晩夏、悠かなる道東へ。~釧路に恋して 3日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

晩夏、悠かなる道東へ。~釧路に恋して 3日目 ①~

8月下旬初めての釧路で迎える雨に煙る朝 旅の宿

釧路で迎える最後の朝。昨夜から雨は断続的に降り続いていたようで、窓の外には濡れた街並み。昨日一日、持ってくれただけで充分じゃないか。そう気持ちを切り替え、身支度を整えます。

8月下旬初めての釧路ホテルエリアワン釧路朝食
出発前に、まずは腹ごしらえ。朝食会場へと向かうと、こじんまりとしていながら数々のお料理が並んでいます。なす炒めや鶏の照り焼き、北海道らしいつぶの煮貝にたらこ。どれもご飯に合うものばかりで、ビジネスホテルで郷土色を感じられるのも嬉しいところ。

8月下旬初めての釧路雨上がりの釧路駅前バスターミナル
おいしいおかずにたっぷりおかわりしたかったのですが、お腹の調子を考え泣く泣く控えめに。というのも、今日は半日バス移動。久々の長時間トイレなし環境に備え、念には念を入れておきます。

快適な滞在を叶えてくれたホテルエリアワン釧路を後にし、すぐ近くに位置する釧路駅前バスターミナルへ。そこに停まっているのは、若き僕を魅了したあの印象的な塗装のバス。

26年前、美幌から川湯まで乗車した阿寒バス。あのときとは若干の変化はあるものの、高校生の僕の心を射抜いた丹頂カラーが未だ現役であることがただただ嬉しい。

8月下旬初めての釧路阿寒バスガイド付き定期観光バスピリカ号
おとといの到着時から、丹頂カラーに懐かしさとときめきを噛みしめてきた。そんな僕も、これから『阿寒バス』の車上の人に。ターミナルのカウンターで乗車券を受け取り、定期観光バスピリカ号に乗り込みます。

8月下旬初めての釧路26年ぶりに姿を見た想い出の釧路駅に別れを告げる。
始発である釧路駅から6名程度の乗客を乗せ、ピリカ号は定刻に発車。窓の外には、雨上がりに佇む釧路駅。もうここへは、戻ってこない。滞在中幾度も目にしたこの駅舎、そう思うと少しばかり切なくなる。

8月下旬初めての阿寒バスピリカ号車窓からは馬の佇む道東らしい光景が
途中フィッシャーマンズワーフMOOと釧路プリンスホテルを経由し、満員となったピリカ号。とはいえ50名ほど乗れる観光バスに対し30名ちょっとで満員と、ゆとりをもった定員設定がひとり旅にはありがたい。

乗客も一人利用が意外と多く、団体行動のバス旅ながら落ち着いた空気が流れる車内。実はちょっとばかり、バスツアーの雰囲気が苦手な僕。内心ほっとしつつガイドさんの説明を聞いていると、車窓には緑が増えときおり馬も佇む道東らしい光景が。

8月下旬初めての阿寒バスピリカ号車窓見学の釧路湿原北斗展望園地は真っ白
釧路湿原の西縁をなぞるようにして走る道道53号線を行くバス。本来なら木々の先に湿原が広がっているはずですが、今日の天気ではまったく見えず真っ白な世界。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号鶴居村に入り霧に煙る雄大な大地が見えるように
白く染まる北斗展望台を車窓から見送り、そのまま北上を続け鶴居村へ。すると立ち込めていた霧も薄くなり、雄大な道東の情景が徐々にその姿を見せてくれるように。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号車窓を流れるとうきび畑
平たく広がる湿原に別れを告げ、緩やかな起伏の続く緑豊かな農地へ。牧草地や牛舎の流れる車窓を愛でていると、北海道の夏を感じさせる広々としたとうきび畑が。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号放牧された牛が草を食む鶴居村の牧歌的な情景
雄大な大地のなか、ときおり現れる人の営み。牧草の緑に覆われるたおやかな丘陵、そこに放牧された牛が草を食む穏やかな車窓。牧歌的。この言葉を体現したかのような情景に、溜息を漏らさずにはいられない。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号から望む放牧されたホルスタインの群れ
なんだか、いいドライブだ。たまたまふと目に留まり、行程上都合もよかったため乗車を決めたピリカ号。穏やかな口調のガイドさん、車窓を流れるのどかな景色。ゆったりと身を委ねているだけでそれらに包まれるという贅沢に、早くもこの選択が大正解だったと思えてくる。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号最初の見学地摩周湖第一展望台
釧路から雄大な道東の車窓を満喫すること2時間足らず、最初の見学地である摩周湖第一展望台に到着。公共交通機関利用では、なかなか来にくい神秘の湖。予約したときから、楽しみにしてたんだよな!

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号最初の見学地摩周湖第一展望台から眺める真っ白な濃霧
お~い!摩周湖どこぉ~?

まぁ道中予測はついていたし、そもそもそう簡単に見られるとも思っていなかったし。ここが摩周湖だよと言われても、まったくその気配すら感じ取ることのできない濃霧。みんな思わず笑いが漏れてしまうほど、あたり一面驚きの白さ。

8月下旬初めての阿寒バス定期観光バスピリカ号摩周湖から硫黄山へと向け走る道
これはまた、再訪のための絶好の口実ができたというもの。霧の摩周湖という異名どおりの光景ににやける僕を乗せ、次なる目的地へと走るバス。

このときの僕は、まだ知る由もない。これから先、晩夏の道東の鮮烈な青さに包まれることを。

ひとり旅で初めて乗った、定期観光バス。その新鮮な体験に胸を高鳴らせ、流れゆく車窓を飽くることなく眼で追うのでした。

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晩夏、悠かなる道東へ。~釧路に恋して~
8月下旬初めての釧路ライトアップされた幻想的な幣舞橋とその煌めきをゆらゆらと水面に映す釧路川
2024.8 北海道
旅行記へ
●1日目(東京⇒釧路)
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●2日目(釧路・釧路湿原)
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●3日目(釧路⇒阿寒バスピリカ号⇒東京)
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