湯癒逸無二の山形へ ~陸羽仙山、時空旅。3日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

湯癒逸無二の山形へ ~陸羽仙山、時空旅。3日目 ①~

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼で迎える霧の朝 旅の宿

瀬見温泉で迎える静かな朝。障子を透かす明るさに起こされ外を見れば、今朝も温泉街を飲み込む白い霧。その幻想的な光景を胸へとしまい、朝風呂へと向かいます。

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼昭和時代築のレトロな別館玄関ロビー
誰もいないローマ式千人風呂で、ひとり静かに湯に揺蕩う。熱すぎず温すぎず、体に負担のかからぬ瀬見の湯に身を任せる至福の時間。そんな贅沢も、もうすぐ終わりか。そう思うと名残り惜しく、気づけば長い間湯浴みを愉しんでいました。

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼2泊目朝食
じっくりと瀬見の湯に浸かっていると、あっという間に朝食の時間に。昭和の風情溢れるロビーを通り、食堂へと向かいます。食卓に並ぶ、これぞ和の朝食といった品々。どれもシンプルながら白いご飯を誘うおいしさで、朝からしっかりお替りしてしまいます。

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼別館廊下に飾られた飴色に染まる番傘
おいしい朝ごはんに満たされ、満腹抱えて自室へ帰る道。飴色に鈍く輝く別館の廊下にたくさん並ぶ、この宿の歩んできた歴史。

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼別館廊下に飾られた陸羽東線瀬見駅の立派な旗
そのどれもが僕の知らない時代のものばかりで、毎度のことながらもう少し早く生まれていればと叶わぬ妄想を掻き立てる。

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼新館客室から望む本館の立派な破風
僕の子供のころのバブルとはまた違う活気にあふれていた、昔の時代。そんな賑わいを現代へと伝える写真たちを眺めていると、良かったらどうですかと連れて来てくれた新館の部屋。そこには本館の重厚な大屋根が間近に迫り、赤い屋根と山の緑の鮮烈な対比が美しい。

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼朝食会場となる玄関ロビー横のホール
大正時代の美意識の詰まった本館も良いけれど、赤い屋根に白い雪の積もる冬に別館に泊まるのもいいかもしれない。そんないけない妄想を抱きつつ荷物をまとめ、最後の一浴を噛みしめチェックアウト。もう一度だけ喜至楼に宿る世界観を胸いっぱい吸い込み、意を決してこの異空間に別れを告げます。

10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼自室のある大正時代築の本館千人風呂と明治生まれの本館玄関を眼に焼き付ける
明治から大正、昭和まで、時代時代の空気が缶詰のように凝縮された喜至楼。それが仰々しく保存されているのではなく、自然と積み重なってきたものだからまた味わい深い。よし、また来よう。そんな決意にも似た想いを抱き見上げる、2泊を過ごした101号室。

10月中旬初秋の瀬見温泉秋晴れの下さらさらと流れる清流最上小国川
乗る予定の列車まではまだたっぷりと時間があるため、ちょっとばかり回り道して駅を目指すことに。宿泊客の去った静かな温泉街を抜け、赤い欄干の亀若大橋へ。橋上からは、さらさらと流れる清流小国川と、それが刻んだ狭い谷。

10月中旬初秋の瀬見温泉国道47号線から望む喜至楼の威容
眩い陽射しを浴びつつ歩く、国道47号線。対岸に瀬見の小さな温泉街を望みつつ進んでゆけば、ひときわ目を引く巨大な旅館。最後にもう一度喜至楼の威容を胸に刻み込み、強く強く再訪を誓います。

10月中旬初秋の瀬見温泉国道47号線沿いに架かる陸羽東線の小さな鉄橋と揺れるコスモス
9年前も思ったけれど、のんびりしていいところだな。盛夏と早秋を味わえたから、次はモノクロームに染まる雪の時季かな。そんなことを考えつつ歩いていると、道沿いに揺れるコスモスと陸羽東線の小さな鉄橋が。

10月中旬初秋の瀬見温泉駅前に立派な杉が並ぶ瀬見温泉駅
線路と付かず離れず、仲良く小国川の谷を進む国道47号線。ジオラマのような鉄道風景に触れさらに歩いてゆくと、15分程で瀬見温泉駅に到着。来た時には気づきませんでしたが、駅前には見上げるほどの立派な杉が。

10月中旬初秋の瀬見温泉駅陸羽東線小牛田行きキハ110陸羽西線向け奥の細道最上川ライン塗装の単行列車が入線
もしかしたら、駅の開業を記念して植樹されたものなのかな。そんなことを考えつつ佇むことしばし、遠くから警笛の音と共に近づくエンジン音。鉄道由来と思われる木造の小屋と単行の気動車が並ぶ姿は、ローカル線の情緒そのもの。

10月中旬初秋の瀬見温泉駅陸羽東線小牛田行きキハ110陸羽西線向け奥の細道最上川ライン塗装の単行列車を見送る
瀬見温泉駅からひとりの乗客を乗せ、小気味良いディーゼルの響きを残し走り去るキハ110。カタン、コトン。1両編成ならではの軽快なリズムが山間へと消えゆくのを、ただ静かに見送るのみ。

喜至楼に宿る濃密な時代の香りに抱かれた、2泊3日。やっぱりここでの滞在は、ひと味違う。きっとまた、あの独特な世界観に逢いたくなる。決して近くはないけれど、そのときはまた陸羽東線に乗ってここまで来よう。小さな気動車が去ったホームに佇み、ひとり静かにそう決意するのでした。

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湯癒逸無二の山形へ ~陸羽仙山、時空旅。~
10月中旬初秋の瀬見温泉山形県最古の旅館建築喜至楼本館101号室建具とは思えぬ美しさの鯉の滝登りの彫刻
2023.10 山形/宮城
旅行記へ
●1日目(東京⇒大崎⇒瀬見温泉)
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●2日目(瀬見温泉滞在)
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●3日目(瀬見温泉⇒山寺⇒仙台⇒東京)
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