散りばめられた細かいチョコ。このバランスなら、意外といけるかも。
迎えに来てくれた車でレンタカー屋さんに向かい、相方さんの運転でいざ出発。勢いを感じさせる南国の植生、それを照らす鮮烈な夏空。文字通りのドライブ日和に、やはり車でしか味わえない車窓もあるんだよなと当たり前のことを実感。
島の内陸部、バンナ岳の麓をかすめる県道を北上し名蔵湾へ。潮の引いた遠浅の海、その先に横たわる小浜や西表の蒼い島影。海沿いを進むこの道からの眺めは、いつ通ってもため息が出る。
意外と起伏に富んだ石垣島。海辺から離れて丘へと登り、さらにその先に広がる海を見据えて軽快に下る坂道。ハンドルを握っていたら、きっと気持ちいいんだろうな。取らないとは決めてはいるが、こんなときにふと免許があったらという思いが頭をよぎる。
これまでも通ったことのあるバス通りから左に折れ、崎枝半島へ。ここから先は、未知なる場所。集落や牧場と豊かに移ろう車窓に、年甲斐もなくわくわくしてしまう。
屋良部岳の裾野を行く起伏に富んだ道を進み、たどり着いた御神崎。そこで出迎えるのは、鮮烈な夏空を目指すかのように聳える白亜の灯台。目の覚めるような眩さが、この夏色をこころへと刻み込む。
岬へと続く坂を登ると、目に飛び込むこの光景。あまりにもあおく、あまりにも緑。この瞬間の感動を伝える表現力を、残念ながら僕は持ち合わせていない。
黒と白が重なり合う荒涼とした岩肌、その先に広がる海原。鮮烈ながら深さを思わせる海の青さに、また新たな石垣島の表情を知る。
岬に立ち、海風に吹かれながら眺めるこの雄大さ。これを絶景と言わずして何と言おう。眼前に広がるあまりに壮大な情景に、胸の深い部分がぎゅっとなる。
呆然と立ち尽くし眺める水平線。本当に、来られてよかった。こんな鮮やかな感動の積み重ねが、僕のなかの石垣島というものをより鮮明に大きく育ててゆく。
荒々しい表情を魅せる北側から一変し、海風になびく草が印象的な南西側。珊瑚礁を透かす温かな色をした海、そこに浮かぶ蒼い島。圧倒的な八重山のあおさを、今はただ全身に浴びていたい。
八重山の雄大さをしかと受け取り、そろそろ車へと戻ることに。胸を焦がす絶景に別れを告げ踵を返せば、あまりにも強烈な夏景色。
ちょっとこれは、忘れられない体験になったな。最北端の平久保崎もそうだが、もし車があるのならここに来ないのはもったいない。そう思わせてくれるあまりの絶景を、もう一度眼にこころに灼きつけます。
御神崎を後にし、せっかくなのでそのまま南下し崎枝半島をぐるっと回ることに。中央に聳える屋良部岳の裾野にあたるため、思ったよりも木々の深い道のり。山を抜けぱっと海の眺望が広がったと思えば、どうやらそこは橋の上。
西表がきれいに見えていたため、せっかくなので車から降りてみることに。するとそこには、隠されるように佇む小さな浜。すぐそこには複雑な海底地形が見て取れ、改めて海の表情の豊かさに目を奪われる。
さらに南へと車を走らせていると、海側にぽつんと駐車場が。浜辺に出られそうなので車を停め歩いてゆくと、木々の合間からはため息の出るようなきれいな海が。
延々と続く砂浜、その背後を守るように連なる森。ここ大崎海岸はあまり観光客に知られていないようで、とても静かな雰囲気に包まれています。
沖合はダイビングスポットになっているようで、見てのとおりたくさんの舟が。水が得意ではないのでシュノーケリングやダイビングは未経験ですが、きっとすばらしい世界が広がっているんだろうな。
それにしても、今日は格段にあおい日だ。抜けるような夏の空、その色を溶かしこむ碧い海。雄大な西表は蒼い影となって横たわり、今夏のあおさをこれでもかと胸へと灼きつける。
そして何より驚くのが、目を見張るほどの透明度。この穢れのない海だからこそ、空の輝きをこれほどまでに映すのだろう。
偶然出会えた大崎海岸の鮮烈なあおさにこころを打たれ、次なる目的地へと向かうことに。広々とした牧場が続く、崎枝半島の南側。牧草地の雄大な情景が果てるころ、その先に姿を現す碧い名蔵湾。
崎枝半島一周の旅を終え、川平を通過し底地ビーチに到着。今回レンタカーを借りたのは、ここでのんびりしたかったから。今年は一体どんな景色で迎えてくれるのだろう。木々の隙間から覗く眩しさに、弥が上にも期待は高まります。
涼しい風の流れる林を抜ければ、視界を染めあげる眩いあお。言葉にならぬほどの夏色に、我を忘れしばし佇む。
この底地の海は、僕にとって大切な想い出の地。35歳にして、生まれて初めて訪れた沖縄。あそこに見える石垣シーサイドホテルで過ごした濃密な3泊が、今の僕を創ってくれた。
どこまでも遠浅の底地ビーチ。ちょうど干潮の時間帯だったため、ネットの際まで行ってもすねまでの深さ。海上を吹き渡る風を浴びつつ眺める情景は、海と空の境界すら溶けゆく夢幻の世界。
太陽から逃げ場のないビーチと違い、ここは木陰があるのも嬉しいところ。こうして日陰に座りぼんやり海を眺めれば、日々のあれこれなどきれいさっぱり吹き飛んでゆく。
潮が引き遠くまで歩けそうなので、のんびり浜辺を散歩してみることに。自分が今どこにいて、何をしているのか。そんな現実感すらあやふやになる、陸と海が綯い交ぜになった幻想的な光景。
すっかり干上がり陸となった海底、帯のように細くのびるミンサー色の海。その先には、先ほどまでいた崎枝半島や御神崎の姿が。
さらに進んでゆくと、深い森を抜けさらさらと流れる川。普段はこのように穏やかな流れを見せていますが、ひとたび台風が来ればこんな大きな木も運ぶほど荒れるのでしょう。
さらさらとした流れに足を浸ければ、この炎天下に嬉しい水の冷たさ。よくよく見れば小さな魚がたくさん泳いでおり、その姿を追いながらしばし佇み涼を得ます。
河口側へと目をやれば、こころを溶かすこの情景。どこまでが川で、どこからが海か。そんなことなどどうでもよくなる、夢と現の間を漂うような不思議な世界。
普段は海底であろう場所から見返す底地ビーチ。そのすぐ後ろには、屏風のように聳える前嵩。海と山の近さ、そして木々の濃密さが手に取るように伝わる印象的な光景。
そのまま水際を歩いてゆくと、海底に造られた無数の小さな砂の山。近くには穴が開いており、きっとこの下にはかにか何かが棲んでいるのでしょう。
のんびりさんぽを愉しんでいると、だんだんと満ちはじめる海。先ほどまでの広大な砂浜からは一変し、そこに広がるのは幾重ものあおさを湛える水の世界。
今回は干潮に重なったため海水浴とはいかなかったけれど、それはまた来年だな。次へと繋がる宿題を手に入れ、穏やかさに包まれた底地ビーチに別れを告げるのでした。
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