ディーゼルの響きに揺られること3時間とちょっと。東北は福島の郡山駅に到着。ここは初めて降りる駅です。以前テレビで、福島の県庁所在地は福島市だが、経済の中心は郡山だ、と言っていた郡山市民がいましたが、なるほど、駅前は福島よりも栄えている気がします。
乗り継ぎの列車まで少し時間があるので、駅前を散策することに。駅の目の前から伸びる大きな道路のほかに、アーケードや商店街が広がっています。
街の雰囲気は、所謂スタンダードな地方都市。ですがすれ違う人々の口からは東北訛りが聞こえ、ここが東北である証のように耳に心地よく響いてきます。
今回の旅行では、敢えて下調べをあまりしてきませんでした。元は急遽思い立った気ままな旅。何の予備知識も無く足の向くままにふらつくのも、たまにはいいものです。
再び郡山駅へと戻り、東北本線に乗車。この電車は鉄道ファンからは嫌われ者のロングシート車。高校生の頃、一度だけこの電車に3時間程乗りましたが、もう二度と嫌だ、というほどお尻が痛くなりました。10年振りの因縁の再会です。
今回は黒磯まで約1時間の乗車なので、そこまで苦痛を感じることはありませんでしたが、驚いたのはその混雑。郡山まで6両編成で来たものを、後ろ4両切り離しをし、2両編成での運転に。
到着前のホームには長蛇の列で、僕は運良く席を確保できましたが、並んでいた人&後ろの車両から移ってきた人で車内はさながらラッシュ状態。
車内を見てみると、大体の人が青春18キッパーか僕のようなツーデーパス利用者と思われる人々。地元の方に窮屈な思いをさせて申し訳ない、とちょっと肩身の狭い思いをしながら黒磯に到着するのを待ちわびるのでした。
東北で思いがけないラッシュにもまれ、到着した黒磯駅。東北本線はこの駅を境にして、東京側が直流電源、東北側が交流電源と分かれています。ただ実質的な首都圏の運転形態となるのは、次に目指す宇都宮から先。黒磯からさらに1時間掛けて宇都宮を目指します。
黒磯で待っていた電車は6両編成なので、先程の大混雑とは打って変わって余裕で座ることができます。でも、やっぱりロングシート。
仕方が無いことだとは分かっていても、どうしても旅情は半減してしまいます。JRもこれが不評だと言うことに気付いたようで、最近の中距離列車には、何両かクロスシートの車両を連結しています。
黒磯から1時間ちょっとで宇都宮に到着。ロングシート車のお陰で、だいぶ本も読み進めることができました。ここで遅めのお昼ご飯。宇都宮と言えば、やはりアレでしょう。
宇都宮と言ったらやっぱり餃子!ベタと言われようが何しようが、やっぱり食べます。宇都宮駅ビルには何店舗も餃子屋さんが入っており、どこのお店に入るか迷ってしまいます。でも今回は乗り継ぎの時間もあるため、すばやく決断しなければなりません。
そこで入ったのが、1階にある『みんみん』。(現在は3階に移転)ここは前回宇都宮に立ち寄ったときに来たことのあるお店で、そのときは長蛇の列でした。今回は時間がずれているためか、難なく入店。
気が付いたら背後に行列が。本当にいいタイミングで入りました。ビールを頼みチビチビとやっていると、お待ち兼ねの餃子のお出まし。きれいなキツネ色に焼かれた餃子が並んでいます。
一口噛んでみると、じゅわっと肉汁が染み出てきます。皮のパリパリ感とジューシーさのバランスが丁度いい。前回来たときはインパクトが薄く、これが餃子の有名な街の人気店なのか?と感じましたが、2回目に食べてみるとその人気の理由が分かったような気がしました。
味付けは至ってシンプルで、余分な香辛料や調味料の味はしません。具も野菜がたっぷり入っており、そのシャキシャキ感もしっかり残っています。所謂コテコテの餃子ではなく、あっさり餃子。それが前回は物足りなく感じたのでしょう。
ですがこれくらいシンプルであっさりしているからこそ、餃子をよく食べる地元の人に愛されているのかもしれません。あまりコッテリだとしょっちゅう食べたいという気にはなりません。
こちらは水餃子。餃子一人前240円という安さのため、気兼ねなく焼きと水を頼むことができます。水餃子は油で焼いていない分、素材の味がダイレクトに感じられます。野菜の甘さが際立つ優しい味。
それにしても宇都宮の人は本当に餃子が好きなようです。時間は15時をとっくに回っており、食事の時間帯で無いにも関わらず、あっという間に満席に。
僕の様な観光客もちらほらいますが、買い物帰りのおばさんの多いこと。おやつ代わりに餃子屋さん、ちょっとイメージ湧きません。さすが餃子に掛けるお金が日本一の街。今日のメインである餃子を満喫し、一路新宿を目指します。
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