伊豆大島サイクルツアー ~3日目 ①~

伊豆大島の馬

翌日は9時前にペンションをチェックアウトし、三原山へアタック。漕ぎ出してからすぐに昨日の疲労が足にじわじわときます。

三原山への登りは「三原山登山道路」を利用します。これは昭和の大噴火の後に整備された道路で、勾配は比較的ゆるく、自転車で登ることができます。

とは言っても、山頂口の駐車場まで5回は小休止を挟むことに。結構キます。

登山道路自体は椿を始めとする林の中を進むので、あまり景色はよくありませんが、一定の標高を越すと太平洋が眼下に広がりとっても気持ちいい。その頃には植生も低いものになり、空と海と緑の世界になります。

視界が開けてちょっとしたところに放牧場が。沖縄の古来の馬を連れてきて放牧しているよう。予約すれば三原山の溶岩原でのライディングもできるようです。

このときは朝だったこともあり、みんな立ちながら寝ているみたいです。長いまつげをパシパシしながらじっとしています。

三原山

登山道路は先ほどの放牧地を過ぎると一気に勾配が落ち着きます。やっとチャリらしい速度を出せます。

その先新火口展望台から三原山を一望することができます。遠目にでも前回の大噴火で流れた溶岩を確認できます。

たびたび噴火がおきるからでしょう、高い木は全然生えていません。不思議な光景です。

三原山登山道

宿を出発してから1時間強、やっと山頂口の駐車場へ到着。自力で登ってきた嬉しさに浸るのもつかの間、この先は自転車は乗り入れ禁止の登山道を片道45分かけて山頂へと向かいます。

このアングルから見た三原山は、まさに噴火のニュースで見た映像そのもの。それはそれは恐ろしい映像で、今でも鮮明に覚えています。

その時オレンジ色に妖しく光を放っていた溶岩流は、黒い筋となって同じ場所に傷跡を残しています。

三原山溶岩流

登山道の中盤、1950年代の大噴火で流れ出た溶岩流が横たわっている様を間近に眺めることができます。

2階建てのアパートほどの高さがあり、それが山頂から延々大蛇のようにうねりながら続いています。怖い・・・。さすが三原山は世界3大流動性火山。

三原神社

山頂の手前に神社が祀られています。歴史は凄く古いそう。

その壮大さを写真に収めることはできませんでしたが、1986年の噴火で流れ出た溶岩流がお社の真後ろで流れを分かち、ほんの30cmほど近くをかすめ流れ落ちた後がハッキリと残っています。

あの大噴火でも消失しなかったとのこと。直に肉眼で見ると信じがたい光景です。斜面に建つ神社はどう見ても溶岩流の餌食になるはず。

それが背後でいきなり真っ二つに裂かれています。まさに神のご加護があったとしか言えないような神秘的な力を感じる風景。

三原山火口

頂上には2つの見学コースが用意されており、手軽に噴火口を見ることができる「火口コース」がありますが、三原山にわざわざ逢いに来た僕は火口一周コースへ。

一周して45分ほどなので、時間に余裕のある方はぜひ行かれることをお勧めします。

そこはまさにクレーター。地球がダイナミックにえぐられています。底は水も溜まっておらず、瓦礫が堆積しています。

壁には硫黄などの析出物も見て取ることができます。かつてこの巨大な穴からオレンジ色のマグマが絶え間なく噴出しました。

現在は平静を装っていますが、いつこの魔の口から地球の血液が噴き出すかわかりません。

なんだか、地球の見てはいけない体内、内臓の入り口を覗いてしまったような感覚です。

三原山裏砂漠

山頂から大島東岸側を見た様子。このあたりの大島の麓は「裏砂漠」と名付けられていますが、そのとおり。

黒い溶岩性の砂が限りなく広がり、見て取れる植物は草だけ。雨が流れを作った筋もくっきりと残るほどの荒野。まさに砂漠、この世の果て。

三原山陥没する火口

こちらは違う角度から見た噴火口。草原の中にポッカリと口を開けています。

ここは噴火活動中沈下してこのような姿になったようなので、大噴火以前は周囲と同じような草原だったのかもしれません。

逆を言えば、明日にでも草原にいきなり噴火口が出現し、灼熱の溶岩流を吐き出す可能性がある、ということ。

人なんてまったく非力な虫みたいな存在です。自然と共存するにはまずそれを認めることから始めないと・・・。

三原山火口からのぼる水蒸気

火口付近には、写真のようにいまだに水蒸気を噴いている箇所があります。地球の胎動を身近に感じる貴重な風景です。

御神火スカイラインからの海

山頂を一周し、下山することに。三原山の登山道路は2ルートあり、勾配が緩やかな三原山登山道路のほうは登りに利用しました。そちらは1986年の噴火後に整備されたもの。

帰りはそれ以前から存在する旧来の登山道を下ることに。「御神火スカイライン」です。三原山を下り始めた頃には写真のようなパノラマを楽しむことができます。

勾配がかなりきつく、気がつくと相当スピードが出ているので、ひっきりなしにブレーキをかけなければなりません。

終点の元町へ着く頃には、握力がかなりヤバイことになっていました。

でもこの爽快感、名実共に自分の足だけで三原山登頂を果たした自分だけのご褒美です。このルートが断然おすすめ。

伊豆大島サイクルツアー
東海汽船船尾と愛車
2008.8 東京
旅行記へ