古き良き時代の八重山を感じさせてくれたやいま村に別れを告げ、来た道を戻ります。やいま村入口バス停のすぐ横には、観光スポットともなっている名蔵大橋が。橋上からは、マングローブの群生する名蔵アンパルと沖縄県最高峰である於茂登岳が一望のもとに。
再び『東運輸』の川平リゾート線に乗り、フサキビーチリゾートで下車。建て替えられたばかりのおしゃれなホテルを抜け、フサキビーチへと向かいます。
焼き付くような晴天の下さっそくレジャーシートを広げ、冷たいオリオンで青さに乾杯。見渡す限りの、無限の青。空も青ければ、海も青。これを爽快と言わずして、何を爽快と言うのだろうか。
若干赤みがかった砂が印象的なフサキビーチ。抜けるような青さとの対比は、白く輝く砂浜とはまた違った美しさ。ごろんと寝ころび、全身に浴びる八重山の恵み。日射、熱射、風に波の音。暑くなったら、海に入ってクールダウン。この幸せを教えてくれた八重山に、感謝せざるを得ません。
これからまだまだ続く滞在、ここで日焼けに負けてしまってはもったいない。ということで、全身こんがり焦げたと感じたところで早めの退散。再び川平方面のバスに乗り、やいま村を通り越してフーネのバス停へ。
陽射しを隠し清涼を与える木陰に佇む、素朴なバス停。その先には、どこまでも続く名蔵湾の遠浅な海。普通のバス停すら、胸を焦がす景色にしてしまう。八重山の夏休みには、心の琴線に触れるような何気ない美しさが溢れすぎています。
フーネから別系統のバスでターミナルへと戻り、ホテルで軽く一休み。お腹もすいたところで、今夜の晩餐の舞台となる『海鮮肉料理あきら』へとお邪魔します。
ホテルに置いてあった情報誌で見つけたこのお店。クーポンを出すと、サービスの肉寿司がもらえました。サービスと言っても、使われているのは美崎牛。一口で頬張れば、程よい甘味と牛の風味がシャリを美味しく包んでゆきます。
続いては、石垣牛ローストビーフを。赤身の中に適度にサシの入った石垣牛は、噛めば溢れる濃厚な旨味と甘味。それでいて、牛臭くないのが不思議なところ。毎度思うことなのですが、石垣牛は本当に上品で旨い肉。
肉、肉と来たので、今度は郷土料理を。僕の大好物であるソーメンチャンプルを頼みます。こちらのソーメンチャンプルは、豆もやしとニラの食感が美味しい一品。濃すぎず薄すぎず、どんどん食べ進みたくなる丁度良い塩梅の味付けも僕好み。
続いては、お店の名前が冠されたホルモンのあきら焼き。石垣牛のホルモンとキャベツを、白みそベースの甘めのタレに絡めたもの。ホルモンの脂のコクと旨味が味噌に溶けだし、タレまで掬って完食してしまいました。
お次は魚料理を。こちらのかつおのたたきは焼き立ての温かい状態で、こんがり焼かれた皮目の香ばしさが堪りません。添えられた一味おろしもまた、さっぱりピリリといいアクセントに。
がっつり系のお料理が続いたので、ジーマーミ豆腐で箸休め。きなこと黒蜜が掛けられ、甘すぎず香ばしい風味がお酒にぴったり。泡盛が一層進んでしまいます。
最後の〆にと選んだのは、美崎牛のメンチカツ。一口噛めば、サクッとした食感に続いて溢れる肉汁。ものすごく肉感が濃く、ソースなしでも十分な旨味の強さ。久々にこんなに肉肉しいメンチカツに出会いました。
八重山の食は本当に外れがない。今夜も大満足で、お店を後にします。ほろ酔いで見上げる、まだ明るさの残る空。これでも時刻はもう19時過ぎ。石垣の日の長さは、毎度のことながらいつもとは違う時間軸を味わわせてくれる。
旨い料理に青い景色、ゆったり時間の流れる石垣島。あぁ、やっぱり住みたいねぇ。そんな妄想を二人で呟きつつ、ライトに輝く夜の街を歩くのでした。
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