冬の北国ひとり旅 ~3・4日目 ①~

御やどしきしま荘朝食

空が明るくなったころに目覚め、朝の刺すような寒さの中、露天風呂へ。ガラスのようにピンと張った空気の中暖かいお湯に入る。まさにこれが冬の朝風呂の醍醐味。

朝風呂で一汗流し、朝食の時間。温泉に入浴すると、意外と体力を消耗するのでしょう、ご飯がやはりいつも以上に美味しく感じます。やっぱり旅先の朝食は、和食に限ります。

冬の大雪旭岳源水

帰りはなんと、お宿のバスが旭川駅まで送ってくれるとのこと。送迎に関しては何も書かれておらず、さらに駅まで1時間掛かる距離なので、全く考えていなかっただけに、本当にありがたい。

さらに宿の方のご好意で、帰り道の途中にある湧水スポット、大雪旭岳源水にも立ち寄ってくれました。湧水って本当に不思議なもので、周りは息も凍りそうな極寒の世界の中、凍ることなくきれいな水が滔々と流れ出ています。

コップに汲むと、水の方がちょっぴり温かく感じ、湧水の温度が年間通して一定しているということを、身をもって感じます。

一口含んでみると、まず感じるのが甘さ。クセのない、ほんのり甘いこの柔らかい水は、コーヒーやご飯、料理に使用するのに最適だそう。

同乗した地元の宿泊者曰く、地元の人はよく汲みに来るそうで、一度この美味しさを知ってしまったら、水道なんて使えないとのこと。まさに贅沢な自然からの恵みです。みんなで汲んで使わないともったいないほどの量が流れ続けています。

冬の旭川高砂酒造明治酒蔵

宿の方が送って下さったお陰で、予定より早く旭川駅に到着。そこで急遽、旭川の銘酒、国士無双を醸造する『高砂酒造の明治酒蔵』に立ち寄ることに。駅前の道を東方向へ15分ほど歩きます。

この蔵は明治時代に建てられ、中には直売所が設けられています。直売所には酒蔵限定品もあり、もちろんここでお土産を。

酒蔵限定の国士無双純米吟醸蔵酒一番しぼりを購入。キリッと辛口のイメージの強い国士無双ですが、これは絵に書いたような濃厚さ。ここでしか手に入らない、貴重かつおいしい逸品です。

高砂酒造明治酒蔵国士無双の旗

蔵の奥には、昔の酒造りの道具が陳列されており、明治時代からの蔵の風情を味わうことができます。入り口に掲げられた国士無双の旗が勇ましい。

いつも好んで飲んでいるお酒の蔵元を訪ねるというのは、なんだか特別な感じがします。そのお酒の故郷へ来たような、その生い立ちを垣間見るような、不思議な感覚を覚えます。

冬の旭川歴史ある建物

高砂酒造からの帰り道には、こんな歴史のありそうなレンガ造りの倉庫が。現在は地ビールレストラン等が入っています。

その倉庫を運営する会社の事務所である、中央の木造建築も、白い雪景色にピッタリ。旭川ではこんな洋館風の建物や倉庫が見られ、ここが北海道第2の都市として、古くから栄えてきた歴史を感じることができます。

旭川らぅめん青葉

時刻はちょうどお昼時。旭川でお昼といえば、もうラーメンしかないでしょう。ということで、今回は『旭川らぅめん青葉』にお邪魔しました。

こちらは昭和22年、屋台として創業して以来、その味を頑なに守っているお店だそう。旭川ラーメンの草分け的存在として、有名なお店です。

旭川らぅめん青葉のしょう油ラーメン

旭川ラーメンと一口に言っても、ベースの調味料からスープに使う材料まで、千差万別。こちらのスープは、前年に訪れた天金とは違い、濁りの少ないしょう油色。

スープには、豚骨鶏ガラ昆布にかつお節、その他野菜などたくさんの材料が使われているそうで、これられを煮立てず弱火でじっくり煮込んでいるので、このきれいなスープに仕上がるのでしょう。

スープを口に含むと、しょう油の香ばしい香りがフワッと広がります。豚骨、鶏ガラ、魚。いずれかが際立って主張しているのではなく、それぞれが協調してなんとも言えない独特な、おいしい、優しい、懐かしいスープを形作っています。この一体感には感動しました。

麺は旭川ラーメンによく見られるという、低加水の縮れ麺。伸びにくくスープによく絡み、小麦の香りをしっかり感じられる、食べ応えのある麺です。ツルシコ麺も好きですが、このボディーのしっかりしたしょう油スープには、このしっかりした麺が似合います。

上には植物油が張られており、北国らしく最後まで冷めずに熱々をいただけます。天金がコッテリ系と表現するなら、こちらはシンプルあっさり系。どちらも違う美味しさを持っており、旭川ラーメンの奥深さを見せ付けられました。もっと、もっとたくさんのお店を訪れてみたいものです。

キハ183系オホーツク号

この旅最後の北海道食、旭川ラーメンを食べて体を芯から温め、いよいよ帰路へと就くことに。札幌へは日に数本しか走っていない、オホーツク号に乗車。最後の北海道特急列車は、やはりディーゼルでと決めていました。

網走から半日近くを掛けて走ってきた列車は、雪にまみれて札幌へと最後の力走を見せます。次にこのエンジンの唸りを感じるのはいつになるのだろう。そんな北海道への未練を感じながら、札幌へと近付いていきます。

白銀の車窓とサッポロクラシック

車内でクラシックを開けます。これは昨晩旅館で飲もうと思って飲まなかったもの。バスを降りてから3時間弱、かばんに入れて街を歩いていました。いざ開けて飲もうとした瞬間、なにやら異変が。なんと中身全部がシャーベットになってしまっていたのです。

いくら寒いといっても、たった2時間や3時間しか持ち歩いていません。さらに蔵やデパート、ラーメン屋さんなど屋内にいた時間も相当あったのに凍るとは。旭川の寒さをまざまざと見せ付けられました。

札幌駅ビル

北海道の自然のすごさを意外なところで再発見し感動したところで、列車は札幌駅に到着。旭川からは1時間半なので、あっという間に着いてしまいます。

もうここまで来たらあとは帰るだけ。東京で待つ人たちの為にお土産を仕入れ、列車の時刻を待ちます。

冬の北国ひとり旅
札幌駅に入線する北斗星DD51重連
2010.1 北海道
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