八重山、那覇と、沖縄を6日間満喫した旅ももうすぐ終わり。途中国際通りで最後の那覇の空気感を味わい、那覇空港へと到着。あぁ、本当に楽しかった。願えばまた来られる。その思いをこの地に託し、空港内へと吸い込まれます。
飛行機の時間まではまだ少し余裕が。ということで空港内の『風月那覇空港店』で、少し早めの夕食をとることに。
まず注文したのは、うちなーおでん。以前テレビで沖縄のおでんが紹介されているのを見て、いつかは食べようと思っていた一品。よく煮込まれたてびちや三枚肉はほろりとろとろと柔らかく、沖縄おでんの特徴である菜っ葉(この日はレタス)もだしを吸って絶妙な食感に。
それにしても、このおだし。かつおベースであることは慣れ親しんだおでんと変わらないのですが、やっぱり何かが違う。具材に豚が多用されているからでしょうか、薄味ながらしっかりとした旨味が詰まっています。これ、ずっと飲んでいられるやつ。
よし、次回の石垣ではおでんも食べよう。冷たいオリオン片手に、来年への妄想を膨らませます。そして眺める、飛行機と海。海のある時間も、もう残すところあと僅か。弱まり始めた沖縄の陽射しが、その感傷を一層強くするかのよう。
続いては、沖縄県魚であるグルクンの南蛮漬けを。衣をまとった上品な白身はほっくりと揚げられ、甘さや酸味、塩分の丁度良い南蛮酢に漬け込まれれば説明不要の美味しさに。
こちらもオリオンには欠かせない、ちきあぎ。実はこのちきあぎ、さつま揚げのルーツだとか。チキアギが薩摩に渡りつけあげに、そして全国に広まりさつま揚げとなったのだそう。
この旅最後の魚の天ぷら。一口噛めば、ぶりんとした心地よい歯ごたえと、口に広がる旨味とほんのりとした甘み。あぁ、やっぱり沖縄はかまぼこが旨い。東京で食べるさつま揚げとは一線を画す、上品かつしっかりとした素材の旨さ。この美味しさは、来年までお預け。思い残すことのないよう、冷たいオリオンと共にお腹へと落とします。
あたりはすっかり暗くなり、いよいよ東京へと戻る時間に。空港内にある『ポークたまごおにぎり本店』でポーたまを買い込み、機内へと搭乗します。
小さなB737は、暗い滑走路を轟音あげて夜空へと離陸。眼下には那覇の街の灯りが遠ざかり、夜の旅立ちのもつ感傷を一層深くしてしまう。また、来年。僕はもう、沖縄なしでは夏を越せぬ体になってしまった。次回への期待を託し、暗い機窓を見つめます。
飛行機も水平飛行へと移ったころ、買ったポーたまを食べることに。焼いたスパムの香ばしい旨味と、シンプルにふんわりと焼かれた卵。挟むご飯は沖縄のもちもち過ぎない美味しいお米で、ほろりとほどける食感もその美味しさのひとつ。
この旅も、本当に最高だった。最高なんて言葉、本当はあまり使わないようにしている。だって、乱用したら、特別なものではなくなってしまうから。でも敢えてもう一度言う、本当に最高だったと。
初めて訪れ触れた那覇の空気に、毎度僕を染めあげる八重山のあお。来てよかった。心からそう思える場所、沖縄。いつもなら湿っぽくなってしまう帰京の時間も、沖縄旅だけは違う。来年までの1年間、生きる勇気をもらったから。
羽田に向け、時速800㎞超で飛ぶ飛行機。機窓の先には星が移ろい、青く輝くウイングレット。この夏も、本当に青かった。詰め込んだ来年への希望を胸に、瞬く星をただただ見つめるのでした。
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