北東北 夏巡り ~漲る灯り、地の滾り。 3日目 ④~ | 旅は未知連れ酔わな酒

北東北 夏巡り ~漲る灯り、地の滾り。 3日目 ④~

暮れ始めるねぷた待ちの弘前の空 旅行記

弘前で迎える二度目の夜。ねぷたを待ちわびる街を覆う空は、その灯りが一層際立つようにと暮れる準備を始めます。

夏の弘前ねぷたの始まりを告げる合同運行のねぷた
そして迎えた、熱い夜の始まりの瞬間。合同運行と書かれたねぷたが、灯りと情熱の洪水が始まることを告げます。

夏の弘前暮れ始めた空へと届く津軽情っ張り大太鼓の音色
暗くなりはじめた夏空へと届けるかのように、力強い音色を響かせる津軽情っ張り大太鼓。弘前ねぷたを印象付ける独特なリズムが、祭りへの期待を一気に燃え上がらせます。

夏の弘前子供の描いた可愛いねぷた絵
迫る夜の気配と共に、増し始めるねぷたの灯りの存在感。ときには勇壮な鏡絵に混じり、子供の描いた可愛い武者絵も。こんな小さい頃からねぷたに携わる文化があるからこそ、数百年続く祭りを支える絵師の方々が生まれるのでしょう。

夏の弘前笠地蔵の描かれた小さいねぷた
見上げるほどの大きいねぷたの持つ迫力もさることながら、先導する小さいねぷたの様々な表情を味わうのも楽しみのひとつ。このねぷたには、穏やかな表情をした笠地蔵が描かれています。

夏の弘前可愛く光る犬のねぷた
数々のねぷたが放つ勇壮さや優美さの中に、彩りを与える可愛いねぷた。このリズムがあるからこそ、長い時間続く運行も飽きることなく見続けられるのです。

夏の弘前ねぷた夜空に輝く伊達政宗出陣の図の鏡絵
空もとっぷりと暮れ、ねぷたの灯りが際立つ頃。現れたねぷたの鏡絵には、溢れる色彩と共に描かれた伊達政宗公の雄姿が。仙台の雄の頂く三日月が津軽の夜空に輝く姿に、同じ東北としての絆を感じます。

夏の弘前ねぷた弘前城と淡い色をした枝垂れ桜の美しい見送り絵
勇ましい政宗公の裏には、淡い色をした枝垂れ桜に包まれる弘前城。表裏一体。鏡絵と見送り絵の対比が、ねぷたを一層印象深いものとしています。

夏の弘前ねぷた鮮やかな夕陽に舞う烏
先ほどのような儚さ漂う見送り絵がある一方で、こんな鮮やかさを持つものも。夕陽に舞う黒々とした烏と、妖しく微笑する幽霊の姿。ただただ勇ましいだけではない。ただただ美しいだけではない。ねぷたの持つこの独特な世界観こそが、僕を魅了し続ける正体なのかもしれない。

夏の弘前ねぷた見送り絵一面に舞う龍と牡丹
見送り絵の一面に散りばめられた牡丹の中舞う、二頭の龍。溢れんばかりの色彩に載せて伝わる力に、ただただ圧倒されるばかり。

夏の弘前ねぷた津軽の象徴である岩木山が描かれた見送り絵
今年は特に美しい見送り絵が多かった印象が。こちらのねぷたには、津軽の象徴ともいえる岩木山が、堂々たる姿で描かれています。

夏の弘前ねぷた武者絵となった可愛いたか丸くん
次々とやって来る、意匠を異にしたねぷたの数々。可愛いたか丸くんも、時には武者絵に変身して見る者をなごませます。

夏の弘前ねぷたたか丸くん達がねぷたを運行する図柄の小さいねぷた
続いてやってきた、小さいねぷた。ですがよくよく見ると、ものすごく工夫が凝らされた鏡絵に驚き。たか丸くん達がねぷたを運行するお祭りの様子、それ自体が図案になっています。

夏の弘前ねぷた宝玉から溢れる光が印象的な鏡絵
たか丸くんの可愛さに癒されていると、奥から鮮やかな鏡絵のねぷたが。宝玉から溢れる光の姿に、ハッと目の醒めるような鮮やかさを覚えます。

夏の弘前ねぷた閻魔大王と地獄の見送り絵
夜空を燃やす色彩の洪水に酔っていると、ひときわ目を引く真っ赤な見送り絵が。閻魔大王が描かれたそれは、地獄の様子を表しているのでしょう。美しさの中にも戒めがある。眠り流しという農民の知恵から生まれたねぷたならではの意匠なのかもしれません。

夏の弘前ねぷた夜空に輝く津軽為信公
夏の暑さと農作業の忙しさでバテるこの時期、その眠気や怠け心を流そうと生まれたという眠り流し。いつしかその行事は津軽を彩る祭りとなり、全国の人々を魅了するように。そんな熱気に包まれた弘前の街を、為信公は力強い眼で見つめています。

夏の弘前ねぷた漆黒の空を飛ぶ二頭の龍
更けゆく夜空と同化するような漆黒の中飛ぶ、二頭の龍。その姿を一層力強いものとする、ヤーヤドーの掛け声と鉦や太鼓の刻む音色。

弘前の夏夜を焦がす、幾多ものねぷた。いつしか自分もその熱気の一部となり、熱い祭りは更に続くのでした。

コメント

  1. :柴犬クッキー より:

    こんにちは。
    今年もあと2週間ですね。
    1年がアッと言う間に過ぎてしまいます。
    また1つ歳を取ってしまうのかと思うとなんだか寂しいような感じがします。
    いつも思うんです。
    人生いつ終わるか分からないけど、
    70歳、75歳になったら
    「貴方を迎えに来ますよ」と言ってくれればそれなりの覚悟をしますが、それが分からないのがちょっと残念です。
    今はまだ元気です、だから週1回のスーパー銭湯巡りを主人としています。
    お互いお酒も飲まないただ、温泉
    に行った時に美味しい物食べて帰るそれだけが楽しみです。
    子供も家族を持ち、主人の父(義父)は施設に居ます。
    まだまだ主人も働らけるし、私も
    家を守り、義父の所に顔出して
    毎日その繰り返しです。
    年が明けるとお互いに還暦です。
    還暦のお祝いは子供達が祝ってくれる?はずが無い・・・
    だから実費で主人と旅行に出かけようかと思っています。
    以前から行きたかった箱根・・
    大涌谷の予定をしています。
    でもまた違う所がいいなぁ~と
    言うと・・・変更になるかな?
    行きたい所はたくさんあります、
    でもお金と相談しないとね。
    結局帰ってくると、あぁ~家が一番だなぁ~って言うの目の前に見えてるんですよね。
    でも今回は自分達の記念に是非行きたいです。

    自分の事ばっかりでごめんなさい。
    しまちゅうさんもお酒のみ過ぎないようにね。

    今は熱燗が美味しい季節ですよね。

    それでは・・・いつも覗いていただきありがとうございます。
    まだまだ寒くなります、お身体に
    気をつけてくださいね。

    • shimachu より:

      柴犬クッキーさん、こんにちは!いつもコメント頂き、ありがとうございます!
      本当に早いもので、もう一年が終わろうとしています。毎年毎年色々なことがありますが、こうして無事に年末を迎えられ、なんとなくほっとしています。
      還暦を迎えられるとのこと、おめでとうございます!!箱根でのんびり、いいですね~♪いつもの疲れをゆっくり温泉で癒してきてください。
      最後になりましたが、今年もあと半月をきりました。急に寒くなってきましたので、風邪など引かぬようご自愛頂き、良い年末をお過ごし下さい。今年も本当にありがとうございました。来年も何卒よろしくお願い申し上げます!

タイトルとURLをコピーしました