10月下旬、雨の羽田空港。ここから僕らは、南の島へと飛び立つ。沖縄を知ってから、もう10年。以来毎年のように逢瀬を重ねてきたが、飛行機の乗り換えを利用して国際通りと首里城に立ち寄った以外、知っているのは八重山のみ。
八重山旅行のために毎月積み立てている貯金もちょっとばかり余裕が出てきたし、一度は八重山以外の沖縄も経験しておこうか。一昨年あたりからそんな話しが出はじめ、そして今日ついに人生初の宮古行きを決行。

1週間前に就航したばかりのちいかわジェットを発見し、浮足立ちつつ搭乗口へ。僕らを宮古へと運ぶ飛行機を待っていると、ポケモンジェットの赤がスポットへ。特段ポケモンのファンではないけれど、のりもの好きのおじさんは年甲斐もなくうれしくなっちゃうよ。

ずらりと並ぶポケモン仕様のヘッドレストカバーに迎えられ、自席に座り待つその瞬間。何度経験しても、離陸前のこの感覚は堪らない。これから幕を開ける旅への高揚感もあり、まだかまだかとじれったくもあり。そんな僕を乗せた飛行機は、鉛色の空へと向けついに離陸。

大型機らしいゆったりとした上昇を続けるB787。分厚い雨雲を抜けたかと思えば、機窓には待ちに待った青空が。数日前に先島諸島を襲った台風30号は、温帯低気圧に姿を変え本州近くを東進中。この1週間、スマホを開けば天気予報ばかり。飛べてよかったと、ほっと胸を撫でおろす。

雲の中こそ揺れていたものの、雲上での飛行は快適そのもの。ベルトサインも消え待つことしばし、ドリンクサービスが開始。飛行機での欠かせない楽しみとなったビーフコンソメスープをお願いすると、紙コップもこの機専用のポケモン30周年仕様。

沖縄側の航路の混雑により20分ほど遅れて出発しましたが、向かい風が弱いため到着は定刻通りを予定との機長さんからのアナウンス。人生初宮古まで、あと30分か。そんな静かなる興奮を抱きつつ空の青さに目を細めていると、搭乗記念ステッカーの配布が。

これまで視界を遮っていた雲もいつしか途切れ、眼下には西日に煌めく沖縄の海が覗くように。黄金色に染まっていても、その温かな青さが伝わるこの表情。この海原を見ると、南国までやってきたという実感が一気に湧いてくる。

ちりめんのようなうつくしい海に見入っていると、いよいよ飛行機は降下を開始。着陸態勢に入ったというアナウンスの後には、雲間からついに姿をあらわす宮古島。

機窓を真っ白に染める雲を抜けたかと思えば、ついにはっきりと宮古島の様子が見えるように。これまで上空から眺めたことはあったものの、こうして間近で見るのはもちろん初めて。

そうか、これが宮古の色なのか。宮古ブルーという言葉を目に耳にしたことは数知れず。それがいま、こうして視界を染めている。初めて対峙する種類の青さに、はやくもこころが奪われる。

宮古島の姿を惜しげもなく魅せるかのように、島に沿って飛ぶ飛行機。はじめての石垣島のときもそうだった。風向きの妙に感謝しつつ眼下の非日常に目を奪われていると、B78は意を決したかのように降下を開始。

一点を見据えるかのごとく高度を下げ続け、飛行機は轟音とともに宮古空港に無事着陸。
それにしても、あの青さも驚きだが本当に平たい島なんだな。これからこの島で繰り広げられる、はじめて尽くしの日々。未知との遭遇への期待に胸を膨らませ、ベルトサインが消えるのを今か今かと待ちわびるのでした。


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