伊勢・名古屋あれこれ欲張りぐるめぐり ~3日目~ | 旅は未知連れ酔わな酒

伊勢・名古屋あれこれ欲張りぐるめぐり ~3日目~

2月中旬冬の名古屋コンフォートイン名古屋栄朝食付きプランの大えび天むす 旅の宿

初日から旨いものを食べ継いできたこの旅も最終日。そんな朝の始まりは、やっぱり名古屋名物から。ここコンフォートイン名古屋栄ではお弁当付きプランが選べ、朝からなごやめしを楽しむことができます。

エビフライサンドも捨てがたかったのですが、今回僕らが選んだのは大えび天むす。名古屋で大正時代から続く歴史ある駅弁屋さん、松浦商店が調製しています。

ふたを開けると、えび天がはみ出た大ぶりのおむすびが3つ。手に取るとずっしりと重量感があり、直巻きならではのしっとりとした海苔の指触りに期待が高まります。そしてパクっとひと口。うん、やっぱり旨いよなぁ、天むすは。

プリッとした太めのえびに、天ぷらを天ぷらたらしめるほどよい存在感の衣。それをきゅっとむすんでしばらく置くことで、全体が馴染みまとまりのある味わいに。味付けはシンプルに塩ベースで、お米の甘味やえび天の旨味を飾ることなく引き立たせてくれる。

本当に、このいくつでも食べられてしまうような軽やかさは一体何なのだろう。食べごたえはあるのに、油っぽさやくどさがない。お米と油の一体感を味わい、ときおりきゃらぶきの甘辛さで次のひと口を誘い。気がつけば、あっという間に3つ平らげてしまいました。

2月中旬冬の名古屋雨の降る名古屋市営地下鉄名城線熱田神宮伝馬町駅
東京で食べるたれ味のものとは一線を画す、名古屋ならではの天むすの旨さに朝から大満足。程よき時間にチェックアウトし、栄から名古屋市営地下鉄の名城線で熱田神宮伝馬町へと向かいます。

2月中旬冬の名古屋あつた蓬莱軒本店前宮の渡し歩道橋
そうか、前回来たときは伝馬町駅だったけど改称したのか。これなら土地勘のない観光客でも分かりやすいと思いつつ、お目当てのお店へ。その目の前に位置する歩道橋には、何ともストレートな名称が。どうやら名古屋には、ネーミングライツにより様々な名称の歩道橋が生まれているようです。

2月中旬冬の名古屋あつた蓬莱軒本店蓬莱陣屋
そう、そのお目当てのお店というはもちろん『あつた蓬莱軒』。いや、この旅自体、ここに来ることが動機であったといっても過言ではない。もうすっかり、蓬莱軒のひつまぶしなしでは生きられぬ体になってしまった。

2月中旬冬の名古屋東海道唯一の海路宮の渡し跡
列に並ぶこと小一時間、11時10分くらいに整理券の配布が開始。開店時間である11時半に入れることになったため、15分ほどの空き時間を使って近くの公園へ。

当初お手洗いを借りるつもりで行った公園、実は歴史ある場所。この宮の渡し跡は、東海道で唯一の海路であった区間を結ぶための船着き場だったそう。

2月中旬冬の名古屋宮の渡し跡からかつての東海道海上路に思いを馳せる
今では埋め立てられ運河の一画のようになっていますが、かつてはここから三重県は桑名へと向け船が行き交っていたそう。その海路は、結んだ距離から七里の渡しと呼ばれていました。

2月中旬冬の名古屋あつた蓬莱軒本店蓬莱陣屋へ
古の街道の要衝から眺める、遠くの鉄橋を行き交う新幹線。東海道という概念の変遷を目の当たりにし交通の歴史に思いを馳せていると、ちょうど良い時間になったためお店へと戻ることに。

待つことしばし、名前が呼ばれいよいよ入店。これまで神宮店、松坂屋店には行ったことはあるものの、ここ本店を訪れるのは初めて。宮宿の陣屋跡に建てられたという本店は、住宅街の一画とは思えぬ緑豊かなお庭を構えています。

2月中旬冬の名古屋あつた蓬莱軒本店蓬莱陣屋名物の元祖ひつまぶし
久々となる対面を目前に、そわそわと落ち着きなく待つことしばし。待ちに待った、ひつまぶしが運ばれてきます。

ふたを開けた瞬間、眼に飛び込む艶やかな飴色と鼻をくすぐる香ばしさ。やっと逢えたね。もう6年ぶりだよ。食べる前からそんな感慨が、ぐっと胸からこみ上げる。

たっぷりと鰻とご飯の入ったおひつを、まずはしゃもじで十文字に4等分。最初の一杯は、そのままうなぎご飯で頂きます。深呼吸し、心して最初のひと口。うわぁ、やっぱり蓬莱軒はすげぇや。

大袈裟ではなく、食べた瞬間駆け巡る旨さという鮮烈な感情。名古屋らしく蒸さずに焼かれたうなぎはバリっと香ばしく、そして何よりたれが絶品。東京生まれの東京育ち、今も昔もふわっふわのうなぎが大好物の僕ですが、この地焼きの旨さを知らずに死ななくて本当に良かったと思えてくる。

続いては、ねぎや海苔、わさびといった薬味と合わせて。蒸していないからこそしっかりと残された心地よい脂、それに負けない、それでいて濃すぎない塩梅のたれ。それらを薬味の味や香りが昇華させ、ぐっと華やかな味わいに。

3杯目は、ひつまぶしといえばのお茶漬けで。薄味の上品なおだしとともに啜れば、ほくほくほろほろさらりと広がるうなぎの旨さ。関東風では、柔らかすぎて負けてしまう。関西風だからこその味わいに、もうにやにやが止まらない。

そして最後は、お気に入りの食べ方で。やっぱり僕は、薬味のせが好き。

名古屋まで来ないと味わえない、文字通りの地域限定の味。じっくり丁寧に味わっているつもりなのに、その想いとは裏腹にあれよあれよという間に消えてゆく。あぁ、切ない。減りゆくお茶碗を見て、こんなに切なくなるなんて。そんな食べ物と出逢えることなど、そうそうありません。

2月中旬冬の名古屋雨の熱田神宮立派な木の鳥居
あっという間に食べちゃった。至福の旨さの余韻を感じつつも、その儚さに相方さんと苦笑い。充分なボリュームはあるはずなのに、体感的には秒で完食。このためだけにでも、また名古屋まで来なければ。蓬莱軒の揺るぎない破壊力に改めて圧倒され、大満足でお店を後にします。

2月中旬冬の名古屋雨の熱田神宮本宮
今日は平日、しっとりと雨の降るなか静かな熱田神宮にお参りを。6年前、前回訪れたときはゴールデンウイークの船旅に発つ前だった。そのときとはまた状況が変化しているなか、こうして再びお参りできたことのお礼を伝えます。

2月中旬冬の名古屋雨の熱田神宮境内を包む圧倒的な緑の深さ
そういえば、昨日のお伊勢さんに続き雨の熱田神宮は初めて。しっとりと濡れ艶めく木々は、緑のみならず放つ生命力までもがその濃さを増すかのよう。

2月中旬冬の名古屋雨の熱田神宮雨に濡れしっとりとした森の中咲く一本の梅の木
大都市名古屋のなか、ここだけ時が止まったかのような静けさに包まれる熱田神宮。何度訪れても、境内に広がる森の深さには圧倒されるばかり。豊かな緑の中、雨に打たれ咲く一本の梅。その奥ゆかしいうつくしさに、まもなく訪れる春の気配を感じます。

2月中旬冬の名古屋帰京のために新幹線ホームへ
弱まることを知らず、朝から降り続く雨。駅への道すがら大洲の散策でもと思いましたが、止む気配もないため神宮前から名鉄で名古屋へと戻ることに。

今宵は自宅で名古屋めしをつまみに宴の予定。タカシマヤやエスカで味噌カツや天むす、手羽先を買い込み、新幹線のホームへと向かいます。

2月中旬冬の名古屋駅きしめん住よし新幹線上りホーム店
さすがは日本の大動脈、平日の14時台とはいえ近い列車の2人掛けは並びで取れない。そう家路を急ぐわけでもないため、30分ほど後の列車を指定しホームで待つことに。

当初は熱田神宮で宮きしめんを食べようかと目論んでいましたが、ひつまぶしでお腹いっぱいになったため見送ることに。そんな中、列車を待つベンチへと漂う芳しいだしの香り。そうなりゃもう、こうなることは目に見えている。

2月中旬冬の名古屋駅きしめん住よし新幹線上りホーム店のきしめん
ということで、やっぱり駅きしめんに捕捉されてしまった。上りホームの新大阪方にある住よしで、最後の名古屋の味を啜ってゆくことに。

厨房のお二人は、幾多もの出張族を相手にしてきてた手練れなのでしょう。あっという間にカウンターにきしめんが置かれ、それと同時に厚みをもっただしの香りが鼻腔をアタック。

まずはそのかぐわしいおつゆをひと口。あぁ、沁みる。五臓六腑に、落ちてゆく。

中京とはよく言ったもので、東京の黒いつゆと関西のうどんだしのちょうど中間の濃さ。濃口が主張するわけではないが、しょう油の味はきいている。だからこそ、この濃いかつおの旨味が活きるのでしょう。

放っておくとおつゆを飲み干してしまいそうなので、慌てて麺を。これがまた、魅惑の口当たり。うどんとは似て非なる、ぺろんともちっとした食感。それが濃口と薄口の間、中口とも呼びたくなる塩梅のおつゆを口へと運び、手繰る手がどんどん加速する。

駅のホームで、このクオリティだもんな。本当に名古屋は、個性豊かな食の都。この街に来なければ味わえない美味が、またおいでと容赦なく誘ってくる。

2月中旬冬の名古屋駅ホームに到着した東京行きN700Aのぞみ号
旨いものを求め、それだけを目的にふらりと出かけた今回の旅。ふたりで伊勢と名古屋を訪れるのは10年ぶりだったけれど、そのときとはまた違った旨いものたちにたくさん出逢えた。

この地には、まだまだ食べたいものがある。これはまた、新たなパンドラの箱に触れてしまった。品川から1時間半、仙台と変わらぬ距離。そう考えると、いや、危ない危ない。そんな再訪の企みを膨らませつつ、満足感に包まれ帰京の途へと就くのでした。

伊勢・名古屋 あれこれ欲張りぐるめぐり
2月中旬冬の松阪あみ焼き、鶏料理のぼやんあみ焼きの若鶏親鳥肝
2024.2 愛知/三重
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1日目(東京⇒名古屋⇒松阪)
●2日目(松阪⇒伊勢⇒名古屋)
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3日目(名古屋⇒東京)

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