ふわりふらりと北海道 ~びっくり価格で驚きの白さ 3日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

ふわりふらりと北海道 ~びっくり価格で驚きの白さ 3日目 ②~

1月中旬冬の初十勝帯広駅から根室本線普通列車で池田駅へ 旅行記

生まれて初めての競馬場でお馬と触れ合い、クセになる味わいのカレーに舌鼓を打ち。午前中からそんな帯広の魅力を満喫し、午後はちょっとばかり足を延ばしてみることに。

1月中旬冬の初十勝帯広駅停車中のH100形気動車DECMOデクモ普通列車釧路行き
ホームごとに改札口が分かれているという、おもしろい構造をした帯広駅。乗る列車の改札開始が告げられ1番線へと向かうと、そこには見たことのあるような車両が。

そうだ、JR東日本の車両をベースにした新型をJR北海道が導入しているんだった。去年初めて五能線で乗った、電気式気動車GV-E400系。それを北海道向けにアレンジしたH100形により、古い気動車の置き換えを進めています。

1月中旬冬の初十勝根室本線H100形釧路行き普通列車は十勝川を渡る
僕にとって、北海道といえばのデッキ付き二重窓のキハ40。引退まであと1年、もうきっと再会を果たす機会はないだろう。酷寒地ならではの愛着ある車輌との記憶を辿っていると、新型気動車は川幅の広い十勝川を軽快に渡ってゆく。

1月中旬冬の初十勝根室本線H100形電気式気動車DECMO釧路行き普通列車大きな車窓に広がる雪原
DECMOの愛称が与えられたH100形。これからは、この車両が北の大地を駆ける鉄路の顔となってゆく。五能線で乗ったときも感じたことですが、電気式になってもディーゼルカーはディーゼルカー。気動車の情緒を残した新型に、僕の新たな旅路を刻みたい。

1月中旬冬の初十勝池田駅
軽快な走りをみせるデクモに揺られること30分ちょっと、この旅最後の目的地である池田に到着。ここで降りるということは、目指すはもちろんあの場所。

1月中旬冬の初十勝池田駅前に鎮座する巨大なワインオープナーのモニュメントと遠くに見える池田ワイン城
駅前には、この地らしくワインオープナーの巨大なモニュメント。冬空に鈍く輝くステンレスの奥には、すでにその姿を見せている池田ワイン城。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城
駅から線路沿いを進み跨線橋を渡れば、10分程で『池田ワイン城』に到着。モノクロームの冬景色のなか、ずっしりと佇むコンクリート造り。この重厚感溢れる無機質さは、この時期ならではの光景。

1月中旬冬の初十勝池田ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城から望む十勝平野の雄大な冬景色
雪のうっすら積もった階段と坂道を、滑らぬよう一歩一歩慎重に登り振り返る。眼前に広がるのは、冬という季節に覆われた十勝の雄大な大地の展望。凛とした空気のなかこの荘厳さを感じられただけでも、ここまで来た甲斐があった。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城の重厚感溢れるコンクリート建築
西洋の城郭のような見た目から、池田ワイン城と呼ばれるこの施設。正式名称は池田町ブドウ・ブドウ酒研究所といい、日本初の自治体経営によるワイナリーなのだそう。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城に展示された様々なサイズのワインボトル
築50年を迎えるコンクリート建築からにじみ出る迫力に圧倒されつつ、階段下の入口から中へ。地下1階にはワインの製造に関する資料や、様々なサイズのワインボトルが展示されています。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城に展示されたワインを熟成させるための甕
館内に漂うぶどうの薫りに鼻をくすぐられつつ、展示で学ぶ池田でのワイン造りの歴史。昭和20年代に地震や凶作に見舞われ、財政再建団体に指定されてしまったという池田町。そこからの脱却を図るため、ぶどうの栽培からワインの醸造へと研究が進められたのだそう。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城地下熟成室に並ぶいくつもの樽
これまでに何度も飲んだことのある、トカップをはじめとする十勝ワイン。ここに来るまで、そんな歴史から生まれたものだとは全く知らなかった。北海道の厳しい自然との戦いの末に、今では数々のおいしいワインが醸されています。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城地下熟成室壁面に保管された研究用のオールドビンテージワイン
元来ぶどうの栽培には向かないという池田町。ブドウ・ブドウ酒研究所というだけあり、地下熟成室には研究用として保管された古いワインがたくさん。壁面にずらりと並ぶボトルには、昭和38年から始まったこの地でのワイン造りの歴史が詰まっています。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城有料試飲で独自品種3種の赤ワイン飲み比べ
これまで気軽に飲んでいたワインの重たい歴史に触れ、1階の販売スペースへ。その一画には有料で試飲できるカウンターがあり、池田町の誇る独自品種で造られた赤ワインを飲み比べてみることに。

フランスから渡ってきたぶどうから生まれたという清見。それにもともとこの地に自生する寒さに強い山ぶどうを交配して生まれた清舞と山幸。極寒の地に負けない生命力ある味わいに、お土産として自宅に送ったのは言うまでもありません。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城スパークリングワインの熟成方法
この地ならではの個性豊かなワインを味わい、ワイン城の奥に位置するC倉庫へ。ここではスパークリングワインが製造されているそうで、入口には滓を瓶の口に集めるための貯蔵方法が再現されています。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城C倉庫にずらりと並んだ巨大なタンク
倉庫内には、ずらりと並んだ巨大なタンクが。この1個で、一体どれほど飲めるんだろう。吞兵衛の僕は、学ぶことよりそんな妄想に耽ってしまう。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城瓶詰工程の見学
さらに隣の建物では、瓶詰から製品完成までのラインの見学も。この日は稼働していませんでしたが、おいしいワインの満たされたボトルが流れてゆく様子も見てみたい。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城工場裏手に広がるブドウ畑
工場の見学を終え外へと出れば、裏手に広がるぶどう畑。池田町の厳しい寒さや乾燥から木を守るため、一般的な品種のぶどうは土に埋められて冬を越すのだそう。冬に土を盛り、春に取り除く。その莫大な労力を軽減するために交配を繰り返し、今ではここでしか味わえない特別なぶどうが生み出されました。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城ぶどう畑の先に広がる広大な雪原
冷たい雪に埋もれつつ、じっと耐え冬を越すぶどうの木。その先には、どこまでも続く広大な雪原。視界のほぼすべてが白に占められ、それを見つめる自分の中まで空っぽになってゆく。

1月中旬冬の初十勝池田町ブドウ・ブドウ酒研究所通称池田ワイン城から望む雄大な十勝平野の雪景色
潔い冷たさを頬に感じつつ、じっと眺める見渡す限りの大平原。広大、壮大、雄大。この一画からの展望だけでも、そのスケール感の大きさが伝わってくる。

今回の旅で、偶然訪れることのできた十勝。初めて来たけれど、なんだかいいところだな。今度は緑豊かな時期にも来てみたい。十勝平野の雄大さとともに、凛とした冬の冷気を胸いっぱいに深く深く吸い込むのでした。

ふわりふらりと北海道 ~びっくり価格で驚きの白さ~
三十数年ぶりに体験した羽田空港での沖止めタラップでの降機間近で眺めるAIRDOB737の迫力ある姿
2024.1 北海道
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●1日目(東京⇒札幌)
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●2日目(札幌⇒帯広)
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●3日目(帯広⇒池田⇒東京)
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